(後々のための、タイムスタンプ:菅政権下、初の参議院選挙で、民主敗退‥‥大相撲名古屋場所中継なし、暴力団との関係も出し切れず‥‥BP社のメキシコ湾海底油田事故、原油流出停止‥‥金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚の来日‥‥連日猛暑、って毎年か?)
今回の選挙のことは、さすがにスルーはできませんねー、2010年7月11日の参議院選挙。
補選を除けば、初の本格政権交代後、与党民主党への最初の国民審判だったのだが‥‥やはり厳しかったな。
/自民が獲得51議席(選挙区39、比例12)。非改選と合わせて84。
/民主が獲得44議席(選挙区28、比例16)。非改選と合わせて106。過半数に届かず。
しかも今回の「ねじれ」は、参議院で否決された法案を、与党民主党が衆議院に戻しても、3分の2での再通過もできず、本当に宙に浮く状態になり得る。
他、みんなの党が10議席伸ばして、11に躍進。
●与党育成に時間かかる国なのに、よそよりすぐ来る審判選挙
愚痴から入りますが、日本は政権取ってから選挙までが短いね。新しい政権党に経験積ませ、育て、更に時間をかけて大改革やるには、やはり厳しい。アメリカは議会解散がないから比べるのはなんだけど、あちらの中間選挙は大統領が変わってから2年たってからだ。
民主に問題があったのは確かだから、あまりグチるのもなんだけど、いわゆる「ばらまき」と呼ばれる政策だって、参院選がこんなに近くなければ、少しは控え目にと思えたのでは?
もっとも、たとえ2年あっても、目覚ましい進展もなかったと思う。
前回、「官僚が公文書を残さない日本は、『運動神経』が悪い」ってこと書いたけど、外交交渉が弱い一因とも言われるこの弱点のせいで、日本は野党時代にまともに政策が練れない。
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http://ameblo.jp/heav/entry-10580036699.html
だから、今すぐみんなの党に変わったって、そう変わるとも思えない。みんなの党は票は労働組合に頼ってなくても、政策は結局、民主同様、官僚頼みになると思うし。今みんなの党がシンクタンク作ったって、彼らが参照する資料・データの多くは官僚が握ってるわけだし。
民主党にしろみんなの党にしろ、政権取った後に育ってもらうしかない。
なのに、選挙までこの短さだもん‥‥。
「本来チェック機関であるはずの参議院が、政局に絡み過ぎて問題」って意見には、筆者も賛成だ。やっぱ審判は2回予算を通した後でないと。例えば衆議院の任期を3年にして、衆議院が解散しても、参院もそれに合わせて選挙時期ズラすとかしたら?外国でやるみたいに。
それともいっそ参議院を8年任期、2年で4分の1改選にすれば、参議院も政党が平均化されて「良識の府」っぽいかもよ。「8年では入れ替わりが遅くて、ねじれが長く続いて大変」って言うなら、参院の権限を弱めちゃおう。衆院に戻しても6割で通過なら、反対:賛成が2:3で済むし。あと完全比例代表にして、小党にもチェック政党となってもらうとかさ。
────とは言え、あまり甘い顔するのもなあ。目先のマニフェストより、長期の改革をして欲しかったんだが。公務員制度改革とか、ガッカリしたのも事実だし。あれは野党時代に予測できた気がしなくもない‥‥‥‥。
●票が少ないのに自民は勝てた
でも、民主への失望から、改革志向の「みんなの党」に票がいくとは思ってたけど、民主が自民に負けるとは。自民だって官僚がブレーンにならないと仕事できず、これまでも「全体」を描いてきたようには思えないのに。そんなに自民が「手堅く」見えるのか!?なんて‥‥。
今回、自民党も伸びた理由は、世間で言われているのはこうだ。
「与党民主は、景気後退が直撃している地方では自民に議席を取られ、もっと改革を望んでいる都市部では『みんなの党』に取られた。ただし得票数では、実は民主党の方が、選挙区と比例代表ともに、自民党より多い。自民だって、比例では前年2009年の衆議院選挙より票が減ってるくらいだ。
それでも自民党が伸びたのは、もともと選挙区が自民有利なためだ。民主が強い都市部では5人区とかの中選挙区で、弱い自民も滑り込み易く、逆に自民が強い地方では1人区で、民主が切り捨てられる。だから自民は一人区で当選を稼げた‥‥」
●なんで負けたか、直接国民に聞いたら?
────でも、地方の人には景気がより切実なのはその通りなのだろうが、なぜ自民??
