【唐衣    きつつなれにし    つましあれば    はるばるきぬる    旅をしぞ思ふ】
(在原業平朝臣)

着慣れた唐衣のように親しんだ妻を
都に置いてきたので
この美しい花を見るとそれが思い出され
はるばる来た旅路の遠さを
しみじみと感じる

旅の途中に川のほとりに
かきつばたが美しく咲いているのを見て
“かきつばた”という五文字を
句の頭に置いて旅の心を詠んだ句