ふるくて小さくて心地の良い部屋
岩手の古民家は
和室だけでも30畳はある広い部屋で離れや大きな倉庫、庭も広々しています。
埼玉の今度の家は
50平米の小さい部屋で、私はそこを『四角い箱』と呼んでいます。
どちらの家にも共通しているのは‘古い’ということ。
古民家は築140年。
四角い箱は築45年…私が5歳の時に誕生しピカピカだった時代があるのです笑笑
その時代時代に想いを馳せる楽しみがあります。
むかしからアンティーク家具や古いモノに惹かれるところがあって、
嫁入り道具の一つに古道具屋さんで見つけた会津のお姫様が使っていたという漆の和ダンスを大枚叩いて購入したくらいです。
古民家では、
代々続く旧家を譲り受けたわけですから、時代や歴史の記憶、そしてこれからの新しい時を刻みながら時間をかけて贅沢な空間をゆっくり作り上げていきたいと思っています。
そして四角い箱では、
実はその狭さこそが豊かな暮らしに繋がっていくであろうと考えています。
思春期の息子をもつ母でもあります。
この狭さがかけがえのない時間を作ってくれそうです。
小さな部屋ならではの暮らしの工夫をこれから楽しんでいきたいです。
ふと、思い出しました。
新卒で働き出した頃に
室井滋さんの「キトキトの魚」というエッセイ本が出て読んでたんです。
3Kと言われた時代に身を粉にして働いてました。
そのエッセイ本は私の憧れで、
実家の富山と東京を行き来しながら生活している室井さんをとても羨ましく思い、そして私もそんな生活をしたいと思ったんです。
24歳の春でした。
今春に
50歳になります。
四半世紀の時間が過ぎ
半世紀生きた私。
平成元年にハタチで上京しました。
平成が終わる年に
ずっと奥底に刻まれていた
長年の夢が叶います。