2015年、1月も下旬というこの時期になって、
ようやく初のブログ記事です。

すっかり遅くなってしまいましたが、
今年もよろしくお願いいたします。

昨年、惨憺とした部ログ状況であったので、
今年こそという思いはあるのですが、
手を付けてもなかなか書ききるための時間がとれず、
モタモタして出遅れてしまいました。

それでも、できるだけ時間を作って、
今年もいろいろないい曲を紹介していくことができるよう、
書いていきたいと思っています。


さて、新年ソングもおめでたソングを紹介するのも、
ちょっと日を逃してしまった感じなので、
今年1曲目は、例年の通り干支にちなんだ曲を紹介したいと思います。

未年の今年、
「ひつじ」に関した曲を探したのですが、
ありそうで意外とヒット曲としてはほとんどないんですよね。

グループ名にヒツジを使っているものだと、
90年代から活躍するへヴィメタルバンドのラム・オブ・ゴッドや、
ヒップホップグループのブラック・シープといったあたりか。

曲のタイトルにヒツジが使われているものだと、
ピンク・フロイドのアルバム「アニマル(Animal)」に、
「シープ(Sheep)」という曲がありますが、
いかんせん、なかなかメジャーなところでは見当たらないんですよね。

その中で今回は、またまたポールに登場してもらうことになりました。

ウイングス「メアリーの子羊」

ポール・マッカートニーがウイングスとしての活動を始めてから、
2枚目のシングルとして1972年にリリースされた曲で、

後に紹介する通り、歌詞はマザーグースの一つで、
童謡として日本でも知られている「メリーさんの羊」をベースに
作られたものです。




☆Wings "Mary Had A Little Lamb" from the album "Wild Life (CD)"
 1972年Billboard Hot100 最高位26位


Mary had a little lamb
Its fleece was white as snow
And everywhere that Mary went
That lamb was sure to go

>> メアリーの子羊
>> 雪のような真っ白な毛
>> メアリーの行くところどこでも
>> ついていく子羊

And you could hear them singing
La la, la la, la, la, la, la, la, la
La la, la la, la, la, la, la, la, la

>> ほら歌ってるのが聴こえるだろ
>> ララ、ララ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ
>> ララ、ララ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ

It followed her to school one day
It was against the rules
It made the children laugh and play to
See a lamb at school

>> ある日メアリーの学校についてきた
>> 規則違反だけどね
>> 子供たちは笑ったりはしゃいだり
>> 子羊が学校にいるからさ

And you could hear them singing
La la, la la, la, la, la, la, la, la
Everybody singing
La la, la la, la, la, la, la, la, la

>> ほら歌ってるのが聴こえるだろ
>> ララ、ララ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ
>> みんなも歌おうよ
>> ララ、ララ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ

And so the teacher turned it out
But still it lingered near
And waited patiently about till
Mary did appear

>> 先生は追い出そうとしてるけど
>> まだ近くでうろうろしてるよ
>> のんびりと待ち続けてるんだろ
>> メアリーがやってくるまで

And you could hear them singing
La, la, la, la, la, la, la, la, la, la
Everybody singing
La, la, la, la, la, la, la, la, la, la, la, la, la

>> ほら歌ってるのが聴こえるだろ
>> ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ
>> みんなも歌おうよ
>> ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ

"Why does the lamb love Mary so"
The eager children cried
"Why Mary loves the lamb, you know"
The teacher did reply

>> 「子羊さんメアリーのこと好きなのにどうして?」
>> こどもたちが騒ぎ出すので
>> 「メアリーだって本当は子羊のこと大好きなのよ、わかって」
>> 先生はそうたしなめた

And you could hear them singing
La, la, la, la, la, la, la, la, la, la
Everybody singing
La, la, la, la, la, la, la, la, la, la, la, la, la
La, la, la, la, la, la

>> ほら歌ってるのが聴こえるだろ
>> ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ
>> みんなも歌おうよ
>> ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ、ラ


「メリーさんの羊」は19世紀のアメリカで、
実在したメアリーさんという女の子がかわいがっているヒツジが
ある日、彼女の学校についてきて教室でひと騒ぎを起こした出来事を
歌詞にしたことに起源を発したと言われている童謡で、

