こんにちは。KANZOです。

 

今回は「採用代行」サービスについて書いてみようと思います。

 

「採用代行」サービスは、企業に代わって採用業務を担うサービスのことで、中途に加えて新卒採用でも利用が増えてきており、市場がどんどん拡大しています。

 

大手では一例ですが日本郵政や中部電力が既に導入しているようです。(令和5年6月7日の日経新聞より)

 

 

「カネと人事」という言葉があるように、企業にとって人事は企業の行く末にかかわる重要な仕事だと思っていましたので、それをアウトソーシングするとはすごい時代になってきているなと感じています。

 

導入にあたってはメリットとデメリットのバランスをよく考えたいところです。

 

「採用代行」サービスにはまず思いつくだけでも、

  1. 事務担当者が他のコア業務に集中できる
  2. プロが専門で採用を行うので、質の向上と採用までの時間短縮が図れる
というメリットがあると考えられます。
 
中小規模の医療機関では人事以外にも総務や経理、医事、会計、用度、システム等の様々な業務を少数精鋭かつ兼任しておこなっているところも少なくないと思います。
 
そういった医療機関では採用活動をプロに任せて他の院内業務に集中して生産性を上げる(残業時間を減らす、レセの点検時間に充てる、運営にかかわる時間を増やす等)ことにはメリットがあるように思います。
 
また、プロが採用活動をおこなうことのメリットとして質の高い採用活動(丁寧な面接や求める人物像かの判断等)や専属でおこなうことによる内定までの時間短縮も大きなメリットです。
 
その他にも第三者が間に入ることで、求職者が直接言いにくい本音を伝えてくれて、入職後のミスマッチを防ぐことができるという効果もあると考えます。
 
私自身も欠員補充にあっては、ハローワークに足しげく通い、看護協会や専門学校に求人を出し、紹介会社数社に依頼を出しても反応がないこともあり、採用には根気強さが必要だということを痛感しています。(欠員部署からの突き上げもつらいところです。)
 
欠員は施設基準や医療法上の人員配置にかかわることから、経営上遅れを許されないシビアさがあるため、時間短縮は大きなメリットになるでしょう。

反対にデメリットといえば
  1. 費用がかかる
  2. 採用側と従業員の距離が遠くなる
ということが考えられます。
 
費用が掛かることは言わずもがなですが、メリットと比較して許容できる場合は受け入れられるところでしょう。
 
各社の「採用代行」サービスによりばらつきはありますが、依頼する内容によって、月額10万円~40万円ほどかかるようです。(個人的にはこの金額なら人事担当を一人採用して育てることを一旦考えます)
 
また採用代行で入職した人は法人との距離を感じてしまわないかという懸念もあります。(考えすぎか?)

 

法人が採用を「丸投げ」しているという感覚から(本来の趣旨はそうではないとしても)、採用された側は「この人に採用されたんじゃない」とか、入職後のフォローアップをおこなう人事側としても心のどこかで「私が採用した人じゃない」という気持ちにならないかということです。

 

これは長期的には定着率や従業員満足度に影響しそうな気がしています。

 

私はどこか古い考えもあり、一緒に働く人は一緒に働く人が判断したいという考えもあります。

 

ここは最終的には人事担当や役職者が最終面談をするとか、所属長に意見を求めるとかで解決できそうなので、法人として採用活動のうちどこまでを依頼するかによるところだと思います。

 

つらつらと書きましたが、表題にあるとおりこのサービスの導入は迷っているというのが結論です。

 

売り手市場の医療業界で導入する医療機関が増えていくのは予想できますが、特に中小規模の医療機関はこの採用手法にかかるランニングコストは無視できません。

 

今後の採用手法の動向を注視しつつ、費用をかける余力があるのか、それに見合うメリットがあるか十分相談して判断したいところです。