先日の「題名のない音楽会」で「春の祭典」を取り上げてましたね。

今年がパリでの世界初演から100年だそうで。


話題は冒頭のファゴットには相当キツい高音のソロからスタートしてました。

このことは非常に有名ですし、まぁ普通ならクラリネットあたりに吹かせれば良さそうなものですが、要はそのキツいギリギリな感じをストラヴィンスキーは出したかったのだろうという言わば確信犯説でお話は進んでました。

初演時にサン=サーンスが「楽器の使い方を知らない作曲家の音楽は聴きたくない」と席を立ってしまったというのは、あまりにも有名なエピソードですが(笑)


こういうのには、色々パターンがあるようで…

ベートーヴェンなんかは、相当慎重だったらしく、スコアを見ると、当時の楽器では出せなかった或いは出すのが困難だった音(主に管楽器)は、オクターブ下げるかそもそも休みにするかしてますよね。


ブルックナーは、音程楽器ではないシンバルやトライアングルなんかを、あたかも音程楽器かのように五線譜上に記譜してますね。


他方、シューマンなんかはほぼ出せないような音を記譜してたりして、その辺りは意図的なのか、単にピアニスト上がり(崩れ?)のシューマンが管弦楽法に通じてなかっただけなのか、議論が分かれるところみたい。


まぁ、ストラヴィンスキーは明らかに確信犯なんでしょうね。



そして、無数に現れる変拍子や裏拍についてのお話。

後のロックやハードロックに影響を与えたそうです。
私はロックやハードロックには全く興味ないので、両者の違いが分からないんですが(^-^;

いずれにしても、あの11拍子には本当に度肝を抜かされますよね。
この箇所を全く振らないバーンスタインの映像には笑ってしまいました(^ー^)



いまなら、こんなグチャグチャな変拍子オンパレードの作品も、指揮者のコンクールの課題曲になってるくらいだから、捌けて普通なのでしょうが、初演当時の指揮者たちには骨が折れたことでしょうね。

曲が終わってもまだ振り続けていたという某指揮者(笑)


有名なのは、1924年のウィーンでの初演。

元々、ヨーロッパの中でも際立って保守的なウィーンですが(あれほど古い伝統を誇りながら、初演作が極めて少ない国立歌劇場に代表される)、パリでの初演から10年以上を経過してようやくというのも、さすが。

初演を担ったのは、ブルックナーの弟子のフランツ・シャルク(1863-1931)

今ではブルックナーの改訂版で悪名高い(?)ですが、生前はウィーン国立歌劇場の音楽監督を務め、ウィーン・フィルとも密接な関係を持ってました。


そんな彼がウィーン・フィルとこの曲をウィーン初演することになりましたが、プローベの段階から相当難航したようで、当時のコンマス(アルノルト・ロゼだろうか?)はこう皮肉ってます:

「諸君、私たちはもう30分も真剣に残って練習した。しかしシャルクはもう30分、独りで残って練習しなければなるまい」


で、やはりシャルク&ウィーン・フィルによる「ハルサイ」は散々だったらしい(笑)


まぁ、今でもウィーン・フィルは本音のところでは20世紀以降の音楽は、あまりお好きではないらしいから、ましてやこの時代にこの曲では、指揮者もオケも難儀したことは、想像に難くないかも。


ましてや、世界初演を振ったモントゥーですら、ストラヴィンスキーの作品の中ではこの「ハルサイ」は、終生好きになれなかったくらいですから、況んやシャルクをや、というところでしょうか?



で、今日聴いたのは

カラヤン&ベルリン・フィル


1978年のルツェルン音楽祭でのライブ。


カラヤンは非正規の音源も含めて5ないし6種類くらいの同曲の録音を残してると思いますが、個人的にはこの演奏がカラヤンの「ハルサイ」のベストかと思います。

キメるところはばっちりキマッてます。

ティンパニが炸裂しまくってますが、確かフォーグラーだったはず。


梅雨の鬱陶しさを吹き飛ばしてくれます。


やっぱりライブのカラヤンは凄い!





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