5月最初の今回は、1986年の全米No.1ヒットシリーズです。
前回、1986年4月19日、26日の2週間No.1だった、
プリンス&ザ・レボリューションの「KISS」に代わり、
1986年5月3日付でNo.1となった曲は、
ロバート・パーマー「恋におぼれて」
デュラン・デュランの話題の時に名前が出たことはありますが、
彼自身はブログ初登場ですね。
イギリス・ウェストヨークシャー出身の、
ブルーアイドソウル色の濃いシンガーソングライター。
R&Bバンドのボーカリストから、70年代にソロデビュー後、
パワフルなソウルファンクボイスとダンディーさで、
大人のロックファンを中心に人気の高かった彼が、
1985年、デュラン・デュランのジョン・テイラー、アンディ・テイラー、
シックのトニー・トンプソンと結成したスペシャルユニット、
ザ・パワー・ステーションの大ヒットで一気に知名度を高め、
1985年末に発表した、8枚目のソロアルバム、
「リップタイド(Riptide)」からのセカンドシングルであるこの曲で、
見事に全米No.1を獲得しました。
パワー・ステーションの流れを組むバンドの
ヘヴィーでファンク色の強いミドルスローのサウンドと、
パワフルでソウルフルなボーカルが印象的なロックナンバーです。
①彼のその後のヒット曲のPVの多くが、このパターンで作られている、
同じ黒のタイトな衣装とヘアスタイルで、無表情にだらだら揺れながら、
エアバンドしている女性たちとのコラボPV。
どの女の子もほとんど楽器の手があまり動いてないですが、
とりわけ、後ろにいるので目立ちませんが、ドラムスのスティックの動きは、
かなりの苦笑ものです。
②実は、彼もまた、この曲で全米No.1を獲得した日付には、
日本にライブツアーで来ていたんです。
この動画は、前日の1986年5月2日の新宿厚生年金ホールでのライブから。
③1995年のパリでのTVショーでのライブステージから。
ヒット当時も十分ダンディーだと思っていたのですが、
40代半ばのこのころは、さらに渋さが増していた感じですね。
☆Robert Palmer "Addicted To Love" from the album "Riptide"
1986年Billboard Hot100 最高位1位(5/3付)
Your lights are on, but you're not home
Your mind is not your own
Your heart sweats, your body shakes
Another kiss is what it takes
You can't sleep, you can't eat
There's no doubt, you're in deep
Your throat is tight, you can't breathe
Another kiss is all you need
>> 家に灯りがついているのに、お前は家にいない
>> 心ここにあらずなんだね
>> ハートはびしょぬれ、体は打ち震え
>> もう一度のキスでどうにかなるのかな
>> 眠ることも、食べることもできず
>> 間違いなく、嵌っている状態だね
>> のどを締め付けられて、息もできない
>> もう一度のキスだけが必要なんだね
Whoa, you like to think that you're immune to the stuff
Oh yeah
It's closer to the truth to say you can't get enough
You know you're gonna have to face it
You're addicted to love
>> ああ、君はそんなことにかまけてるヒマはないって思ってるんだね
>> ホントのところはまだまだ満足してないってところじゃないのかな
>> もっと現実を直視すべきじゃないのかい
>> お前は恋に溺れてるんだから
You see the signs, but you can't read
You're runnin' at a different speed
Your heart beats in double time
Another kiss and you'll be mine, a one track mind
You can't be saved
Oblivion is all you crave
If there's some left for you
You don't mind if you do
>> サインを送ったって、読むことができない
>> お前はいつも違った速さで動いてるんだから
>> 心臓の鼓動は倍の速さで
>> もう一度のキスでお前はオレのもの、あと一息さ
>> もう逃げようがないよ
>> ただ忘れようなんて願ったってね
>> もしいくらかでも忘れられたとしても
>> 結局自分の行動を気にしなくなるだけ
Whoa, you like to think that you're immune to the stuff
Oh yeah
It's closer to the truth to say you can't get enough
You know you're gonna have to face it
