2018『舞台友情』初日マチネVol.22 一輪のコスモス。 | 電卓男の友情日記

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白血病になった女の子とクラスメイトとの絆の舞台『友情〜秋桜のバラード〜』について書いています。

 
前半最後のシーン。
 
 
このシーンは、去年から導入されたもので、それ以前にはなかった。
(あくまで私は2014年からしか観ていないので、それ以前のことはわかりません。悪しからず💧)
 
 
だが、去年観て、私はここのシーンがものすごく好きになった。
 
 
何より、非常に大きなメッセージが詰め込まれている。
 
 
 
 
 
あゆみの自宅。
 
あれからまた数ヶ月が過ぎ、学校は夏休みになった。
 
あゆみは一時的に病状が安定しているため、自宅に帰ることができ、ここで生活している。
 
礼子先生の手紙によると、高校進学はあきらめたという。
 
 
将来の夢を持ち、勉強や進学に前向きで学校生活を送ってきたあゆみにとって、高校進学を断念するというのは、ものすごく大きな人生の岐路。
 
 
 
高校進学をあきらめたと聞くと、まだ夏休みなんだから、来年のことはわからないではないか、そこまで早く決断しなくてもいいのに、と思う人もいるかもしれない。
 
 
 
白血病は、寛解期、地固め期を経て、退院できるのに少なくとも1年以上入退院を繰り返さなければならない病気。
 
 
 
すでに夏休みに入り、これから秋・冬と本格時期を迎える受験生にとって、勉強だけでも手一杯なのに、病気とも闘わなければならないというのは、きわめて厳しい現実。
直前や試験日当日も、いつ、どんな状況になるかわからず、正直なところ、受験をしている余裕などないのが実情ということになる。
 
 
今は、病気を治す。
それに全力を注ぐ。
 
 
先生や両親とも話し合いを重ねた結果の結論。
 
 
だが、あゆみにとっては、夢も希望も失った状態にあると思う。
 
 
そして、抗がん剤も続いているため、髪の毛はあいかわらずないまま。
 
 
闘病生活は、そうした数多くのものを失わなければならない、つらいものだということを観客に伝えるための、大事な内容。
 
 
以上が、前提となる。
 
 
 
 
 
礼子先生が送ってくれたであろう滝川のコスモス畑の写真を見ながら、スケッチをしているあゆみ。
 
体調は悪くないようだ。
 
仕事から帰宅したお父さんが、絵を褒めてくれる。
 
うふふ、と喜ぶあゆみ。
 
自宅なので、帽子はかぶっていない。
 
あゆみにとって、快適な時間。
観客にとっても、平和な時間。
 
 
 
もう一つ、
鉢植えで育て始めた、一輪のコスモス。
 
「うちのコスモスも、元気に育っているな」と、とても明るい声で元気よく話すお父さん。
 
家族の笑い声とともに、明るく見える、ピンク色の花。
 
この一輪のコスモスというのが、この舞台を通して、一つのあゆみのモチーフとなっている。
 
 
 
そこへ、来客が。
 
玄関から、お母さんの声が。
 
 
なんと、
野本先生と友達が来たという。
 
 
えっ!
なんで!?
 

青天の霹靂。
声はものすごく慌てていてとてもよかったが、それに対して動作が普通すぎる。
全然慌てていない(あゆみ役の綺実さん、もう伝えたことなのにまた言ってすまぬ。来年出る子のためにもね)
 
 
机の上の絵の具類をある程度片付けてから、帽子を被ったのだが、ふつうに考えると、玄関から居間まではすぐなはず。
慌てて片付けもそこそこに、一番見られたくないアタマを隠す気がするのだが💦
 
アタマ隠してほか隠さず、でもいいくらい。
 
あと、例えばお父さんが外ではカツラを被っているようなご家庭で、近所の人が見えた時に、お母さんが先にお父さんに来客の旨を伝えてカツラを被らせてから対応するといった流れになるから😅本当であればここも、あゆみの心を尊重して、お母さんが先に来客があることを伝えに来てからお通しするものなんだろうけど、まぁそこは、舞台だから…ね(笑)
 
 
 
 
前置きがいつも本当長くて申し訳ない。
 
 
 
ここからのあゆみ、
 
このマチネ、
このあとのソワレ、
そして千秋楽と、計3回観ましたが、、、
 
 
 
 
 
すんばらしい出来栄えです✨✨
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
長くなるので、いったん筆を置きます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いつか旅先で見た、コスモス。
 
 
 
 
 
 
 
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*読者の方へ*
 
このブログは、『友情』という舞台を行う意義、全体のストーリーや流れを熟知した上で、よりよくほかのお客様に観ていただけるよう、個人的な感想を書いているものです。
 
1人でも多くの方にこの舞台の存在を知っていただき、また実際にお越しいただいて、「白血病」という病気のこと、ドナー登録や献血の重要性を理解していただけることを第一に考えております。
 
そのためには、舞台の中心となる生徒役の役者さんたちが、もっともっと良い演技をすることが大事です。
 
私はそこに主眼を置き、生徒役の方々の演技の良し悪しをお伝えしています。
 
加えて、生徒さんたちが全力で稽古した成果も評価してあげたいと思っています。
 
「泣く」「叫ぶ」などといった演技を、「すばらしい」「リアリティがある」などと評価しているのは、すべて、上述のためです。
 
決して、現在病気と闘っている方々のことを憂慮していないわけではございません。
 
そのことをご理解いただいた上で、今後とも【電卓男の友情日記】をどうぞ宜しくお願い致します。