と、言う事で1月13日(月・祝)になんばHatchで開催された「NAMBA ROCK CITY」の後半戦、Y&Tのライヴレポです。



デビュー25周年のベテランバンドWINGERが観せる・聴かせるプロフェッショナルなライヴを披露し、

興奮冷めやらぬ雰囲気の中セットチェンジが行われる。


暫くして、Y&Tのバンドロゴのバックドロップがせり上がると場内に歓声が上がる。

そう言えば、WINGERのステージにはバックドロップが無かったが、演奏が素晴らし過ぎて気にならなかったな。


約20分のセットチェンジを挟み 18時45分頃場内が暗転すると、期せずして野太い「Y&T!」コールが沸き起こる!

WINGERに比べて、明らかに男性ファンが多い様だ。


すると、Y&Tの歴代の名曲を繋ぎ合わせたSEが流れ、会場のボルテージが上がる中、

再々結成後のバンドを支えるマイク・ヴァンダーヒュール(Ds)、ジョン・ナイマン(Vo/G)、

2011年に亡くなったフィル・ケネモアの後任者のブラッド・ラング(B)をオーディエンスが向かい入れ

最後に 唯一のオリジナルメンバーでバンドの顔、デイヴ・メニケッティ(Vo/G)が登場すると

一際大きい歓声が上がる!


笑顔のデイヴがトレードマークの年季の入ったオレンジ色のレスポールを抱え、

名盤「MEAN STREAK(1983)」のタイトルトラックでバンドの代表曲「Mean Streak」でライヴがスタート!

60歳を超えたデイヴの声は艶があり、且つパワフルで全く衰えを知らない!


バンドは更に同アルバムから「Lonely Side of Town」、

最初の解散アルバムとなった「TEN(1990)」収録の「Don't Be Afraid of the Dark」と

ミドルテンポの曲を連発し、デイヴは顔を歪めながら、感情を込めた泣きのギターを聴かせる。


それにしても この人、ヴォーカリストとしても、ギタリストとしても、ソングライターとしても超一流です!


「オーライ!大阪!帰って来たぜ!来てくれてありがとう!

WINGERとのツアーは最高だよ!

WINGERの25周年と、俺達の結成40周年を一緒に祝おうぜ!」

と、デイヴがオーディエンスを煽り、「名盤三部作」の次のアルバムで

俺の様な後追いファンにとってはイマイチ影が薄いが、

実は、バンド史上一番「売れた」アルバム「IN ROCK WE TRUST(1984)」から

シングルカットされPVにもなった、「Don't Stop Runnin'」がプレイされる!

キャッチーで疾走感のある曲で、個人的にはY&Tの数ある名曲の中でもかなり上位に位置する曲なんで、

生で聴けて嬉しかったです!


続けてデイヴが名盤「BLACK TIGER(1982)」のタイトルトラックで代表曲の1つ

「Black Tiger」の摩訶不思議なイントロを奏でると、客席から手拍子が沸き起こり、

サビのパートでは拳が上がる!


ここでデイヴがギターを青いストラトキャスターに持ち換え、大体、こんなニュアンスの長いMCを行いました。
「次の曲は皆んなの為に歌うよ。

俺達が1982年に初めて日本に来て、フェスティバル(JAPAN HEAVY METAL FESTIVAL)に出演し、

LOUDNESS、EARTHSHAKERや他のバンドとプレイした時に、

日本のオーディエンスが熱狂的に迎えてくれたんだ。

その時のグレートなファン達にインスパイアされて書いた曲で、

『東京』って歌っているけど、もちろん全ての日本のファンについての曲だよ。」


デイヴがギターを爪弾きながら歌い出したのは、勿論、Y&Tと日本のファンを繋ぐ

「絆」とも言える名曲「Midnight in Tokyo」!

途中から、バンド演奏に移行し、サビのパートでは当然、大合唱となりました!


「CONTAGIOUS(1987)」収録のミドルテンポのメロディアスなナンバー「Eyes of a Stranger」をプレイし、

聴き入って静かになったオーディエンスに向かって

「風が吹くのを感じたぜ!ハリケーンの時間だ!」

と、オレンジ色のレスポールに持ち換えたデイヴが叫び、

名盤「EARTHSHAKER(1981)」収録の名曲「Hurricane」のイントロを弾き始めると

オーディエンスが拳を突き上げこれに応える!