麻生政権の補正予算を止めたのがそんなにマズかった?‥‥菅総理にアドバイスした大阪大学の小野善康ってあの先生、「増税で景気を」ってのが信用されなかったとしても、問題の消費税は民主も自民も10%で同じなんだし‥‥。
あとは農家の戸別補償への不信かなあ。
それとも、結局昔からのお馴染みってことなのか?
よく分らん‥‥。
でも民主党が票減らしたのは事実だ。民主党自身悩んでるんだろう。下を参照。
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民主が有識者呼び敗因分析
菅直人首相、仙谷由人官房長官、枝野幸男民主党幹事長らは25日、公邸に小林良彰慶応大教授(政治学)と宮台真司首都大学東京教授(社会学)を招き、参院選での民主党大敗の原因分析を聞いた。小林氏は首相の消費税発言に「議論の出し方に、もう少し工夫があったのではないか」を苦言。宮台氏は「国民の強い関心がどこにあるのかを適切に把握できなかった場合に敗北しがち」と分析した上で、「国民の支持をより多く獲得できるようなメッセージの作り方」について持論を述べたという。
会議には古川元久、福山哲郎両官房副長官、寺田学首相補佐官、細野豪志民主党幹事長代理が同席した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100725/stt1007251925001-n1.htm
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────でも、自分などが思うに、選挙後なんだし、こういうの国民に直接訊きに行ったら?党費でもって、専門の会社に頼んで、無作為に電話するとかして。特に、昨年衆議院選で民主に入れたけど今回入れなかった人に。
仮に消費税への批判票だとしても、自民と同じにしたことがいい加減に見られたのか、元々小さな政府志向から来た増税反対なのか、消費税以外の所得税などで上げろってことなのか、ゆくゆくはヨーロッパ並みに20%弱でもいいけどデフレの今は何かで景気回復してからってことなのか‥‥それぞれ立場は全然違う。同じ消費税反対でも、社民党とみんなの党が立場違うように。
国民を客体視して操作対象と見たり、御機嫌を取って言うことフワフワ変えると、国民の望みと逆のことをやるかも知れない。国民はコミュニケーションの相手でしょう。理想論だけど。
●「大きな絵」、政治家個人の内部から来るものでは
さてこの辺から本題。菅総理が、消費税の非課税枠世帯の所得で200万から400万とブレたのは、いかにも「全体」構想のない、思いつきの個人プレーっぽかった。
細かい細部を出すのに時間かかるならかかるで、気をつけないと。もともと、日本で「全体」を‥‥大戦略とかグランド・ストラテジーとか言われるものまで考えられる政治家は、誰もいないのではないか‥‥そんな危惧は、多くの人が持ってきたはずだから。あるのは官僚システムにのった縦割りだけで。
この「全体」とは、社会保障、税、国としてどうやって食べて行くのか、エネルギー、環境、外交、軍事‥‥そう言ったこと全てであり、少なくとも誰かがトータルで考えるべきだろう。バラバラのはずはない。
成長戦略がなかったり普天間で迷走したりした民主党政権はもちろん、自民党にしても、政治家・政党が頼りないと見られてるのは、この「全体」「大きな絵」を描く能力を疑われてるからだ‥‥もっとも、民主は一応やる気はあったのに目の前の処理に溺れたのだとは思うが。その点自民は最初から「大きな絵」を描く気があったのかが、そもそも疑問なのだけどね。
× × × × ×
‥‥‥‥で、そう言った全体構想は、政権で「国家戦略なんとか」を作って担当「させる」のも大事だけど、それ以前の、政治家個人が普段からどれだけ自らに仕込んであるのかも、かなり大きいと思うんだがな‥‥。つまり、国家戦略なるものは、かなりの部分、政治家個人の内から来るものではあるまいか。
確かに「冷静に分析しさえすれば、それしか選択はないと、誰でも気づく」という場面もあるだろう。官僚やシンクタンクが分析してシステマチックに結論されるような。でも、価値観が大きく左右する場面だって、やはりあるはずだ。あのチャーチルがペーパー一つで、いきなり帝国主義者になったりならなかったりなんて考えられないだろう。‥‥まあ、チャーチルは言い過ぎか。でもヨーロッパの統合にしたって、個人の強いこだわりが生んだものと言う気がする。
‥‥‥‥つまり、クリエイター的な部分、てのかな‥‥。意外と大事なんじゃないでしょうか。
もっともアメリカだって、外交未経験の田舎の知事さんが、いきなり大統領になれたりするのだけど、でもその周辺の馴染みの番頭さんたちは、ちゃんと自分に仕込んできたはずだろ。
(ちなみに日本の政治家が歴史と言うと日本の歴史で、自分を誰それになぞらえたりするけど、アレはノスタルジーっぽくて、無能に見えるから止めようや‥‥それよりローマ帝国がなぜ滅んだかとか、文明論とかを仕込んでる方が、よっぽど頼りになるっぽいってば!)
