今日は

ハウシルト校訂のブライトコプフの新版のスコアを片手に第九を♪


まずは

トスカニーニ&コロン劇場管(1941年)


トスカニーニの録音史上、そして第九の録音史上、最もぶちギレた演奏の1つ。

まぁ、普段から直情径行なトスカニーニだけど、この演奏はさらにつんのめり気味。

音は最悪だし、欠落もあり、別の録音で補われてたりするけど、ブエノスアイレスの聴衆に乗せられたのか、とにかく完全に燃え尽きた演奏です。

偉大なバスで、ナチを逃れてベルリン国立歌劇場を去ったアレクサンダー・キプニスのソロが聴けるのも嬉しい。



次に聴いたのが

ワルター&ウィーン・フィル(1955年)

ウィーン国立歌劇場再建を記念して、楽友協会ではなく、国立歌劇場で行われた公演。

当初は音楽監督のベームから、「ドン・ジョヴァンニ」の指揮を依頼されたものの、高齢を理由に断り、その代わりにこの第九の指揮を引き受けました。

歌手陣は、ギューデン、ヘンゲン、マイクート、フリックというこの当時のウィーン国立歌劇場のメンバーたち。

マイクのセッティングが、ソリスト中心のせいか、合唱がかなり遠くなってしまっているのが、残念。



もう1つは映像で

クレンペラー&フィルハーモニア管(1964年)

歌手陣はギーベル、ヘフゲン、ヘフリガー、ナイトリンガーというすさまじいメンツ!


以前、ある方から「お気に入りの第九は?」と問われ、悩んだ末出した答えがクレンペラーでした。

常々書いてますが、個人的にこの人が凄いと思うのは、どんな大編成の作品でも、各パートがちゃんと聴こえてくること。

フルトヴェングラーにしろトスカニーニにしろカラヤンにしろベームにしろ、あるパートを強調するために、他のパートが犠牲になって聴こえないというケースがままありますが、クレンペラーはほぼ皆無。

驚くべきは、それがセッション録音の録音技術によるマジックなどではなく、実演でもそうであること!

このライヴ映像でも確認できます。


さて編成ですが、管は完全に倍管。

まぁ、プロムスなんかをやるようなバカデカいホールだから、突然かも。

弦の配置はクレンペラーお気に入りの昔ながらの対向配置。
舞台下手から、1.Vn、Vc、Va、2.Vn、そして1.Vnの奥にCbという並び。

この配置がこの曲で必須だと感じさせてくれるのが、第2楽章。

第9小節から始まる第1主題は、2.Vn→Va→Vc→1.Vn→Cbの順番で、4小節ずつ遅れて奏されますが、この配置だと舞台上手から順番にバトンタッチされる様が、音だけでなく、視覚的にも確認できます。


またこの楽章でクレンペラーの演奏に特徴的なのが、43小節目以降。
ここでは弦が無窮動的に4分音符を弾き続けてますが、その影でHrとTrが主和音を分散和音で奏でてます。
この楽章がd-mollであることをはっきりと宣言している箇所です。

これも多くの指揮者が蔑ろにしてるか、あるいは聴きとれませんが、クレンペラーの第九は必ずはっきりと聴こえてきます。


クレンペラーは半身不随状態で、杖をつきながら男性に付き添われ登壇し、指揮も椅子に座りながらですが、けっこう細かく合図を出してますし、何よりも丁寧にスコアを捲りながら指揮をしてます。

カラヤンなんかと比べて、お世辞にもスタイリッシュではないですが、その武骨さこそが全ては音楽のためという姿勢に見えて、私は好感を持ちます(^O^)


先日はフルトヴェングラーの第九も聴いたから、これであのあまりに有名なベルリンのイタリア大使館での集合写真のうち、4人の演奏を聴いたことになります。

あとは父クライバーの演奏を聴かなければ(笑)




Android携帯からの投稿