あたしは一人おばあちゃんちから
地元に戻る決意をした
戻れば先輩や誰かしら頼りになると思ってた
地元に戻り先輩や知り合いの所をフラフラしてた
以前、働いてたガソリンスタンドに顔を出し
社長と社長の奥さんがニコニコし嬉しそうに話してくれた
だけどあたしがこっちに一人で生活をするなんて言わなかった
というか、心配させるので言えなかった
でも専務にだけは話をした
そうしたら隣町になるけど住み込みで
年もごまかして働けるパブを紹介してくれた
その頃、また違う隣町の施設出の1つ年上の彼氏ができてた
お互い親もいないし二人で生活を共にしようと思ってた
そして幸せな家庭を築こうと約束した
二人して住むところもないので専務に紹介してもらったパブの
寮(アパート)で暮らすことになった
純代はあたしが好きだった人と出来ちゃった結婚してた
結婚がとても羨ましかった
でも、どうしてあたしが好きだった人なの?って思ってたけど
後々、分かるがそういう人間なんだ・・・
あたしは夜はパブで働き彼氏は昼間、職人さんをしていた
何にもないボロアパートにお古の洗濯機と小さな冷蔵庫
そしてガスコンロを運んでくれたのがパブの従業員のお兄さんだ
布団ももらい物、カーテンなんてない
ママにフルーツをもらったけどフルーツを切る包丁もまな板もない
従業員のお兄さんはとてもあたしたちを可愛がってくれた
包丁もまな板も買って届けてくれた
たまたま彼氏と夜中に道を歩いているとまだ小さな子犬が
あたしたちの後を着いてきた
あたしたちは一人ぼっちの子犬を抱きあげ
「あたしたちと一緒なんだね。親に捨てられ一人ぼっち。」
「淋しい者同士、みんなで暮らそう!」
もちろんアパートはペット禁止なんだろうけど
ママたちには内緒で子犬を飼うことにした
とても賢い子犬でリードがなくても毎日あたしたちの後を着いてきた
部屋で吠えることもなかった
でもあたしたちはまだまだ金銭的に余裕がなくて
前借り、前借りの状態だ
子犬のご飯もあたしたちのご飯と一緒だった
たまに缶詰を買ってあげた
お兄さんには子犬のことを話したけど内緒にしてくれて
お兄さんも缶詰を買ってきてくれるようになった
子犬はいつものようにリードに繋げず散歩をしていた
ふざけてあたしたちが隠れる
隠れたのに気が付くと必死にあたしたちを探す姿がかわいかった
それがある日いつもはイタズラをして怒っても着いてきてた子犬が
隠れても探しに来ない
探しに来ないので心配して道を覗くと
もう子犬はいない
今度はあたしたちが探すことになった
探しても探しても子犬は一向に出てくる様子がない
数時間かけて二人で遠くまで探しに行った
アパートに戻ってるかもと思いアパートを見に行っても帰ってきてない
あたしたちはあきらめてアパートへ帰った
きっと玄関先でクンクン言って戻ってくると思って・・・・
翌日もその翌日も何日かかけて子犬を探したけど
結局、子犬は二度とあたしたちの前に現れることはなかった
きっと元の飼い主さんか誰かに拾われたんだろう
そしてあたしたちと一緒にいるより幸せな生活を送ってると信じた
相変わらずの日々を
あたしたちは数カ月の間
ボロアパートで過ごした
彼氏が会社に通うのに遠いからと社長が
お金を貸すから引っ越したらどうだと言ってくれた
そうしたらあたしは自動的にパブをやめることになる
お世話になったお兄さんやママともお別れだ
そうしてお別れの時がやってきた
子犬とも別れ
お世話になった方々とも別れ
学校を転校し先生や友人たちとの別れとは
少し違った
いやだいぶ違う
あたしはあそこの地で出会いと別れと大人を勉強した