鈴木京香さん、白石加代子さん、高橋克実さん、江口のりこさん出演の舞台
シス・カンパニー公演
『鼬』
昭和の初め
東北の寒村にある旧家「だるま家」は
いまや見る影もなく落ちぶれ果てていた
跡取りの萬三郎は南洋へ出稼ぎに行ったきり三年も音沙汰がない
ついには、老母おかじと出戻り娘おしまが暮らす家屋敷を借金の形に取られることになり
債権者たちは古畳や襖まで奪い合うありさま
そこに、かつて悪行の限りを尽くし追い出されたおかじの義妹おとりが
羽振りのいい風情で十数年ぶりに現れた
“何を嗅ぎつけてやって来ただ、この泥棒鼬ッ!”
いきり立つ義姉おかじに、おとりがある話を切り出した…
人間の欲と業を
赤裸々に骨太に描いた昭和初期の名作
己の欲望や感情を
剥き出しにする登場人物たちの
やりとりは小気味良く
観終わると
芝居の内容とは裏腹に
不思議と満足感と爽快感が残った