君たちも知ってのとおり、私はいつでも熱いハートを持っている好漢だが、ハートだけではなく、体温も相当に熱い。

そのことについて特に不満はなかったが、先日はじめて困ったことがあった。

急な階段で辛そうにしているおばあさんを、おんぶして登ろうと思ったのだが、私の背中が熱すぎておばあさんが低温やけどをしてしまいそうになったのだ。

私はあれほど自分の無力を感じたことはない。目の前で困っている人がいるというのに、おんぶひとつ出来やしない。私は泣いた。そして、まず体温を調節出来るヒーローになろうと、固く心に誓ったのだった。



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私がまだ幼いころの話をしよう。

めったに病気をしなかった私だが、一度だけ風邪で高熱を出したことがある。苦しむ私を心配した母は、仕事を休んで看病してくれたものだ。

ひどく咳き込む私のからだを、付きっきりでさすってくれて‥‥。

子どもの病気を治すのは、母親の愛情なのだと思う。翌日、私はすっかり熱も下がり、平熱の五十二度だった。


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