イギリス北東部の大学院に留学していた10年と少し前、授業の合間のランチは大体キャンパス内のカフェテリアでとっておりました。
それなりに敷地は広かったので、食べるところは何ヵ所かありまして。
地下の薄暗いカフェでは、山盛りフィッシュ&チップスや、サイズも味もビッグな(要は大味ってこと)キッシュが定番。
あまり体には優しくなさそうですが、比較的安上がりなB級メニューが中心でした。
また、新しい校舎にはセルフ形式のお洒落なレストランがあったりもして(予想通り割高)、2年間在籍すると自分なりにランチのローテーションが出来てくるもんですが、文句言いつつもそれなりに楽しんでいた気がします。
さて、在学中に回数的にはおそらく一番通ったかと思うカフェが、キャンパス中心部にありました。
食べ物はサンドイッチやキッシュ、ジャケットポテト(皮付のベイクドポテト)など至って普通の品揃えでしたが、明るい雰囲気とマグカップにたっぷりのミルクコーヒーが気に入っていました。
そこでよく頼んでいたのが、'Tuna Mediterranean'なるサンドイッチ。直訳すると「地中海風ツナ」ですが、普通のマヨネーズベースではなく、トマトと黒オリーブ風味のツナサンドです。
そもそもマヨネーズ嫌いなので、いかにもマヨネーズの味しかしなさそうなツナサンドやタマゴサンドはノーサンキューな私。でも困ったことにツナは好きなので、このサンドイッチは実にありがたい存在でありました。
あまりに私がいつもこればかりなので、しばらくすると、カフェのおばちゃんは、私の顔を見るやいなや、何も聞かずにそのサンドイッチに使う四角いチャバタを取り出すようになったとさ。
(でも、シャクなので、愛想のカケラもないそのおばちゃんへの意趣返しのつもりで、時々はキッシュ&サラダを注文してやるのだった。笑)
世界各国の美味しい料理が一杯の東京で、「あの」イギリスの、しかもキャンパス内で食べていたものをありがたがるのも妙な話ですが、トマト風味のさっぱりツナサンド、たまに懐かしくなります。
さて、渋谷で美味しいパン屋さん、ジャン・フランソワやゴントラン・シェリエ等、かなり選択肢が増えましたが、東急本店近くのヴィロンを忘れてはいけません。
本格派のブラッスリーでもあるこちらのお店、メイン料理とパンで2,000円のランチセットでゆっくり過ごせればベストですが、種類豊富なサンドイッチにも目移りします。
フランス直輸入の小麦粉、レトロドールを使ったバゲットはこちらの定番ですので、必然的にバゲットサンドの種類が多いです。
が、ここに、ツナ&ドライトマトという懐かしのコンビネーションのサンドイッチが、あるではないですか。その名も「サンドイッチ・プロヴァンサル」(フランス語読みなら、「サンドウィッシュ」かな)。
南仏プロヴァンスと言えば地中海沿岸、であります。名前は違えど、カテゴリ的にはイギリスで食べ倒したアレですな。
時間帯にもよるかも知れませんが、1階で買ったパンを2階のブラッスリーで頂いても良いとのことだったので、アイスコーヒーと一緒に。
しっかり、もっちりした歯応えのパンに、ツナとゆで卵の安心のコンビネーション。
ドライトマトの甘味と酸味が、さっぱりしていながら、豊かなフレーバーを添えています。
やっぱり、この組み合わせ、好きだなあ。ドライトマトを使うとどうしても割高になるかもしれませんが、トマト&オリーブはツナとの相性抜群なので、もっとこの手のツナサンドがあちこちで増えてくれるといいんですがね。
…しかし、このサンドとアイスコーヒーで軽く1,500円とかしてしまった。多分、メインとパンのセット頼んだ方が充実感はあったかも(苦笑)。
それでも、やっぱりここのサンドイッチは美味しい。コスパなら他にいいところはあるでしょうが、やはりパン好きならたまに行きたくなってしまいますね。
ごちそうさまでした!