●「全体」だって専門性では
もちろん政治家個人が考えるにも、情報と材料は要る。それにはアンテナを張って整理、助言するスタッフや、ブレーンや、知識人の人脈が要るだろう。長期に、継続的に、全体をフカンして提言してくれるような。
‥‥‥‥現状ではどうだろう。今日本には、機能している党のシンクタンクはないはずだ。民主党の「プラトン」は休眠状態だし。なら、近しい関係の民間シンクタンクの代表やスタッフだろうか。
しかし、ここで以前から気になることが一つ。「全体」はそれ自体で専門性を有するか否か。
「専門」=タコツボととらえると、「全体」とは、一見相反するように見えるが‥‥。
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まず、筆者の言う「全体」がいかに広いかについて。ちょっと見ても、これから世界は大変動する気がする。そしてそれぞれが互いに無関係ではない。
/地球温暖化(もしくは寒冷化!氷河期にでもなると、食糧生産だけでも膨大なエネルギーがいる。やっぱ宇宙空間に太陽電池並べてですね‥‥)、
/水資源と食糧(世界の大穀倉の一つであるアメリカの農業地帯を支える地下水も、継続的に減少してるんだそうです。もし世界の傾向としたら、海水蒸留か?ろ過だけで平気?)、
/世界のエネルギー需要と供給、
/科学技術の推移、特に軍事、エネルギー技術、情報化への影響、
/安全保障環境の変化(中国他新興国の台頭、長期でのアメリカの衰退も、破滅的テロ)、
/人口動態、
/巨大地震、
/太陽の黒点活動と磁気嵐、
/ウィルスなど感染症の突然変異、
その他その他‥‥。
まあ今のところ、小惑星の地球衝突や、人類の突然変異や、異星人襲来や、動物か昆虫か植物か粘菌だかの知性化や、太陽の新星化はないが‥‥しかし人類の存亡がかかる可能性と言えば、数万年単位で考える必要がある。この先何があったっておかしくはない。
‥‥いや言いすぎました。そこまで行かなくても、でもこの100年だけでもかなりヤバいことは想像がつくでしょ?
そして日本の官僚の縦割だの、審議会だの、経済財政諮問会議だの程度じゃ、とても頼りなく見えません??
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で、先ほどの「専門としての全体」がなぜ気になるかと言うと‥‥。
そもそも、縦割りのどこにも入らない、新たな問題が出てきた場合。
前にシンギュラリティについて少しだけ言及したけど、それは「人工知能が人類の知能の幅を広げるうちに、ある特異点を超えると、過去の類推が通じなくなる」という‥‥つまり「SFな未来が待っているぞ」という考えだ。とても自民党大好きな保守主義者の対応できる世界とは思えないのだが、こういう新しい問題に、まず気づけるのかどうか。
考えられる状況変化や問題・危険を全て並べて、予想するべきとしたら、新しい何かはどうやって耳目に入るんだろう。シンクタンクのシステムって分らないけど、何がしかの情報源、例えば海外のナンタラ会議で「人脈」と雑談でもして、新聞や雑誌などオープン・ソースもマメにチェックするなんて情報機関でもやるもんだし、それで気づくことはできる、そんなもんか?
‥‥まあ、そんなもんかも知れないが。
では、それを深めるのはどの時点だ?
