Talk With Meの世界 | 虹の彼方にバルセロナを見る、Le-シン-Ciel

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下書きのままになってた(汗)

 

2021年10月16日、17日にさいたまスーパーアリーナで行われた百田夏菜子初のソロコン。

 

「Talk With Me~シンデレラタイム~」

 

考察と呼べるほど立派なものではないけど、ちょっと振り返ってみたい。

 

まずは、今回のソロコンのテーマから。

今回のソロコンのテーマはずばり「等身大の百田夏菜子」だと考えている。
おそらく、これが今回の大テーマだったんじゃないかと。

アイドルであり、女優であり、タレントであり、そして1人の人間である百田夏菜子。

アイドルとして明るく天真爛漫に、みんなを笑顔にする。

その一方で、その活動に対する苦悩や不安、焦り、絶望なども当然抱えているはず。
それを表現しようしたのが今回のソロコンだったんじゃないか。

 

会場には円形のセンターステージが作られ、遠目からだがツタのような模様がステージには飾りつけられていた。

そして両サイドにはビジョンが作られ、そこには丸い円が表示されていた。

その円は開演の15分前から時計になり、開演が近づくにつれ針が刻々と進んでいく。

 

これはおそらく、サブタイトルにもなっているシンデレラタイムに合わせた演出だったんだと思う。

 

ただ、アリーナ席からでは分からなかったけど、スタンド席から、ステージを斜め上から見ると、

開演前、円形のステージ上には太陽を表すかのような赤いギザギザした形の円と青い円、それに三日月の形をした黄色い円が

光で写し出されていて、黄色い円が青い円と赤い円の周りを1周約1分のペースで回っていた。

まるで太陽、地球、月の関係のようだった。

 

ここで、「太陽」と「月」に関連して、陰陽学について触れてみたいと思う。
陰陽学(陰陽)とは、森羅万象、宇宙のありとあらゆる事物を「陰」と「陽」に分けて考えるという中国の思想に端を発する考え方。
まさに「月」と「太陽」は「陰」と「陽」。

地球から見れば月が出ていない間は太陽が明るく空を照らし、太陽が沈み空が暗くなれば月が明るく空を照らす。
「陰」と「陽」を表すために月、地球、太陽を光で表現していたのではないか。

そして、人間なら誰しもが抱えるポジティブな感情とネガティブな感情。

人間が抱く感情も心の中にある「陰」と「陽」の部分と言えるんじゃないかと思う。

そして、今回のライブの世界観はサブタイトルの通り、「シンデレラ」だろう。

「茶畑のシンデレラ」である百田夏菜子。

そんな百田夏菜子のソロコンなんだから、華やかなアイドルとして、華やかなシンデレラのような世界観を作ろうとしていた。

 

今回のセトリはおそらく夏菜子が決めたんじゃないかと思う。
でも、そこには演出を担当してくれた本広さんとの相談もあり、また本広さんからオーダーもあったはず。

ライブのMCで「今回の選曲についてはももクロの曲の中でも、自分の色を表現できる曲を選んだ」と言っていた。
この色は「赤」という意味ではなく、「自分らしさ、百田夏菜子らしさ」という意味だと思う。
夏菜子は自分の弱さや悩みなどは決して表に見せない。

家族にでさえ見せたがらない。
でも、百田夏菜子の中にそういう悩みや苦悩などがないわけではない。
夏菜子も1人の人間。
心の中には必ずそういう「陰」の部分はある。


等身大の百田夏菜子=ありのままの百田夏菜子

 

このソロコンでは、明るい一面だけではなく、内面の苦悩をも表現することで今回のテーマを表現しようとしたんじゃないか。

 

そこで、今回のセトリを振り返りながら、もう少し考えてみたいと思う。

1.魂のたべもの
人の心の闇がテーマの曲
なんとなく1つの作品が始まるかのような曲。
夏菜子は1人もがき苦しんでいる。
たしかに休んで食事をとって体は元気。
でも心は?
不安、悩み、焦り、苦しみ、絶望…色んな負の感情で心の中は溢れ、夏菜子の心の中にあるダークな闇が表現されてる。
だからこそ、ド頭にこれ!?ってビックリした。

2.dの純情
魂のたべもので見えた夏菜子の心の闇。
この曲には熱い中にも、どこかダークさがある。
ここから夏菜子はアイドルとして、その闇を振り払う。
「闇を知る者だけが奥深い光を放つと見せるため生まれたと思うんだ」という出だしの歌詞。
たとえ逆境の中でも、時代を塗り替えに、さぁ私たちと一緒にいこう!

