来るな!
帰って!
出てってよォ‼︎‼︎‼︎
急いで布団の中に逆戻り。
みんなが帰って帽子を脱いでいたところに、
急にやってきて見られてしまった。
森山信一。
お母さんが少し話したみたい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
と、あゆみ目線で話しているときりがありませぬ(笑)
前回、信一のことを書いたが、慌てて帰ろうとする彼を引き止めたのは、あゆみの母親だった。
森山くん?
森山くんでしょ??
と。
名前も名乗っていないのに、一瞬でわかったのは、きっとあゆみが家で森山信一のことを話していたから。
でも、人柄(ボロクソに言われていただろうけど笑)や性格(極悪みたいに言われてたと思われる笑)だけで、身長とか風貌など、外見は聞いていなかったのかもしれない。
それでも、なんとなくわかった。
母親って、そういう感が意外とするどい(笑)
余談だが、
森山家のシーンで、信一が両親にあゆみのことを話したときに、ご両親が「その子はかわいいのか?」とか「こんどウチに連れておいでよ」などと勘違いしていたのと同様に、島崎家でも、何度かあゆみが信一のことを話題にあげた際、もしかしたら、好きなのかな、なんてご両親(特にお母さん)は思ったかもしれない。
実際、子供たちはそんなことを思っていなくても、親ってそういう風にちょっと思ったりする。
それもまた、子育ての中の楽しみの一つなのかな、なんて考えたりする(笑)
この日、クラスの友達がお見舞いに来てくれたが、雄二がふざけて「オレ、森山信一!」と声当てゲームをやったのも、お母さんはきっと聞いて「あっ、森山くんのことだ」と感じていたであろう。
なので、ハッ!と、森山くんかな?と思い、瞬時に呼び止めたのだろう。
少しだけだったがここで信一と話ができ、あゆみのお母さん的には、そこまで悪い子だとは思っていない気がする。
あゆみのお見舞いにわざわざ足を運んでくれた。
森山くんて本当は優しい子なんだな。
と、ほほえましく感じたのかもしれない。
ーーーこれを読んでいらっしゃる友情関係者の方。
私があまりに舞台以外のことを書きまくっているので(笑)なんなんだと思われている方も多数いらっしゃると思うが、みんなの演技を観れば観るほど、この人はこのキャラをこういう風にとらえ、こういう設定でこのように演じているのかな、などと想像を膨らませたくなって、それがとても楽しいのデス😅
みんな、生徒役に選ばれただけあって、実力のある役者さんたち。
ただ単に台本通りに演じているのではなく、それぞれのキャラを自分なりに解釈して、一定の制約はあるもののオリジナルに作り上げて演じている。
セリフを言うのも、
そういう表情をしたのも、
そんな立ち位置なのも、
みんな考えがあって、
理由もあって、
バックグラウンドがあってそうしてるんだろうなと。
だとするならば、当然そういう見えない部分も理解して評価したいなと思うわけで。
まったく余談ですが、
そのような舞台上には表れない、いろんな背景を積もりに積もらせ、自分で想像を膨らませてみたのが、2015年から2016年にかけて書いた、友情の二次創作、『終わらないバラード~a shade story~』という物語です。
転校から入院するまでにあったであろうほかの出来事、
あゆみが入院することになった経緯、
信一はどういう風に心が変わっていったのか、
クラスメートにはどんな心の動きがあったのか、
あゆみは入院中、どういう風に過ごしたのか、
三浦三崎の日を迎えるまでの、壮絶な日々。
白血病の、本当の恐さなどを書いています。
はっきり言って、面白くないと思います。
文章もさることながら、内容が、とても暗いことも少なくないので。
でも、闘病とは、そういうものです。
もしも興味があったら、のぞいてみてください。
(テーマ別で「二次創作」と検索すれば出てきます)
またまた話がそれてすみません💦
信一も含めて、あゆみの周りの友達はみんな良い子たちで、滝川から転校させてきて本当によかった、とお母さんも元気づけられたことでしょう。
お見舞いというのは、入院している本人だけでなく、そのご家族も恩恵を受けているのです。
というお話
さて、舞台に話を戻します。
……帰った?
か細い声で、
はかなげに少しゆっくり話すあゆみ。
お母さんに確認してから、おそるおそる出てくるあゆみがなんだかかわゆい。
あ〜ぁ、とうとう、みられちゃった……
深いなぁ。
あゆみ役の綺実さん、深い。
悲しんでいるようでいて、
ちょっと残念なようでいて、
少し喜んでいるような、そんな言い方。
人間は避けられないような事象が到来した時、
つまりピンチになったとき、
3パターンに分類されるという。
本気で焦る人、
冷静に真摯に対処する人、
思わず笑ったり楽天的な人。
別に楽天的なことが悪いわけではなくて、大きなショックを自然とやわらげ、自身にかかるダメージを軽減できる性質だから、むしろ良いことじゃないかと思う。
このセリフのところ、
綺実さんのあゆみは、
そんな3番目の気がした。
間をとって、ゆっくり、ゆったりと、話す。
観ていたら、いろんな考えが頭の中を巡った。
観客に考えさせる演技=観客の心を引き込む演技だ。
いつかはみんなにわかってしまうだろうな、と、
それを予見していた上で、今回のことをすでに受け入れたかのような、そんな言い方だった。
とても素晴らしいひびきだった。
すみません。
一気に載せたかったのですが、
文字数オーバーでして💦
一旦ここで切りますが、
またすぐ続きを載せます。
つづく。