ボルドー(3)
車を走らせて10分程で高速の入り口が見えてくる。
高速に乗り、看板を注意して見ていると飛行機のマークが目に付いた。
(そちらに向かって後はメドックだな)
と思いながら運転した。
ところが、行けども行けどもメドックが出てこない。
ついに飛行機のマークも出て来なくなってしまった。
サービスエリアで車を止め、ドイツ人と思しき男に聞いてみる。
「Oh! あなたまるっきり逆に来てますよ。メドックなら北に向かわなければならないのに、今は南に向かってます。」
親切な人で、色々と解りやすく教えてくれた。
既に時間は11時半を過ぎている。
そこから、今度は迷わずに行くことが出来た。
途中三度道を尋ねたが、皆愛想良く教えてくれた。
フランスの田舎の人達は感じがいい、と聞いていたが本当だった。
景色が一面ブドウ畑になって、しばらく走ると右手に『シャトー・バタイユ』の看板が見えて来た。
時計の針は1時をまわっている。
事務所を訪ねると技術責任者が迎えてくれた。
「11時に来ると聞いてたのに、なかなか来ないので心配してました。」
「すみません。色々とアクシデントがありまして・・・。」
工場やワインセラーなどを案内してもらい、最後にワインをご馳走になった。
「フランスワインは、近年では2000年と2003年が当たり年と言われてます。値段が同じ位ならば、これらの年を選ぶ方がいいですよ。」
なんて事も教えてくれた。
その彼も非常にフレンドリーでいい奴だった。
しかし、暗くならない内にと思い、彼に礼と別れを告げ車に乗る。
帰りは市の中心地に行くだけあって簡単で、スムーズに1時間足らずで辿り着いた。
翌朝、ホテルをチェックアウトした後空港に向かった。
空港で車を返す時に受け付けのマドモアゼルから
「今日は全仏でストライキの日です。飛行機も飛んでませんよ。」
と言われ唖然とする。
ここから驚くべきトラブルに巻き込まれてしまう。