今の町に移り住んで、主人を亡くし、ついに「老人会」に入ることになった。
みんなとも仲良くなり、色々な行事にも参加しながら、愉快な日々を過ごしていた。
その日は 「地蔵盆」
この町にもお地蔵さんを祀ってある社がある。
そのお地蔵さんに老人会で毎年 「御詠歌」をあげることになっている。
我々役員の中で、「御詠歌」をあげる「宗派」は私のみだと言われて、皆から頼まれてしまった。
長年、この町に住んでる人が沢山居るのにと思いながらも
「どの節か?」と前年の役員の方に尋ねると「お遍路」さんの節だとか・・・
「まあ何とかやりましょう。」
断り切れず、どうにか地蔵盆を済ませることができました。
さて、それからである。
翌日は 市の福祉施設の「すこやかセンター」に行く事になってました。
私たち役員は、私を含む半分が、後片づけに残ることになった。
いつも、持ちなれたテーブルなのに、ものすごく重いのだ。
「どうしたの?」
と、四苦八苦してる私に、仲間が聞くが、疲れてもいないのに、どうしてかわからないでいた。
帰宅して、その日は何事もなく済みました。
だがそれからである。
その日を境に、一日、一日と、日がたつにつれ、体がだる重くなってくるのである。
食欲もなくなってきて、遂には起き上がるのがやっとになりました。
当時、私は一人暮らしで誰もそばにいませんでした。
いよいよ、ダメかと思い「子供たちに連絡しようかな」と起き上がりました。
目を閉じて、うなだれていましたが虚ろに目を開けると目の前に、お地蔵さんがずらり並んでおられるのだ。
「何これ?」
しばらくその目の前の お地蔵さんを見つめてました。
見覚えのあるお地蔵さんでした。
私が老人会で御詠歌をあげた町のお地蔵さんでした。
あの時、私は
「なんで、私がこんな事を!!!」
と言う思いで嫌々御詠歌をあげていました。
「もしかして私のあの、御詠歌が悪かったのかな?」
と思い、心から
「どうも、すみませんでした。」
と、謝りました。
すると、どうしたことでしょう。
さっきまで、起き上がるのもやっとだったのに・・・
しかも、何日も食べていないのに・・・
しゃんとして、まるで、今にも切れそうなバッテリーがフル充電されたものと交換された様な感じでした。
俗にいう怪奇現象とかを、これまでは、私は信じていませんでした。
実際、こんな不思議な体験をして「世の中には説明のつかない事」が存在するものだと信じるようになりました。
あの「お地蔵さん」の事は、今も謎のままである。