
風が囁いても
木の葉が話しかけても
ビクついてたあの人
あの人を感じる度に
辛くて
かわいそうで
いたたまれなくて
私は
遠い昔に
音のない部屋に
閉じ込めてしまったの
わかってた
いつか
こうなることは
わかってた
ただ…
その時は
わからないフリをした
辛かったから…
怖かったから…
あの日から
私は心の底から
笑えてない
その気付きにさえも
嘘をついてきた
無いものにしてきた
笑わないことで
あの人を守ってた
ウソ
偽り
仮面
そんなものは
必要ないのに
必要だった
久し振りにあった
小さいあの人は
あの時のまま
膝を抱えて
目を閉じてたの
暗い部屋なのに
側へ寄って行き
勇気を出して
うちは…
どうしたらいい?
何をしたらいいのか
わからんよ…
と泣きながら
崩れ落ちると
あの人は
目も開けず
立ち上がり
私の横に座って
私の左肩に
頭をのせ
寄り添った
その瞬間…
あの人と私が
強力な磁石のように
引き合った
みるみるうちに
薄い透明な膜に包まれる
ピッタリと引き合う
不思議な感覚
久し振りの安心感
こんなに温かいものを
私は閉じ込めてたんだね
裸の私は
ケガをするはずだね
今なら
そのケガも
必要だったと
思える
本当なら
私よりあの人の方が
うんと寂しくて
泣きたかっただろうに
泣くことも
できなかったんやろな…
ごめんね…
遅くなってごめんね
ずいぶん
回り道をしたけど
やっと戻って来れたよ
あの人を
感じ始めてから
涙は出ても
心は温かいよ
今までとは
違う気がするよ
今はね…
小さな私と
今の私が存在する
もっと寄り添って
今まで
出来なかったことを
してあげるの
そうやって
確認しながら
一体化していくの
本当の私を
取り戻せるように
待たせて
ごめんね…