外は雨になってきました雨

今日はマーラーの交響曲第9番のスコアについてあれこれと…

ご存知の通り、この曲は彼の死の翌年、1912年にブルーノ・ワルター指揮ウィーン・フィルの演奏で初演され(聴衆の反応はイマイチだったとか)、スコアも出版されました。

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これはUniversal Edition(UE)から出版された初版譜のリプリント版で、現在はDoverで入手可能です。

Doverは著作権切れのスコアをリプリントしていますが、マーラーの交響曲に関しては、Doverがコピー元として挙げているスコアを別の出版譜と取り違えている曲がありますが(もちろんDoverは認めてませんが)、第9番に関しては確かに初版譜のリプリントです。

以後、半世紀以上に渡り、このスコアに従ってこの曲は演奏されてきました。

その後、1969年に国際グスタフ・マーラー協会による全集版として、エルヴィン・ラッツが全面的に校訂した新たなスコアがUEから出版されました。

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この音楽之友社によるポケットスコアは、UEのポケットスコア版であるPhilharmonia版のリプリントです。

1912年の初版との大きな違いは、初版では2台とされていたハープが1台にまとめられている点です。その他にも様々な修正を加えてます。

日本ではこのスコアが圧倒的シェアを占めてます。