代表・てけ こと 嶽石です。
前回少しお伝えした、超重量級タングステンスプーン
「CORDE HEAVY」(コルド・ヘビー)ですが、おそらく
来年1月に発売できそうです。
通常は、
(1)強風下のシーバス・ヒラスズキや、沖の瀬を狙うヒラマサ・シイラなどの青物をショアから狙う。
(2)北海道などの遠投アメマス・サーモン等。
(3)本流筋のサクラマスのぶっ飛ばし。
(4)フラットフィッシュ類
等が狙い目となると思いますが、ひそかなリクエスト(個人的な)として、
(5)アミやジャミを追って食い渋ったときの相模湾キハダマグロ狙いも視野に入れています。
ツナ系を狙うとなると、ロッドやリールもさることながら、ラインやリーダーも強くセッティングする人が増えてくると思います。
そこで心配なのが、ルアーそのものの強度。。。
言い換えると、
ルアー破断時にルアーが顔に飛んでくる時の危険性について。
個人的にこれがどうしても気になっていました。
ジギング等をしていて、気を抜いて船べりでしゃくり上げ、顔めがけてジグが飛んできたヒヤッとした、そういう経験ありませんか?
タングステンは鉛よりも硬く、弾丸に使われています。それが取り込み最中などに破断して顔に飛んできたら・・・・怖いですよね。
そこで、破断強度をテストしてきました。
【試験環境】試験装置:インストロン社製 5582型 万能試験機 (引張・圧縮・曲げ)
荷重ロードセル:5KN
速度:2mm/min
【セッティング】
ワーク(ルアー)をセットし、アイに十分な強度がある高速鋼を通し、それを上下で引っ張ります。
【予想と狙い】通常のリアフックでのセッティング環境では、
①メインライン-②リーダー-③スイベル・又はノット-④スプリットリング-⑤ルアー-⑥リアフック
というような状況になると思います。
キハダ等であれば、
①メインラインはPE4号か5号、強くて60Lbで27kg程度。
②リーダーは80-150lb程度、約68kg
③ノットならば最高でも結束強度100%
④リングは、キハダだと、推奨として#8 SHOUT製のヘビータイプなら187LB(84.8kg)
という感じになると思います。
システムとしてはテーパードラインシステム、つまり、メインラインから、スプリットリングまで滑らかに、弱=>強。となるのが普通のセッティング。
なので、普通に考えれば、過負荷がかかれば、メインラインまたはリーダー結束部が切れる。というのが正解。
よく、根掛りしたときなど、ルアーのフックやルアー自体が破損した。リーダーとのノット部が切れなかったから、自分のノットシステムは最強だ!! イエーイ!!
と、言われる人もいますが、ノットの結びの腕は良かったとしても、本当の大物釣りでは、危険かもしれません。
ラインが切れる前にフックが飛んだら、ルアーは自分めがけて一直線に飛んできます。これはキハダ以外でも、サメ、GT等で経験されている人(フックオフしてルアーが飛んできた)はすごく分かると思います。
しかし、危険を熟知し、バランスの取れたセッティングをする人ばかりでもないでしょうし、知らず知らずのうちに強いセッティングに至ることもあるでしょう。
そういうことを考慮すると、このCORDE HEAVYの狙いとしては
※1:推奨 スプリットリングよりも強い強度があること。
※2:リアアイよりもフロントアイが先に破断すること。最低これをクリアすることが当然の予想で且つ、狙いでした。
【結果1】30gのスプーンから、60gのスプーンまで全てテストしました。
また、通常ターゲット用は、推奨が#6までのリング、キハダ仕様は#8を推奨としています。その為、通常ターゲット用とキハダ用では、アイの位置とアイの径を変えています。
キハダ用を全てのセッティングに共通化してしまうと、ルアーエッジからアイまでの距離が遠い為、小さいリングを使う人はリングが開ききってしまう。なので、結局2セッティングとなりました。
結果は
黄色く網かけてあるのがキハダセッティングです。
No6.だけスプリットリング装着状態で強度テストを行いました。
No.5だけ、試験治具の高速鋼材軸が先に折れてしまいました。
結果を見ると、
先端側で破断する狙いは成功。強度もリングに比べると十分。
【結果2】グラフで見てみます。
推奨リングの強度に対し、CORDE HEAVYは十分な強度が得られているのが分かると思います。キハダ用セッティングは通常セッティングよりも高い強度が得られています。
【結果3】破断までの挙動をグラフ化しています。
これは60gのCORDEですが、2072N(211kgf)まで徐々に変形し、破断しました。
尚、スプリットリングを装着し、リングが変形する場合は
このように、変形が進むと、不安定な挙動をしめします。GTフィッシングなどをしていて、ドラグを締めた際に、グッグッと変な感じがして、釣上げたらリングが伸びてた。という経験がある人も居るんじゃないかと思いますが、こういうことです。
【結果4】破断した実物の写真です。
フロントアイですべて破断。スプリットリング装着ルアーは、リングから先に変形しています。
狙い通りでしょう。
ということで、引っ張り試験の結果からは、CORDE HEAVYは、キハダマグロ等にも十分使用に耐えられる。且つ、ある程度の安全性を担保している。といえると思います。
ただし!! これはあくまでも机上のテスト結果です。
タングステン素材は非常に硬く、また、脆いのです。真鍮素材や鉛の様に、徐々に曲がったりはせず、いきなり破断します。
また、タングステン素材は急速酸化はしませんが、合金であり、徐々に酸化、又は腐食します。
特に塩分の湿気を含んだまま放置したりすればそれは一層早く進みます。
そして、釣りというのはイレギュラーが発生するのは、皆さん御存知の通りだと思います。
300lbの表示がされているSリングを、GTフィッシング等で伸ばされた人はたくさん居ると思います。特にGTなどは、右に左にトルクフルな泳ぎをして、時に根に入ったり、船下に入ったりします。その時に、ラインの角度などの関係で、てこの原理が働いて、異常な負荷がかかることもあります。
マグロ類のほうが直線的な走りが多いとは言うものの、何が起こるかわからないのが釣り。
最後は自己責任ですので、タックルバランス・セッティング・ルアーを含めた道具のメンテナンス、チェックを怠らず、また無理をせず、戦いに挑んでください。
作る側としては、皆さんがCORDE HEAVYを秘密兵器として、また、安全に。いつか、メモリアルフィッシュを仕留めてもらえたら。
そう願っています。