オリジナルの歌詞をもとに歌われた英語の歌がこちら




日本ではこの歌詞を高田三十三によって日本語詞にして、
「メリーさんの羊」という童謡として知られています。




童謡の歌詞って結構正しく覚えてなかったり、
後の方まで覚えてないことが多くて、
日本語の歌詞ってこんなのだったかなという感じです。

で、ポールのこの曲を訳すにあたって、
この日本語の歌詞を見返してみたところ、
略しすぎてて納得がいかないというか、

英語版と日本語版のアニメーションを見てもわかると思うのですが、
日本語版の歌詞って中途半端なところで終わっているし、

メアリーが教室でヒツジを追い返そうと困っているところで、
騒いでいるのは生徒たちで、
メアリーが泣いているとはどこにも書かれてないんですが、
これが日本語版だとメアリーが困ってしくしく泣いてるとしてるんですよね。

また、先生がたしなめている最後の部分も
日本語版では書かれてないんです。

個人的にはこの部分が実はこの詞の一番大事な部分じゃないのかなって
思うんですが、何分童謡には造詣がないもので・・・

ただ、この歌詞の世界とは全く別にして、
ポールたちウィングスのメンバーは気ままに楽しく歌ってる感じですね。


一般的な羊はsheepで、
このLambは子羊のことを言うように、
羊に関する英単語っていろいろあるんですね。

ポール・マッカートニーは、前年の1971年に、
ポール&リンダ・マッカートニー名義のアルバム、
「ラム(Ram)」を発表していて、

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「Ram」は雄羊(去勢されてない)のことで、
ジャケットにヒツジが描かれているし、
アルバムに「Ram On」という曲が収録されています。

この同じ1971年に、ウィングスとしてのファーストアルバム、
「ワイルド・ライフ(Wild Life)」をリリースしていて、

このアルバムから当初は、
「ラブ・イズ・ストレンジ(Love Is Strange)」が
ファーストシングルとしてリリースされる予定でしたが、
このリリースをキャンセルし、

翌年、ファーストシングルとして、
アルバム未収録の「アイルランドに平和を(Give Ireland Back To Irish)」を
リリースしました。

この曲は、北アイルランド独立運動から発生した、
「血の日曜日事件」に衝撃を受けて作られた曲で、
当事国であるイギリスやアメリカで軒並み放送禁止になり、
あまり大きなヒットにならなかった一方、
アイルランドでは歓迎されてチャート1位になった曲でした。

ということで、次はもう少しほのぼの路線をということなのか、
この曲に続く2曲目のシングルとしてリリースされたのが、
やはりアルバム未収録の「メアリーの子羊」でした。

ポールとリンダ夫妻による初めての子供であるメアリーに捧げた曲とも言われていて、
バックコーラスには、リンダの連れ子のヘザーとともにメアリーの声も
含まれているとのことです。

のちに、このアルバム未収録のシングル2曲は、
「ワイルド・ライフ」に追加収録されることになります。

当時、ソロやウイングスとしての方向性がまだ定まっていない時期で、
必ずしも成功した作品とは言えないのですが、
この後から、ポールがソロとしても輝きを見せることになるのです。


前回記事で、最近のポールの活動で、
ビデオゲーム「Destiny」のために書かれた新曲、
「ホープ・フォー・ザ・フューチャー(Hope For The Future)」を
Itunesで配信開始したと書きましたが、

続いて、今年の1月1日に突如配信開始された、
カニエ・ウエストのニューシングル、
「オンリー feat. ポール・マッカートニー(Only)」に、
作詞作曲とキーボードで参加しています。

軽くボコーダーのかかったカニエの歌声と、
しっとりしたキーボードのメロディが印象的な曲で、

ツイッターには、
「ポール・マッカートニーって誰だよ?」とか、
「カニエはすごい、ポール・マッカートニーという有望な『新人』を発掘するんだから」

などという本気か宣伝か??というようなツイートが流されて話題になっています。


ということで、このあとにも紹介したい曲も続いてますし、
2月上旬に開催されるグラミー賞関連の記事も書きたいと思ってますので、
改めて本年もよろしくお願いいたします。


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