京セラドームの控え室。
リハも済んで、後は各自気になる所の
最終確認をしている時間。
俺はいつものようにスマホとペンを取り出し
充電コードを繋げるとアプリを起動させた。
気にならない訳じゃない。
アナタはいったい何を書いていたんだろう。
・・・帰ってから探す時間あっかな。
アナタには上手く言い訳して、何としてでも
見つけ出し、勝ちたい(笑)
アナタの事だから絶対俺を勝たせてくれると
思ってたんだけど、自惚れてたかな。
テーブルに置かれたスマホの画面を
上から覗き込むと、まだセットされていない
前髪が何度も視界を邪魔する。
・・・うっとおしい。
そろそろ切っかなー。
俺はカバンの中からヘアターバンを
取り出した。
「あれ。ニノ、何か落ちたよ」
隣に座ってたリーダーが1枚の紙を拾う。
俺は一瞬でそれが探し求めていたソレだと
気付き、リーダーの手から奪い取るように
引き抜いた。
「あ、、、ごめん」
驚くリーダーに謝ると
ふふっと菩薩のような笑みを浮かべて
そのままスマホを弄りだした。
・・・これだ。
アナタが用意してくれた泊まり用の荷物。
ヘアターバンも入れとくねってアナタが
わざわざ言っていた事を思い出す。
ヒントは隠されていた。
二つ折の紙を開くと、アナタの文字。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
「で、どうかな?ニノ?」
Jの突然の呼びかけに身体がビクッとなる。
「あ、ごめん。大丈夫?」
「だ、大丈夫大丈夫。
ごめん、もっかい言って?」
Jと一言二言言葉を交わし終えると
もう一度メッセージカードを読みながら
顎に手をあて、首を左右に曲げる。
これってどういう意味にとれば。。。
そのまま素直に読みとっていいのか?
って事は、つまり、、、
「ん?ニノ、どした?耳真っ赤だけど」
いち早く俺の変化に翔ちゃんが気付く。
「な、なんでもない。ちょっと暑くない?
冷房強めようかな?」
「あー、ニノ、やらしい事でも考えて
たんでしょ♡」
「うっせ、バカ!お前の頭の中はいつも
そればっかだなっ」
相葉くんに図星をつかれて憎まれ口を叩く。
スマホを充電コードから引き抜いて
ポケットに入れると、俺はトイレに向かった。
[どういう意味?]
数秒たってから既読の文字がつく。
[見つけたの?]
[そのままの意味でいいの?]
[うん、でも1つだけね]
[1つなら何でもいいんだね?言ったね?]
すぐに既読がつくが返事がこない
[おーいっ]
[もしもーしっ]
[あれー?]
[高価なものは無理かも。。。]
アナタからのメッセージ。
それは俺の望む事を1つだけ叶えてくれる
というものだった。
俺はアナタの名前をタップし、受話器マーク
を押す。
すぐにアナタが出る。
「高いものなんて頼まないよ。
俺を誰だと思ってんの?嵐さんだよ?」
電話口の向こうからはアナタの笑い声。
そうだったねって優しく言ってくれる。
「帰ってくるまでにゆっくり決めてね。」
「候補はいくつか決まったんだけどなー」
「あ、そうなの?」
俺の答えを聞きたそうにしているアナタに
意地悪な声で問いかける。
「いつもアナタがヤダ!ダメ!って
言ってる事でもいいんだよね?」
「・・・え。。。」
俺もアナタも知っている。
大概の事にアナタはいつも文句も言わず
俺のわがままを聞いてくれてること。
どうしても俺の頼みを聞いてくれないのは
俺がちょっとイジワルなアノ時だけ。
「なーんでもいいんだもんねー。
俺の望む事なら。」
「ち、ちょっと待って、和くん。」
「あー楽しみだなーっ。」
「か、和くん?」
「あ、ワクワク始まるわー。じゃあねーっ」
まだ何か言いかけてるアナタを無視して
通話を終了させる。
いつだってそう。
アナタはいつも俺の気持ちを優先させる。
このカードだって必ず見つけられるように
ちゃんと俺の事を考えてくれてたんだ。
さっ。
たくさんの人が待つ場所へ行きますかっ
誕生日を祝われるなんて俺はいいよーって
思ってたけど
悪くないな。
それを楽しみにしてくれてる人もいるんだ。
祝われてくるかっ(笑)
俺のお楽しみ、なんにすっかなー♡
Happy Birthday to Kazunari
34 years old
2017.6.17

