ある日
母はあたしが学校から帰ってきて
しばらくして夜になっても帰って来なかった
明日は学校に絵の具を持っていかなくちゃいけないのに
絵の具を買うお金がない
母が帰ってかたところで夜なので
文房具屋さんはやってないし
悶々としながら母の帰りを待った
夜中になっても帰って来ない
あたしは紙に
<もう帰って来なくていいです>
と書いて玄関の扉の外に貼った
鍵も閉めたし
母が帰ってきたとしても鍵を持ってないのでうちの中には入れない
あたしはそのまま適当に食べ物を食べて寝てしまった
気付いたら朝になってた
玄関の張り紙を確認した
張り紙は昨日のままだった
もし帰ってきたなら張り紙は剥がすよね
結局、帰って来なかったんだよ…
だから
あたしは絵の具もないし学校に行きたくないから
学校を休むことにした
玄関のドアを叩く音が聞こえる
だけどあたしは出なかった
居留守をしたのだ
玄関のドアを叩いているのは母じゃない
声が聞こえる
男の人の声が!?
ガチャガチャ
ガチャガチャガチャガチャ
ドアが開き誰かが入ってくる
あたしは必死に押入れに隠れた
お~い!
いないのか!!
あたしの担任の先生の声が近づいてきた
居るのは分かってるんだから出ておいで!!
そんなこと言われたって今さら押入れから
出ることなんて出来ないよ
あたしは隠れてるんだから…
その時
ガタッと
とうとう押入れの扉を開けられてしまったのだ
先生に見つかってしまった
先生は大家さんに鍵を借りて入ってきたんだって
あたしは先生にすべてを話した
泣きじゃくるあたしを見て先生も可哀想な子だと思っただろうけど
そんな顔ひとつも見せずにニコニコしながら
学校へ行こうって
近くの文房具屋で絵の具まで買ってもらい
先生の車で学校へたどり着き
先生は何事もなかったかのように
教室に入り授業を進めていた
あたしはこの他にも何度となく
登校拒否を繰り返した
登校拒否してるのはあたしだけじゃなかったから
他の児童の指導もあるのに…
なのに先生はあたしたちを見捨てることなく
迎えに来てくれたり話を聞いてくれたりした
あたしはこの先生のお陰で変われた