デイヴが自らフェイバリットチューンと言う「BLACK TIGER」アルバムのラストを飾るヘヴィーバラード

「Winds of Change」を感情を込めて歌い上げ、

現時点での最新アルバム「FACEMELTER(2010)」収録の「I Want Your Money」を挟み

少し場内が落ち着いた感じになるが、

「EARTHSHAKER」収録の名曲「Rescue Me」の抒情的なイントロをジョンが奏でると、

オーディエンスがこれに呼応し盛り上がり、エンディングのパートでは掛け合いが行われる。


再び青い青いストラトキャスターに持ち換えたデイヴが、目一杯の感情をギターに込めて

ゲイリー・ムーア―を彷彿される泣きのギターが炸裂する

「CONTAGIOUS」収録のインストナンバーをプレイし、オーディエンスの喝采を浴びる。


デイヴが再びギターチェンジをしている間に、ジョンがMCを行う。

「昔に戻って、フィル・ケネモアの早い曲を演るぜ!」

と、オーディエンスを煽り、「EARTHSHAKER」収録のファストチューン

「Squeeze」がジョンのヴォーカルでプレイされる!


前回の2011年の来日公演の時はフィルが亡くなって間も無かったので、

バンドもファンも色んな感情が込み上げて来たが、

フィルの死を乗り越えてバンドが継続している事を心から嬉しく思うし、

個人的には湿っぽくなるよりも、こう言った「明るい追悼」は大歓迎だ。


ライブの終盤に差し掛かり、「EARTHSHAKER」収録の問答無用の超名曲

「I Believe in You」がプレイされ、全ての感情をギターと歌に込めたデイヴの熱演に魅せられる!


本編ラストに「FACEMELTER」収録の「全盛期」を彷彿させる抒情的なハードロックチューン

「I'm Coming Home」プレイされ、大盛り上がりの中、メンバーがバックステージに戻って行く。


オーディエンスはすかさず「Y&T!」コールを行い、それに応えてメンバーがステージに戻って来る。

「有名なクリスマスソングを演るぜ!デイヴ・メニケッティの家では毎日がクリスマスだ(笑)!」

と、デイヴがクリスマスソングの出だしを歌い出すが、すぐに「Open Fire!」と叫び、

バンドがこの名曲をプレイし始めると、オーディエンスも拳を振り上げ呼応する!


そして、Y&Tのライヴを締めるのはヤッパリこの曲です!

名曲「Forever」のイントロに合せて、「オーオーオ、オーオー」とオーディエンスがコーラスを入れ、

サビのパートではモチロン「Forever!」の大合唱!


カーテンコールが行われ、客電が点灯し、予定時間を10分オーバーする1時間40分のライヴが終了するが、

大阪のオーディエンスは約5分間「Y&T」コールを続ける。


結局、終演後のサイン会の準備の為に メンバーがステージに戻って来る事はなかったが、

ドラムセットが解体されても「Y&T」コールを続け、バンドに対して賛辞の気持ちを現したオーディエンスを誇りに思います!


そして、フィル・ケネモアを失い、オリジナルメンバーがデイヴ・メニケッティだけになってしまいましたが、

稀代のヴォーカリスト兼ギタリストであるデイヴを中心に

ライヴバンドとして最高のパフォーマンスを見せてくれたY&Tに感謝します!


デイヴがステージの去り際に放った「See You Soon!」の言葉を信じて

次の来日公演が実現する事を祈ります!



「NAMBA ROCK CITY 2014」。


Y&TとWINGERのカップリングが発表された時は、ファン層のカブリ具合が微妙な様に感じましたが、

会場の盛り上がり具合から察するに、

両バンド共、それぞれの個性を出したプロフェッショナルなライヴパフォーマンスで、

双方のファンにアピールする事に成功した様に思います!


2014年のライヴ初めに相応しい最高のイベントでした!


気は早いですが、「NAMBA ROCK CITY 2015」の開催を望みます(笑)!



Y&T @ なんばHatch(2014.01.13.) セットリスト
SE
1. Mean Streak
2. Lonely Side of Town
3. Don't Be Afraid of the Dark
4. Don't Stop Runnin'
5. Black Tiger
6. Midnight in Tokyo
7. Eyes of a Stranger
8. Hurricane
9. Winds of Change
10. I Want Your Money
11. Rescue Me
12. I'll Cry for You
13. Squeeze
14. I Believe in You
15. I'm Coming Home
Encore
16. Open Fire
17. Forever