シンクタンクの研究員にも、どうやら得意とする分野がそれぞれあるらしい。だとしたら、官僚組織と似てることになる(と思うけど‥‥違う?)。確かに経済、環境、軍事、広くやってるシンクタンク自体はいろいろあるだろうけど、内部では、意外と縦割りかも知れない。すると、官僚的な縦割りに収まらない要素は、とっかかりが遅れないか。「自分の管轄じゃありません」とかさ。
でもシンクタンク代表なんて人は、下からの情報を総合してはいるのだろう。となると、「これを本格的にやろう」って上の人が決めればいいだけの話だろうか。
まあ仮にそうとして、ではその新要素を深く掘り下げた後‥‥いや並行して、他の分野との絡み。‥‥と言うか、他の「全ての」分野との連関。
「全体」とは、単に色々な分野の専門家をバラバラに集めて、並べて見れば「全体」になると言うのではないはずだ。優先順位だって必要だろう。
そして先にいろんな問題を並べたけど、全て関連づけるのは相当に複雑そうだ。想像なんだけど、それって、それ自体で、専門性や技術や特別なセンスがいるんじゃないのだろうか。皆がそれぞれバラバラに深めても、総合し、全体予測するには、それ専門の能力がいるのじゃないか。
そして、「自分は全体を担当する」と決めてる人は、たとえ新しい要素であっても、他との連関に当てはめるのに、ある程度慣れるのではないか。
────もっとも、「それこそ政治家の仕事だろ!」と言われるかも知れない。総合や全体の答えを出す所までシンクタンクがやったら、それは影の総理大臣だ。
しかし、そこはある程度の技術はあると思う。最終の決定は政治家がやるとしても、大きなレベルの選択肢の提示は、ある程度は、上位のスタッフで絞れるのではないか。「どう考えてもこちらの問題が先に来る」とか「こちらを解決すればこちらが立たない」とか、誰が考えてもそこに落ち着く分析は、あって不思議はない。
‥‥‥‥審議会とかが頼りないのは、人選が官僚のお仲間に偏ってるってだけじゃなく、あれは、バラバラの専門分野の「識者」を集めたって感じだから。
●具体化も大事
とは言え、「全体」の大きな構想だけで、直近の足元の「具体化」ができないのでは、やはりどうしようもない。
そこからは、やはり政治家の仕事か‥‥でも短期の分析だって、シンクタンクの仕事だよな。
民主党の鳩山由紀夫前首相で言えば、あの寺島実郎氏というシンクタンク代表が近くにいたのだが、結果は思わしくなかった。それは外交の全体構想そのものがマズかったのか、それとも全体構想は良かったが、具体化の段取りが稚拙だったのか‥‥。
普天間基地について言えば、「政権を取る前から、少なくともアメリカと交渉できる程度の、現実的な代替案ができているべきだった。ないのなら公約にするべきではなかった」ということか。
確かに寺島氏の言い分にしても、うんと長い目で見れば正しいとは思える。「アメリカ自身が、長期には『唯一の超大国』から『普通の大国の一つ』に変わって行くことを自覚している、だからアジアに共同体が作られるべき」‥‥なんて要旨だ。
だが民主党の案にそういう長期の視点しかなくて、今目の前の具体性に欠けてたのなら、次のように言い切れる自信と覚悟があった上で、初めて公約にすべきだったかも知れない。
「基地の移設先など決まらなくてもいい。なぜならアジア太平洋にはアメリカ海兵隊のプレゼンスそのものがいらない、第7艦隊だけで十分だからだ。我らの『長期の視点』ではそうなる。実際野党時代の我ら民主党は、その覚悟で新移設先の候補探しなどしなかった」と。
────だが寺島さんは、海兵隊の抑止力の意味は、それなりにだけど、認めているみたいだし。
http://mgssi.com/terashima/nouriki1002.php
じゃあやっぱり現状の手詰まり状況‥‥つまりアメリカが「以前に自民・公明政権と合意した辺野古沖への移設案以外認めない」と言って譲らないこの状況は、単に「民主党が大事な海兵隊の移設先探しを甘く見てた」ってことの結果なのか。
‥‥‥‥だとしたら、普天間基地問題は、少なくとも具体化の段取りは悪かったようです。
(でも寺島さんがダメならいきなり岡本行夫さんという超オーソドックスな外務省人脈ってのもなあ‥‥もっと層が厚い方がいくない??)
●民主党「国家戦略局」案って結局「審議会」の少し上!?
