バレンタイン当日。


インフルエンザにかかっていて学校に来られないはずのTがなぜか登校していた。告白するのは延期しようと諦めていたところだったので、朝彼を見かけた時には「どうしようー!」と騒いでしまった。私に告られるために、何かしらのことをして無理矢理治したようだ。


一日中、授業の内容が全く耳に入らず、休み時間には告白の練習をした。付き合う、ということがどういうことか、当時の私にはイマイチわからなかったので、「付き合ってください」ではなく、「好きです!」とだけ、シンプルに伝えることにした。親友からは、「Tへの想い、叶いますように」という素敵なメッセージ付き友チョコももらった。



いよいよ運命の放課後。廊下の端の方に彼を呼び出した。彼の友達や私の友達もぞろぞろついてきて、少し出っ張った壁の陰で見守っていた。隠れて見守っているつもりだったと思うのだが、ガラスの窓に全て反射して丸見えだったのが少し可笑しくて、緊張は若干和らいだ。


彼は告られる気満々でいるものの、頑張って平静を装って、呼び出されたことに対して「何?」などととぼけていた。


そして、私は、一年弱燻らせ続けた想いをやっと伝えた。

「めっちゃ好きです。」


目の前にいる彼があまりにもかっこよく、予定にないはずの、めっちゃ、がついてしまった。


「うん、知ってる」と返す彼。


彼は、「で?」という顔をしている。

好きです、とだけ言われたら確かに困るわな、そう感じた私は思わず、

「付き合ってください。」

と彼に伝えた。



私「好きって、どれくらい知ってた?」


T7割くらい?」


お互い舞い上がってしまって、少し意味のわからない会話を展開した。


肝心の、付き合ってください、への返事は、


「付き合うとはいっても塾あるし2週間に一回くらいしか一緒に帰れへんで」


という、かなりシビアなものだった。塾を掛け持ちしていた彼の放課後は超多忙なのであった。


私「それでもいいから!」


T「ん、じゃあ、まぁ。」


あまりにも決定打に欠ける良い返事をもらえた。


念のため、


「私今彼氏できた!?彼氏できた!!?」

と確認したところ、彼はうん、まぁ、と答えたので、結果として、無事、告白は成功した。


見守ってくれていた友達も、うぉぉぉ、などと騒ぎながら祝福してくれて、最高のバレンタインデーになった。