さて音質ですが、録音状態は決して優秀とは言えません。TAHRA盤は放送局の音源を使用した正規盤なので、元々の音源が既に劣化していたのでしょう。デッドな響きで、もう少し鮮明に聞こえればと悔やまれる箇所があることも事実です。

第1楽章は、消え入るような虚空から現れる冒頭のH→Gのアウフタクトからして既にフルトヴェングラー節。Hの音は聴感上、譜面の4分音符よりも長めです。そして早速22小節付近からアッチェレ。

再現部に入る直前の243小節のpppの緊張感。そして再現部に入る258小節の休符の使い方の巧さ。コーダの追い込みは流石。締めくくる439小節のティンパニのEの4発の貫禄!


第2楽章は、24小節付近の静かなpizzの箇所で、当時のベルリンの名物=連合軍の輸送機の音が聴こえます。110小節の間の取り方は流石で、その後のクラリネットの膨らませ方も美しさの極み。


第3楽章のどっしりとした構えはまさに巨匠の貫禄。このオケの厚みを感じさせます。


そして終楽章。冒頭の重厚さはいつも通り。続く第3変奏の木管の瑞々しさ。97小節からのフルート・ソロの素晴らしさ。ニコレの前任の首席であるハンス・ペーター・シュミッツです。128小節のritとパウゼの巧い使い方。そして最後は例のアッチェレで締めくくります。

Haus der Musik-20100129115023.jpg初出盤のDR盤