この交響曲については、主に演奏される第2稿(ハース、ノヴァークの2つの版)の他に、第1稿(ノヴァーク版)があります。

そして、第3稿として知られるのが、第2稿にレーヴェなどの弟子が手を入れたいわゆるレーヴェ改訂版。


ハース版が登場する1936年までは、このレーヴェ改訂版が、この曲の唯一の出版譜でした。

今も当時も、ブルックナーの交響曲の中で最も取っ付きやすく、かつ人気がありますが、そういう意味ではブルックナーの人気醸成に大きく貢献したのは、このレーヴェ改訂版による第4交響曲ということになります。


尤も、ハース版やノヴァーク版といういわゆる原典版が登場すると、「ワーグナー風に改悪した」だとか、「ブルックナー自身の承認を得ていない」等と散々に言われ、20世紀後半にはあまり聴かれなくなりました。


とは言うものの、この改訂版に追加されたシンバルなんかは効果的なせいか、ヨッフム、カラヤン、テンシュテット、バレンボイムなんかも、そこだけはこの改訂版を採用してます。

全曲完全な改訂版となると、クナッパーツブッシュ、マタチッチあたりが録音を残してますし、また一部を原典版に戻しながらも基本はこの改訂版を用いているのがフルトヴェングラーということになりましょうか。


私はこの改訂版に結構馴染んでしまってる方なんですが、やはり原典版から入ると、第3楽章や第4楽章の大幅なカットには面食らいます。

ただ、個人的には第4楽章の294小節以降のティンパニの波状攻撃なんかは(もちろん原典版には存在しない)、堪らなく好きです。

マーラーならこういう風に書いただろうなぁ、みたいな感じで。


今日は

クナッパーツブッシュ&ウィーン・フィル


1964年4月12日のライブ。

1963/1964年のシーズンの第6回定期演奏会での録音で、前プロはブラームスの「ハイドンの主題による変奏曲」でした(こちらは録音未発見)。

クナッパーツブッシュはいよいよ身体が衰え、これがウィーン・フィルへの最後の登場。

あとは、バイエルン国立歌劇場で「ウィンザーの陽気な女房たち」と「フィデリオ」を各1回ずつ振り、そしてバイロイトでの「パルジファル」が生涯最後の指揮となりました。


彼はデッカにもやはり改訂版で商業録音を残してますが、この最晩年の痛々しいながらもスケールの大きい演奏も捨てがたいです。


なお、最新の国際ブルックナー協会のコーストヴェットによる校訂版は、実質この改訂版なので、再び改訂版の時代が戻ってくるのでしょうか?






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