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彼のレパートリーはバロックから近現代物にまで及ぶ幅広いものでしたが、その中心はやはりドイツ古典派・ロマン派の作品で、残された録音もこうした作品が多いです。

教育者としても優れており、門下の指揮者にはカール・エルメンドルフ、カール・ミュンヒンガー、ギュンター・ヴァント、そして現役ではギュンター・ヘルビッヒがいます。

演奏スタイルは、正統派という評価が多いようですが、私見では、非常に情熱的でかなり濃厚なデフォルメをする指揮者だと思います。特にライブでその傾向が強いです。

フルトヴェングラーの指揮する演奏が、ある種のエロスを備えた情熱的な演奏だとすれば、アーベントロートの場合はむき出しの情熱といった感じです。イメージで言うと、「カメラ」の優しいフラッシュではなく、昔の「写真機」の強烈なフラッシュを浴びせるような演奏で、汗が止まらない、まさしく「灼熱」という言葉が相応しいです。

明らかに男くさい演奏で、フルトヴェングラーの演奏が好きという女性は聞いたことがありますが、アーベントロートが好きという女性はあまり聞いたことがありません(単に知名度が低いだけかも)。

「悲愴」の第3楽章の終わりの大見得をきったネットリフィニッシュ、ブラームスの第1交響曲の未だかつて聴いたことのない凄まじいドライブなどが、その好例です。