2018『舞台友情』初日マチネVol.20 汚い字のノート。 | 電卓男の友情日記

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白血病になった女の子とクラスメイトとの絆の舞台『友情〜秋桜のバラード〜』について書いています。

 
こないでっ‼︎

来るな!

帰って!

出てってよォ‼︎‼︎‼︎

 

 

 

 

急いで布団の中に逆戻り。

 

 

みんなが帰って帽子を脱いでいたところに、

急にやってきて見られてしまった。

 

 

森山信一。

 

 

お母さんが少し話したみたい。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

と、あゆみ目線で話しているときりがありませぬ(笑)

 

 

 

前回、信一のことを書いたが、慌てて帰ろうとする彼を引き止めたのは、あゆみの母親だった。

 

 

 

 

森山くん?

 

森山くんでしょ??

 

 

と。

 

 

 

名前も名乗っていないのに、一瞬でわかったのは、きっとあゆみが家で森山信一のことを話していたから。

 

でも、人柄(ボロクソに言われていただろうけど笑)や性格(極悪みたいに言われてたと思われる笑)だけで、身長とか風貌など、外見は聞いていなかったのかもしれない。

 

それでも、なんとなくわかった。

母親って、そういう感が意外とするどい(笑)

 

 

余談だが、

森山家のシーンで、信一が両親にあゆみのことを話したときに、ご両親が「その子はかわいいのか?」とか「こんどウチに連れておいでよ」などと勘違いしていたのと同様に、島崎家でも、何度かあゆみが信一のことを話題にあげた際、もしかしたら、好きなのかな、なんてご両親(特にお母さん)は思ったかもしれない。

 

実際、子供たちはそんなことを思っていなくても、親ってそういう風にちょっと思ったりする。

 

それもまた、子育ての中の楽しみの一つなのかな、なんて考えたりする(笑)

 

 

この日、クラスの友達がお見舞いに来てくれたが、雄二がふざけて「オレ、森山信一!」と声当てゲームをやったのも、お母さんはきっと聞いて「あっ、森山くんのことだ」と感じていたであろう。

 

 

なので、ハッ!と、森山くんかな?と思い、瞬時に呼び止めたのだろう。

 

 

 

少しだけだったがここで信一と話ができ、あゆみのお母さん的には、そこまで悪い子だとは思っていない気がする。

 

あゆみのお見舞いにわざわざ足を運んでくれた。

 

森山くんて本当は優しい子なんだな。

と、ほほえましく感じたのかもしれない。

 

 

 

 

ーーーこれを読んでいらっしゃる友情関係者の方。

 

 

私があまりに舞台以外のことを書きまくっているので(笑)なんなんだと思われている方も多数いらっしゃると思うが、みんなの演技を観れば観るほど、この人はこのキャラをこういう風にとらえ、こういう設定でこのように演じているのかな、などと想像を膨らませたくなって、それがとても楽しいのデス😅

 

みんな、生徒役に選ばれただけあって、実力のある役者さんたち。

ただ単に台本通りに演じているのではなく、それぞれのキャラを自分なりに解釈して、一定の制約はあるもののオリジナルに作り上げて演じている。

 

セリフを言うのも、

そういう表情をしたのも、

そんな立ち位置なのも、

みんな考えがあって、

理由もあって、

バックグラウンドがあってそうしてるんだろうなと。

 

だとするならば、当然そういう見えない部分も理解して評価したいなと思うわけで。

 

 

 

まったく余談ですが、

そのような舞台上には表れない、いろんな背景を積もりに積もらせ、自分で想像を膨らませてみたのが、2015年から2016年にかけて書いた、友情の二次創作、『終わらないバラード~a shade story~』という物語です。

 

 

転校から入院するまでにあったであろうほかの出来事、

あゆみが入院することになった経緯、

信一はどういう風に心が変わっていったのか、

クラスメートにはどんな心の動きがあったのか、

あゆみは入院中、どういう風に過ごしたのか、

三浦三崎の日を迎えるまでの、壮絶な日々。

白血病の、本当の恐さなどを書いています。

 

 

はっきり言って、面白くないと思います。

 

文章もさることながら、内容が、とても暗いことも少なくないので。

でも、闘病とは、そういうものです。

 

 

 

もしも興味があったら、のぞいてみてください。

(テーマ別で「二次創作」と検索すれば出てきます)

 

 

 

 

 

 

 

またまた話がそれてすみません💦

 

 

信一も含めて、あゆみの周りの友達はみんな良い子たちで、滝川から転校させてきて本当によかった、とお母さんも元気づけられたことでしょう。

 

 

お見舞いというのは、入院している本人だけでなく、そのご家族も恩恵を受けているのです。

というお話べーっだ!

 

 

 

 

 

 

さて、舞台に話を戻します。

 

 

 

 

……帰った?

 

 

か細い声で、
はかなげに少しゆっくり話すあゆみ。

お母さんに確認してから、おそるおそる出てくるあゆみがなんだかかわゆい。

 

 

 

あ〜ぁ、とうとう、みられちゃった……

 


深いなぁ。

あゆみ役の綺実さん、深い。

 

 

 

悲しんでいるようでいて、

ちょっと残念なようでいて、

少し喜んでいるような、そんな言い方。

 

 

 

人間は避けられないような事象が到来した時、

つまりピンチになったとき、

3パターンに分類されるという。

本気で焦る人、

冷静に真摯に対処する人、

思わず笑ったり楽天的な人。

 

 

別に楽天的なことが悪いわけではなくて、大きなショックを自然とやわらげ、自身にかかるダメージを軽減できる性質だから、むしろ良いことじゃないかと思う。

 

 

このセリフのところ、

綺実さんのあゆみは、

そんな3番目の気がした。

 

間をとって、ゆっくり、ゆったりと、話す。

 

観ていたら、いろんな考えが頭の中を巡った。

観客に考えさせる演技=観客の心を引き込む演技だ。

 

 

いつかはみんなにわかってしまうだろうな、と、

それを予見していた上で、今回のことをすでに受け入れたかのような、そんな言い方だった。

 

 

とても素晴らしいひびきだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すみません。

一気に載せたかったのですが、

文字数オーバーでして💦

 

 

 

 

 

 

 

 

一旦ここで切りますが、

またすぐ続きを載せます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく。

 

 

 

 

 
 
 

いつか実家で咲いた、一輪の薔薇。

 

 
 
 
 
 
 
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*読者の方へ*
 
このブログは、『友情』という舞台を行う意義、全体のストーリーや流れを熟知した上で、よりよくほかのお客様に観ていただけるよう、個人的な感想を書いているものです。
 
1人でも多くの方にこの舞台の存在を知っていただき、また実際にお越しいただいて、「白血病」という病気のこと、ドナー登録や献血の重要性を理解していただけることを第一に考えております。
 
そのためには、舞台の中心となる生徒役の役者さんたちが、もっともっと良い演技をすることが大事です。
 
私はそこに主眼を置き、生徒役の方々の演技の良し悪しをお伝えしています。
 
加えて、生徒さんたちが全力で稽古した成果も評価してあげたいと思っています。
 
「泣く」「叫ぶ」などといった演技を、「すばらしい」「リアリティがある」などと評価しているのは、すべて、上述のためです。
 
決して、現在病気と闘っている方々のことを憂慮していないわけではございません。
 
そのことをご理解いただいた上で、今後とも【電卓男の友情日記】をどうぞ宜しくお願い致します。