私たちの学校では、中学三年生の終わりに勉強合宿が行われた。学校で授業、近くの宿舎で補習と自習、という勉強漬けの1週間。


私は、勉強は苦ではないのだが、不登校になりそうなほど大嫌いな担任と一日中顔を合わせている状況が辛くて仕方がなかった。


だが、Tのおかげで私はその1週間をなんとか病まずに過ごすことができた。クラスが違う彼と顔を合わせる機会は少なかったものの、自習する教室は同じだったため、遠くにいる彼をチラチラ見ながら勉強した。


合宿の半ば、数学でどうしても解けない問題があったので、私は数学が出来すぎる彼に、その問題を教えてほしいと頼んだ。だが彼は、「忙しい。」「気が向いたら。」などと突き放して、その問題が書いてあるプリントを受け取ることもしてくれなかった。



だが、その1時間後くらいに、私がお風呂から戻ってきて自習室に行くと、私の机の上に紙切れが置いてある。


一瞬で問題の内容を覚えた彼が、すぐに解いて解説してくれたものだった。しかも、いつもの彼の字と比べてかなり綺麗な字。フリーハンドとは思えない美しい図。私は付き合う前から彼によく質問しに行っていた(質問を口実に会いに行っていた)ので、彼は私が躓くポイントも分かっており、補足の図も書いてくれていた。嬉しすぎて、今でも持っている。




すぐにお礼を言いに行くと、彼は少し笑って「ん。」とだけ答えた。ツン:デレが9:1くらいのツンデレ加減を見せつけられ、私は心底きゅんとした。


合宿が終わった後には一緒に帰りながら、私の、嫌いな担任についての愚痴をひたすら聞いてくれた。ツンデレの彼だが、私のことを大事にしてくれているんだなと感じることができた。