ついてきてくれるファンを鼓舞しながら全力で突き進む。
特にこの曲は怪盗と同じタイミングで発売されたZになって最初の曲。
「奈落の月、暗闇から何度でも生まれ変われる」
というところからも、夏菜子がアイドルとして時代を変えるべく進み始める。

3,キミノアト
アイドルとして突き進むことを決め走り出した一方で、大事な人との別れを迎える。
アイドルとして活動するために地元を離れ、東京に行かなければならなくなった。
(当時、夏菜子の中で想いを寄せる男性がいたかどうかは置いておいて、)1人の女の子が地元を離れ、自分の心に嘘をつきながら大事な人と別れなければならない葛藤を女優・百田夏菜子として演じきってくれた。

4.太陽とえくぼ
夏菜子初のソロ曲
アイドルの、ももクロの百田夏菜子として順調に活動を進め、初めてソロで歌う曲ももらい、太陽のように明るく笑顔で歌って踊る夏菜子がそこにいる。まさに「陽」の夏菜子。

5.愛おぼ
これは本広さんからのオーダーで歌った曲。
アイドルが歌で戦争を止める
というところに感銘を受けたみたいで歌ったみたい。
アイドルには戦争をも止めるほどの力があるってことを本広さんは伝えたかったのかなぁ。
もっと深いところがありそうだけど。
もしかしたら、それだけじゃなくキミノアトで別れることになった大事な人、そして、ももクロから離れていった元ファンの人への「あなたがくれた愛を、私からの愛を覚えてますか?」という問いかけなのかもしれない。
元ファンて得てしてアンチになりがちだからね。

6.それぞれのミライ
これも曲の入りはしっとりした暗めの曲。
夏菜子が横になって天井を見つめるような態勢から歌いだす。
歌詞が分からないから何とも言えないが、歌ってるときの夏菜子を思えば、自分のミライはどうなるんだろうと不安、焦り、恐怖を抱えてるように思えた。

7.浮世
それぞれのミライで夏菜子の中に表れた心の闇に対して、人は他者と関わることで進化、成長していける。だから恐れるな。この世界を自分の色に染めてやる、自分の枠を超える勇気をもって進んでいくんだという強い気持ちを持って立ち上がろうとする夏菜子。

8.リバイバル
孤独や不安といった心を覆う闇からもう一度立ち上がるんだ、目標に向かって進むんだというダークサイドからの百田夏菜子の復活を表しながら、それでもつきまとう不安に対して1人じゃない、私には仲間がいるとももクロとしてまた進み始める気持ちを表している。

9.強がり
戸田恵子さんの名曲。

再び立ち上がり前を向いて進むが、時には強がって、自分に嘘をついてしまうこともある。

強気で生きていないと倒れそうになる。つまずこうと思えばいくらでもつまずくことができる。

でも悲しみの分だけ人は強くならなくてはいけない。

そんな揺れ動く心の中の思いや感情の起伏が込められた曲。
1人の女性としてそんな思いと向き合っている百田夏菜子が表されてる。

10.the show
人生は色々ある。
迷う時も辛い時もある。
そんなときには無理せずゆっくりいこう。
この人生を楽しもうという今までの心の闇から抜け出せた夏菜子を表している。
また、夏菜子が傘をさして歌ってるシーンでは雨が降っていたからダンサーの方が傘をさし出してくれたはずなのに、歌ってる途中にはもう雨が止んで空が晴れてるような、そんな気になる照明の演出だったように思える。
太陽の子、夏菜子。
まるでミュージカルのように歌ってステージを動き回る夏菜子には女優百田夏菜子としての姿が見えた。

11.赤い幻夜
言葉にできない淡い恋心を胸に秘めたおしとやかな女性を演じた夏菜子が「ももクロの百田夏菜子」ではなく「生駒吉乃」として歌ったこの曲。
ステージ上でピアノを弾きながら歌う姿はまさに女優百田夏菜子だった。
アレンジを加えながら歌う姿を見て、さらにピアノ演奏が上達したと思った。
この曲に関しては余裕さえ生まれてきてるのかもしれない。

