勝手に「マッサン」回顧展(2015年3月のセット展示見学記) | オンナひとり気まま日記

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大好きなラグジュアリーホテルや、外で見つけた美味しいものの話がメインです。日々の徒然の他、脱線話も色々。

昨日まで実施されていた「あさが来た」のセット展示について記事を書いて、何だか一年前の同じく大阪制作の朝ドラ「マッサン」が、無性に懐かしくなってしまいました。

視聴率が全てとは思ってはいないのですが、ドラマとしての最終的な完成度は、ある程度数字になって表れたかな…という気はしています。

「マッサン」は、主題歌に中島みゆきさんと来た時点で、あのNHK「プロジェクトX 」を彷彿とさせるような、日本の「もの作り」を描く骨太の職人ドラマへの期待も高かったでしょうか。

また、この枠では珍しい男性主人公とあり、いわゆる典型的な朝ドラに繰り返し描かれた女性の物語とは違う、男性目線のビジネスドラマの色が濃くなると想像された向きも多かったかもしれません。

しかし蓋を開けてみると、勿論上記の要素は確実に存在はしたものの、明らかに重点は、マッサンとエリーの夫婦愛、そして執拗なまでに繰り返し描かれた親と子の対立と和解の物語にありました。

(とどめはラスト2週に登場した、ウィスキー作りの志を受け継ぐマッサンの養子、悟の出番が総集編の後半では丸々カットされていたことでした!
最終回、エリーが生前遺した手紙で「ウィスキーのことは実はよく分かっていなかった」ことを明かしていましたが、最後の最後でここまでウィスキーの話じゃなくしちゃっていいのか…と度肝を抜かれました)

何を期待したかは人によって異なりますし、万人が等しく満足するということはないかと思います。

が、それ以外でも、よく指摘された通り、固有のエピソードへの時間配分(大阪のマッサンニート週とか、戦争中に尺取りすぎ、等)が妙だったり、不満はそこかしこにあったのは事実です。

が、そんな風に「あさ」に比べると色々アラは目立ったのですが、何とも言えない奇妙な中毒性はあったドラマでした。
時として狂気にも似た、出演者の熱量に煽られたような感覚とでもいいますか…。

新緑の美しい季節に希望を胸に日本の地に降りたった二人が、大きな悲しみや苦難を乗り越えて開花や収穫の季節を迎え、そして年月を重ね、雪深い冬に静かな別れの時が訪れる…。

途中、しばしば息の苦しくなるような展開もありながら(これは褒めてます)、最後は全てを包み込むような、叙情的で美しい展開だったと思います。

さて、そんな風に個人的思い入れのあるドラマ、勝手に回顧展と称して、昨年NHK大阪で行われたセット展示の写真をいくつか。
全然タイムリーではないですが、ご容赦を。

場内にはずっと、シャーロット・ケイト・フォックスさんが劇中で歌った歌も含めて、サントラに収録の曲が流れていて心地良かったです。
音楽に関しては、「あさ」より断然「マッサン」の圧勝。


エリーハウスこと、余市の亀山家。


玄関。


台所。西洋風のキッチン道具と、釜や七輪、日本的なものがミックスされてます。

マッチ箱やポットなどの小道具、細かなところまで色々楽しい。



リビングルーム。蓄音機やクラシカルなストーブが目を引きますが、部屋後方左の柱近くにある、ベルにも注目です。
工場の始業と終業を告げる鐘ですね。



和室。床の間にある虎の置物は、鴨居の大将からの贈り物。退職後も大事です。
あと、その脇には鼓。リアルマッサンこと竹鶴正孝さんは、スコットランド時代にリタさんのピアノに合わせて演奏したそうで、その頃の思い出の品かしら。


エマちゃんのお部屋。


中庭。井戸とか、木とか、本当に上手く作っています。


こちらはニシン御殿。


本当のニシン御殿って見たことないですが、凄く精巧にできている感じです。


若い頃のマッサン&エリーの衣裳。


マッサンの母、早苗さんが亡くなる前にエリーが纏った花嫁の着物。


熊虎さん、俊兄、ハナちゃんの衣裳。


太陽ワインの他、鴨居ウィスキーなど、広告宣伝上手な鴨居商店のポスター。


余市の地図。


マッサンの情熱が年月を経て、形を結んだんだな…とちょっと胸熱。


マッサンがスコットランドから持ち帰ったウィスキーに、二人の思い出の6ペンス銀貨と指ぬきペンダント。
その横に、マッサンの母からの手紙。

泉ピン子さんの鬼っぷりばかり話題にされましたが、この手紙は、昔の母親なら極めて真っ当に感じたであろう国際結婚への不安や心配が、端正な文字で節度を持って綴られています。

エリーからスコットランドの母への手紙。
苦労を重ねながら、愛する夫と歩んできた道のりへの思い、そして遠く離れた母への気遣いに溢れています。


鴨居商店時代の成果物。


事業計画書に、留学中のノート。
いっぱい苦労して、失敗も重ねました。


愛弟子の一馬が遺した麦に、三級酒「余市の唄」、そしてマッサン悲願の作「スーパードウカ」。


さて、本編は玉山鉄二さんとシャーロット・ケイト・フォックスさんの、少女漫画から抜け出たようなビジュアルの主演カップルでしたが、 「どッサン」では、どーもくんが一人全役をこなします。

主人公は勿論、ドッサンとドリー。

赤いパゴダ屋根のドウカウイスキー前の夫妻。
年は重ねても、「この手、離すなよ」と誓った若い日の思いのまま、仲睦まじく。


賑やかなニシン御殿に、熊虎さん一家。


何か、「あさが来た」に比べてあれこれイビツだったと思いながら、個人的にトータルでのハマり度合いは「マッサン」の方が上だったことを再確認。
何でか分かりませんが、好みって不思議。