ロシアの甘美な余韻 エルミタージュ アフタヌーンティー @ グランドハイアット東京 | オンナひとり気まま日記

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大好きなラグジュアリーホテルや、外で見つけた美味しいものの話がメインです。日々の徒然の他、脱線話も色々。

今回は母が神戸から上京することになり、どこに行こう、夜は何食べよう、とあれこれ検討していた際に目にとまったのが、前回記事でとりあげたグランドハイアットの「フレンチキッチン」で提供の「エルミタージュ スペシャルディナー」でした。

連休中のロシア旅行が期待より遥かに素敵なもので、是非あの楽しい思い出を今一度!と二人とも意見が一致。

結局、ディナーもアフタヌーンティーも捨てがたい、旅行中に本場で見られなかった絵も見たいというわけで、ディナーの翌日にエルミタージュ美術館展、その後アフタヌーンティーという、贅沢なコースとなりました。

前日夜に続いてのグランドハイアット2階「フレンチキッチン」。
あら、展覧会の物販スペースで見たばかりのティー、「エカテリーナIIティー」がこんなところにもディスプレイ。

長い通路を通って、店内へ入ります。

前日夜は、この店内の運河(?)を渡って向こうの、オープンキッチン近くの席でしたが…。

この日の午後は、その運河手前、テラスからの陽光が差し込むテーブルでした。

「エルミタージュ アフタヌーンティー」メニューの表紙です。

ところどころ、馴染みの薄いロシアのお菓子が取り入れられているのがまた、期待を掻き立ててくれますね。

前夜はコースの締めとして供された今回のコラボ企画のスペシャルブレンドティー「エカテリーナIIティー」、今日は最初に登場です。

お茶の能書きは、グランドハイアットのウェブページから以下引用。

運命の国・ロシアの代表的な花「ひまわり」と、出身地であるドイツ(神聖ローマ帝国)の国花「矢車菊」で、エカテリーナ2世の人生を表現。統治時代である18世紀後半のロシアでは、オレンジの皮を紅茶に入れて飲む習慣があったことから、オレンジフレーバーを配合しました。明るく爽やかなベルガモットとオレンジの柑橘系フレーバーが香る茶葉に、壮麗なエカテリーナ宮殿をイメージさせるオレンジゴールドの「ひまわり」とブルーの「矢車菊」の花びらを散りばめ、力強くエネルギッシュな中に華々しさが香る、エカテリーナ2世をイメージした唯一無二のオリジナルティーです。

実際、柑橘系の風味が一杯の、明るい味とでも形容したくなるお茶でした。フォートナム&メイソンのレディグレイが好きな人は気に入るんじゃないかな?

それにしても、アフタヌーンティー自体久しぶり。
気分上がりますな~。

トレイ上段はスイーツ。
昨夜のディナーの前菜と同じく、スミレの花弁が美しいです。

下段はセイボリー。なかなかバラエティに富んでます。

スコーンは、プレーンとポピーシードの二種。
ブルーベリージャムとクロテッドクリームを添えて。

こちらのスコーンはポソポソしすぎず、ちょうど良い具合のしっとり加減で好みです。

ポピーシードのは、プレーンより気持ち甘めのお味かな?

もう少しクロテッドクリームは柔らかけば良いのだけど。ちょっと固くて塗りにくかった…というか、ほぼバターに近い感じ。

さて、トレイ上のものを頂きましょう。

ライ麦パンにポークリエット。
さりげなくビーツをあしらってるのが、抜かりなくロシアンテイスト。

小ぶりながらしっかりしたポークの旨味が凝縮された一品です。

「ヴァトルーシュキ」は、カッテージチーズとジャムがのったペストリー。

カッテージチーズと、甘酸っぱいジャム、それぞれしっかりした存在感があって、単なるジャムパンとは一味違う、「格」の高さを感じます。
凡庸め?の外観から想像するより、これはずっと美味。

柔らかなロールパン風生地の焼きピロシキ。
ロシアではピロシキって焼いたものが主流なんですよね。
何で日本では揚げパンとして広まったやら。

牛肉、ポテト、(あまり存在感ないけど)キャベツの組合せは、ほっとする味わいです。
何となく、昔懐かしいお総菜パンのような風合い。

バターミルクパンケーキの「アラディア」は、少し甘めのクリームに、ソフトでしっとりした生地がばっちり合います。

小さいなりに生地自体の美味しさをしっかり感じられるパンケーキです。

チキンマッシュルームセロリのタルトレットは、薄いタルト台がパリッパリで心地よいです。

これはセロリがよい仕事をしていて、爽やかな風味を生み出しています。

ロシア旅行中は、角切りポテトサラダの「オリヴィエ」をはじめ、セロリや玉ねぎ、パプリカなどダイス状の野菜と、チキンやビーフ等の肉、それにナッツなんかもマヨネーズ風ソースで和えて、セルクル型で綺麗に成形したサラダがよく前菜で出されましたが、ちょっとそれを彷彿とさせる味わいの素敵なアレンジでした。

アプリコットジャムのロールクレープ。

ソフトなクレープに、甘酸っぱい優しい味のアプリコット、これを嫌いな人はいないんじゃない?

サーモンのブリニはイクラにサーモンという、ロシアでも鉄板の親子コンビ。

そうだ、ロシアに着いた初日、モスクワのホテルでサワークリームとイクラのブリニを頂きましたっけ。あれはクレープ状の薄いものでしたが。

サワークリームにはディルがやっぱり合いますね。前日のエルミタージュディナーの前菜もこの組み合わせ。

パスティラは、リンゴのキャラメリゼ。
これ、見た目コンポートっぽいですが、トロトロに柔らかで、トレイから取り皿に移すときにちょっとヒヤリ。

そのまま食べてしまったけど、後になって思えば、スコーンにつけたら良かったかな。
でも、リンゴとミントの清涼感がばっちりで、美味しいものはピンで食べても美味しい。

さて、二段トレイとは別に、冷えた状態で供されたのは、「ピティチェモロコ」という、不思議な響きのケーキ。

「バーズミルクケーキ」の意味で、この世には存在しない「鳥のミルク」ほど美味しいから、こう呼ばれているとか。


パリパリではなく、トロリと柔らかに仕上げたチョコレートのコーティングが、何とも艶やかです。

上から、スポンジ生地、カスタードクリーム、マシュマロの三層構成です。

割りと甘味は強めかな?いえ、あんまり他に洋酒やフルーツの風味が効いているわけではないから、甘味が前面に出ていると言った方が近いかも。

ラストにこのケーキ、かなりお腹いっぱいになりますね。まあ、勿論完食ですが(笑)。

ロシアではお土産として圧倒的にチョコレートがポピュラーで、本当に沢山の種類がお土産物屋さんやスーパーに並んでいるのですが、その大半が中にクリームやマシュマロのようなフィリングが入ったもので、「中まで全部チョコレート」なのは、意外に少なかった気がします。

このケーキ、組み合わせや後味が、ロシアのチョコレート菓子を連想させるものでした。
いわゆるエッジの効いた風味や一捻りした組み合わせではないけど、古典的な「甘さ」を愛でる感じ。

ふう、2日続けてよく食べました!
いわゆるロシア料理そのものではないけど、その素材や組み合わせにロシア料理のインスピレーションが満載のディナーとアフタヌーンティー、至福の時間を過ごさせて頂きました。

旅の記憶が薄れないうちに、こんな素敵な復習(?)で舌に思い出を焼き付けるのもいいもんです。

ごちそうさまでした!