駅のホームへと続く階段の隅に一人の少年が俯いて座っていた
歳のころは小学生ぐらい
金色の髪をしたハーフの子だ
なぜかその少年の存在がちょっと気になりつつ
自分は程なくして到着した電車に乗り端の座席に座った
すると先程階段に座り込んでいた少年が電車に乗ってきた
手提げのバッグを床にズルズルと引きずり
どこか落ち着きがなくなんだかちょっと様子がおかしい
その少年
車内は空いているにもかかわらず自分の横にピッタリと座った
そして
「この電車は○○駅に行きますか?」
と聞いてきた
どうやら行き方が分からず迷っているようだ
彼の行き先は反対側のホームから出発する電車
しかも一回乗り換えなくてはならない
そのことを説明すると
少年は慌てて丁度停車していた電車に向かって駆けていった
しかしその電車を見ると特急で彼が降りる駅には停まらない
あっ!と思ったのも束の間
運が良いのか悪いのかタッチの差で間に合わず
少年が乗る寸前に扉は閉まってしまった
乗れなくて肩を落としガッカリする少年
よほどショックだったのかホームに座り込んでしまった
そんな光景を見ているうちに
自分が乗っている電車も静かに走り始め
少年の姿はあっという間に視界から消えてしまった
『彼は無事にたどり着けるのだろうか?』
少年のことが気になって気になって仕方がない