
第1楽章の序奏はそれほど遅くありません。対向配置のおかげで、14小節からの16分音符の上向音型の受け渡しが、効果的に聴こえてきます。
主部に入り、89小節のffからが巨匠の本領。実にどっしりと構えて、悠然とオケを鳴らします。なお反復は行ってません。コーダも急がず慌てず。テンポは遅いですが、一貫してバスが符点のオスティナートをキッチリ刻んでます。
第2楽章も淡々と進みます。75小節からのffなどでも、木管の音が明快に聴こえてくるのが、この指揮者の特徴。183小節からの弦の掛け合いは、彼の指揮を聴く醍醐味の1つです。楽章最後の275,276小節は、スコアではarcoが指示されてますが、彼はpizzで処理。
第3楽章も指示のプレストよりはゆったりとしたテンポを設定。トリオはじっくりと歌い上げてます。
そしてフィナーレ。期待通りの貫禄の演奏を展開。ズシリと重みがあり、一音たりともおろそかにしない演奏です。最後も全くテンポを上げず、拍を明確に刻んでます。9分近くをかけた納得の聴き応えです。
まさにアンチ「のだめ」的名演です。

なお、CDの余白には、ラモーの作品をクレンペラーが編曲した「ガヴォットと6つの変奏曲」が収録されていて、なかなかの佳作です。