12.タキシードミラージュ
女の子、月といえばやっぱりセーラームーン。
女の子みんなの憧れであろうセーラームーンの主題歌の中でもこのタキシードミラージュは、主人公の月野うさぎのタキシード仮面に対する切ない想い、大好きな人を想う歌となっており、赤い幻夜から切ない恋心を歌う流れになっている。

13.ひかり
夏菜子が静岡と東京を行き来してる間の新幹線で思ったことを元に作詞した曲であり、アイドル百田夏菜子から百田夏菜子になる瞬間を表現した曲。
まさにシンデレラタイムにピッタリの曲であり、ピアノが演奏出来るまでに成長した百田夏菜子の成長も見ることが出来た曲。

14.白金の夜明け
孤独、絶望…心の中は地獄のような状態。
諦めちゃいけない、諦めるつもりもないし、諦める勇気もない。
でも泣いてる顔を人に見せたくない、強がって、ずっと笑顔でいようとしていた。
その結果、心の中ではひとりぼっちになってしまった。
ここでも夏菜子の心の中の闇が表現されている。
でも、これは心の中の闇であり、夢の中での話でもある。
目が覚めたら、起きて顔を洗って、生まれ変わるんだという決意が込められている。

15.イマジネーション
恋に恋する女の子がテーマの曲であり、恋する可愛い夏菜子が表現されている。
心の中に溢れていた闇の中に明るく光を照らす好きな人への気持ちが抑えきれない、ホントに可愛い女ののの気持ちが歌われてる。
でも、これも夢…

16.わかってるのに
周りから何か言われると「わかってる」、「わかってるから」と答えてしまう自分。
本当はどうしたいか、どうすればいいかわかってるつもりなのに、素直になれない。
もっと心を開けばいいのに、ここでも心の中の闇が邪魔をする。

17.渚のラララ
みんなと一緒に歌って踊るアイドル百田夏菜子。
夏の熱い海をイメージさせてくれる、太陽の子、夏の子、百田夏菜子。
みんなで歌って踊って幸せになろうという、百田夏菜子なりにアイドルの王道を行く姿が表現されている。


ここまでセトリを振り返ってきたように、百田夏菜子はアイドルであり、女優として輝く一方、心の中は度々ネガティブな気持ちが生まれ、時にはそのネガティブな気持ちが闇のように夏菜子の心の中を覆いつくしている。
でも、仕事関係や友人関係だけでなく、家族にさえも弱味を見せない、プライドの高さを持っている百田夏菜子。
普段みんなが見ているももクロの百田夏菜子にも、みんなと同じような悩みや不安、孤独、焦りなどがあって、1人の女の子なんだというところをこのライブで見せてくれたと思う。
誰にも見せたがらない弱い夏菜子を見られたことが、どういうことか。
その夏菜子の覚悟、チャレンジ精神にはただただ感服する。
ただ、今回のライブの大きなテーマである「等身大の百田夏菜子」が本当に夏菜子が素直に自分を表現したのか、それとも「ありのままの百田夏菜子」を女優百田夏菜子として演じたのか。
もしあれが演技であり、夏菜子が演じていたのであれば、それはそれで百田夏菜子の凄さに感服する。

今回のライブで夏菜子は1曲1曲、切り替えながら歌っていたように見えた。
まるで曲ごとに演じ分けるかのように。
歌い方も少し違ったように感じた。
セトリが2曲ずつぐらいで細かくMCを入れながらブロックが分かれてたのも、夏菜子の集中力が続く時間であり、今回のソロコンのタイトルでもある「Talk With Me」、百田夏菜子と話をする時間もしっかり組まれていた。
わかってるのに。って曲もそういう曲な気がする。
「わかってるのに」の曲順はあそこじゃなくても…って思ってたけど、魂のたべものとの対比で考えたら、あそこだな。
百田夏菜子の初のソロコンはコンサート、ライブというよりも、ソロステージと言った方が正しいのかもしれない。

これだけの覚悟をもって作り上げた今回のソロコン。
次回を期待したくもなるけど、夏菜子の覚悟を思えば、また夏菜子がやりたいという気持ちになったときにやってくれればという想いはやはり変わらない。

まだまだ「百田夏菜子」の底が見えない、素晴らしいステージだったんだと改めて思う。