さて以上から考えると、例の「国家戦略局」構想って、どうだったんだろう。
‥‥‥‥まあどっちにしろ、今回みごとにポシャりましたけどね。法的根拠を与えて官僚を従わせるという理想には、いつの間にか消極的になっていて、国家戦略「室」程度だったのに‥‥それが菅総理になって、ついに単なる助言機関になった、と。つまり、政策調整でなく、シンクタンク的な機能ってんだけど‥‥経済実務は、堂々と財務省頼み、ってことだ。
‥‥‥‥参考までに、下の記事を。テレビで何回かお見かけしてる、高橋洋一さんと、長谷川幸洋さん。「官房長官の力が強くなる = 官僚の力が強くなる」って話。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/875
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/682
あと言われてるのはこう。「結局民主党政権では、経済の全体を見る会議がない。自民党政権時代なら経済財政諮問会議があって、財務、経済産業、日銀総裁、民間と顔を合わせる場があったから、あの頃の方がマシ」と。確かに、自民党政権での経済財政諮問会議は、官僚や、族議員の集まりである政策調査会への対抗軸であり、小泉純一郎氏や竹中平蔵氏は、それを足場に頑張っていた。
民主党政権の閣僚も、自民党と同様、財務にしろ外務にしろ、役所に入ると結局自分の部下の官僚ばかりを信頼し、頼るようになってしまったが‥‥でもこちらは経済財政諮問会議がない。
話を戻すが、当初、民主党政権で思い描いていた国家戦略局の構想は、法的根拠を作って官僚組織の「上」に置き、更に外交まで考えさせようとしていた‥‥というので、まさに自分の言う「全体」を見る、大変頼もしい構想に見えた。
それが、結局ハシゴを外されたと言うか、「もっといいコートを買ってやるからそんなボロ脱ぎなさい」と民主党に言われてそうしたら、結局いいコートはなくて裸で震えるみたいな‥‥。
× × × × ×
────しかし、あのまま本来の国家戦略局ができていても、大したことなかったような気もするんだな。
いや、もちろん自分は、かなり理想を高い所において言ってるんだけどね。
確かに世間にも、「自民党時代の経済財政諮問会議より機能しなかったろう」と言う声はあった。下は富山創一朗さんという方の記事です。少なくとも小泉政権では、会議で首相が決断さえすれば、それで決定にできたので、もしその場で民間議員が首相を説得することができれば、彼らは官僚に勝てた。だが、民主党が考えていた国家戦略局とは、前段階の予算の骨格を決めるもので、その後財務省主計局と閣僚委員会(官僚が台本を決めるとして)を通さねばならない‥‥。
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/pre/genre/genre2/62.html
‥‥‥‥そうかも知れない。でも筆者がここで言いたいのは、「先に筆者がこだわって見せたような、本当の意味での『全体』は、当初の理想通りの戦略局ができても、やはり無理だったんじゃないか」ってことだ。‥‥「異星人襲来は見逃してしまう!」とまでは、言いませんけどね。
メンバーは、政治家、官僚、民間、あと地方代表などが言われていたが‥‥結局、これまでの「審議会っぽさ」が抜けないのじゃないか。
もちろん、審議会はタテマエ上「外部識者の意見」だが、ここで言う「審議会っぽさ」ってのは、「それぞれの識者を個々バラバラに集めれば、何か全体ができる」という発想って意味だ。
筆者が「本当の『全体』への対処」について期待する役割を、大まかに二通りに考えてみると、
A)何も見識がない政治家でも、問題意識を持てるくらい、現状の問題点を総体的に洗い出す。長期の「全体」に関する情報を、トップ層で共有する。
B)その問題への対処を「決定」「具体化」し「段取り」をつける。
この政治家、官僚、民間、といったメンツが集まる場は、Bの「決定と具体化」には必要だろうが、そのときは名前を国家戦略「会議」にした方が分り易い。
一方Aはと言うと、このメンツとは別に、先ほど言ったような「全体を専門とした」シンクタンク的なスタッフやブレーンが、やはり必要って気がする。単に省庁出向の事務局とかでなくて。
だからこのメンツだけじゃ、Aはできない気がする。メンバーの下に官僚のスタッフは控えていても、縦割りに入らない問題もあるし(そもそも省庁の出向じゃ、役所の思考の範囲から出ないわけで、セカンド・オピニオンになるのか!?)、総合にも技術が要ると思うから。
‥‥‥‥もっとも、別に党や民間にそういう「全体」が見れるシンクタンクがあって、総理や閣僚と、野党時代から接触が続いてきたとかなら、また別かも知れないけど。民間のメンバーに、ものスゴーくキャラが濃い人がいて、その人がリーダーシップを取っても、面白いかも?
────理想が高過ぎか?
晃彩 晶 Kousai Akira 2010.07/30(金)
参考記事:
●日本政治の「運動神経」が悪いワケ‥‥(1)公文書なく官僚の個人技、皆で機敏に変えられず
●天下りを禁止するってレベルの話?欧米並みの「官僚交代制」がいいな
●サンプロ見て。北欧型福祉制度は、逆に「官僚支配解体」に使えないか?