2018『舞台友情』初日マチネVol.7 彼の放った爆弾。 | 電卓男の友情日記

電卓男の友情日記

白血病になった女の子とクラスメイトとの絆の舞台『友情〜秋桜のバラード〜』について書いています。



騒がしかった教室に
突如
入ってきたのは
森山信一だった




クラスに緊張の空気が走る




ひと通り見渡す

ーーーなんだ?
おまえらなにやってんだ



学級委員が答える
俊明が2人が漫才をやると口を滑らす
康一郎たちは慌てる


……くだらねぇ
送る会でなんでそんなことやんなきゃなんねぇんだ
やるこたねぇって
2年1組は不参加!な!










みんなうつむいたまま
なにもいわない









これが今までのクラス








だが
あたらしく転校してきたあゆみは違った





立ち上がり
彼に向かって物申す








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と、
こんなふうに書いていたのでは
とても時間が足りない




私がいま書きたいのは
この舞台がどんな内容かではなく
初日マチネで気づいた点を
生徒役のみんなに伝えるため



本当は公演後に口頭で話したかったんだけど
間に合わなかったのでここに




読者の皆様
そういう趣旨ですので
読みにくかったらごめんなさい




はじめにあやまっておきます






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物申すあゆみ。

とても勇ましくてすばらしい。
だんだんと勢いづいていくのもごく自然な流れを感じる。


一点、
ひと通り話したあとで
「どうしてみんな黙ってるの?」
というセリフがあるが、
これが淡々としていて感情が感じられなかった。
それに「間」もなくすぐに発したので観客の心に届いていない。


なぜ、あゆみがこのセリフを言ったのかをよく考えてほしい。


みんなでアイデアを出し合い、あーでもない、こーでもないとなかなか決まらず、でも楽しくやっているところに、なんの苦労も知らずにシラっと入ってきて、デカい態度をとって、勝手に不参加と決めつけてみんなを黙らせる。


それが許せないので、ひと通り信一に対して物申した。



だが、みんな、なにも言わないことに今度は違和感を感じた。
むしろ、この状況で言いなりになっているクラスメートたちに憤りさえ感じた。




そんな、半ばみんなに対する怒りにも似た感情が、自然と出てきた言葉。


また、このセリフを言うことにより、あゆみの正義感がより顕著になる。

次のナイフの一件につながっていく。

それを観客に知らしめるためにも、大事なセリフです。



ひと通り全員を見回してその態度に憤慨し

どうしてみんなだまってるの!!?

って表現したら、とてもステキだと思う。


あくまで私の意見なので、ご自由に。







そして、信一の態度の変化。


やはり、彼の充分な「間」がとても心地いい。

すぐにセリフを言うよりも、あゆみの発言に対して、一瞬あとに発する支配力。



あゆみのひとこと
「"森山信一"、クラスで一番の厄介者でしょ!」

彼の名前の言い方が、「も-り-や-ま-し-ん-い-ち」と、子供に言い聞かせるかのような、少し小馬鹿にした表現でおもしろいなと思った。




2人のヒートアップする言い争い。
いい、とてもいい!

どうして私があやまるの!?の時も、驚いた表情をきちんと細かく作っていて、感情がよく表れていた。




そして、彼がナ○フを出した瞬間。







全員の、ものっっっすごい叫び!!!!!

とっさに反応する正もすごい!!!!!

止めに入ったが投げ飛ばされる正。
怯えて震えている者。
友達に抱きつく者。
恐ろしくて逃げる者。


あの、存在を消している幸子でさえも!!!
みんなとまったくおなじ、驚愕の顔つきだった。


全員一致の表現。


会場中に衝撃が走った。


まことにもって見応えがあった。






さぁ、
脅しにまったく屈しないあゆみに、信一はとうとうナ○フを取り出して仕向けた状態。


あぶないっっ!!!





会場みんなが手に汗握る中、

冷静だったのは、当の矛先である、あゆみだった。




ナイフでどうするの!?
刺すの?

刺すんなら刺せば!!?




いいのか!?
…死ぬぞ!!!







このひと言で、
波が変わる。







信一が放った、ひと言。






果たしてあゆみは?
このあとどうなる!?












つづきは、また今度。














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*読者の方へ*
 
このブログは、『友情』という舞台を行う意義、全体のストーリーや流れを熟知した上で、よりよくほかのお客様に観ていただけるよう、個人的な感想を書いているものです。
 
1人でも多くの方にこの舞台の存在を知っていただき、また実際にお越しいただいて、「白血病」という病気のこと、ドナー登録や献血の重要性を理解していただけることを第一に考えております。
 
そのためには、舞台の中心となる生徒役の役者さんたちが、もっともっと良い演技をすることが大事です。
 
私はそこに主眼を置き、生徒役の方々の演技の良し悪しをお伝えしています。
 
加えて、生徒さんたちが全力で稽古した成果も評価してあげたいと思っています。
 
「泣く」「叫ぶ」などといった演技を、「すばらしい」「リアリティがある」などと評価しているのは、すべて、上述のためです。
 
決して、現在病気と闘っている方々のことを憂慮していないわけではございません。
 
そのことをご理解いただいた上で、今後とも【電卓男の友情日記】をどうぞ宜しくお願い致します。