You're addicted to love
>> ああ、君はそんなことにかまけてるヒマはないって思ってるんだね
>> ホントのところはまだまだ満足してないってところじゃないのかな
>> もっと現実を直視すべきじゃないのかい
>> お前は恋に溺れてるんだから
Might as well face it, you're addicted to love
Might as well face it, you're addicted to love
Might as well face it, you're addicted to love
Might as well face it, you're addicted to love
Might as well face it, you're addicted to love
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
Your lights are on, but you're not home
Your will is not your own
You're heart sweats, your teeth grind
Another kiss and you'll be mine
>> 家に灯りがついているのに、お前は家にいない
>> 心ここにあらずなんだね
>> ハートはびしょぬれ、歯はガタガタ震え
>> もう一度のキスでお前はオレのもの
Whoa, you like to think that you're immune to the stuff
Oh yeah
It's closer to the truth to say you can't get enough
You know you're gonna have to face it
You're addicted to love
>> ああ、君はそんなことにかまけてるヒマはないって思ってるんだね
>> ホントのところはまだまだ満足してないってところじゃないのかな
>> もっと現実を直視すべきじゃないのかい
>> お前は恋に溺れてるんだから
Might as well face it, you're addicted to love
Might as well face it, you're addicted to love
Might as well face it, you're addicted to love
Might as well face it, you're addicted to love
(repeat)
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
この曲の大ヒット当時、36歳で、
渋い声といい具合にバランス加減のいい力具合で、
ダンディーでかっこいいと思いながら見ていたのだけど、
今当時のPVを見ると、これでもまだ若いなあと感じてしまいました。
③の動画で40代半ばの彼は、さらにいい老け具合ですよね。
男は40代、50代と年を重ねていくにつれ、
ほんとボクみたいにただのだらしないおっさん(笑)も多い中、
ミュージシャンを続けているベテランシンガーは、
さらに渋さとカッコよさをましていっている人が多いですよね。
最後にもう一度書きますが、
54歳で歩みを止めてしまった彼が、
10年経った今、60代半ばでシンガーを続けていたら、
どんなかっこいいステージを見せてくれていたのかなと思いますね。
それにしても、彼が大きなブレイクを果たした要因の一つが、
このマネキン風女性のエアバンドをバックに従えたPV。
同じ服同じメイクでいながら、
やはり人間が一人ひとり顔や体型が微妙に違うように、
彫の浅さ深さと化粧による陰影とか、
動き一つ一つにも微妙な違いがあって、
でも同じ風なんだとだらだら動いている様が、
滑稽でおもしろいですよね。
トニー・トンプソンの重たいドラムス音を、
PVの彼女はまるで子供が音に合わせてスティック動かしてるだけで、
初めてこのPVを見たときにはかなり爆笑したものでした。
ロバート・パーマーは、
1949年1月19日、イギリス・ウェストヨークシャー生まれ。
米軍のラジオから流れるソウル、ジャズ、ブルースを聴きながら育ち、
学生時代からバンド活動に参加していた彼は、
1969年にR&Bグループ、アラン・ボウン!のボーカリストとして、
デビューを果たします。
70年代前半には、エルキー・ブルックスとのツインボーカルでも知られた
R&Bバンド、ヴィネガー・ジョーで活躍。
このバンド解散後に、バンドの所属していたアイランドレコードと
ソロ契約を結びます。
1974年、ファーストソロアルバム、
「スニーキン・サリー・スルー・ジ・アレー(Sneakin' Sally Through The Alley)」
でデビュー。
ニューオーリンズ録音で、
ミーターズやリトル・フィートのロウウェル・ジョージ、
ザ・フーやTotoなどの活動で知られるサイモン・フィリップスなどが
バックを固めた名盤として知られ、
R&Bファンから高い支持を獲得します。
1978年の4枚目のソロアルバム、
「ダブル・ファン(Double Fun)」からは、
「愛しき人々(Every Kinda People)」が最高位16位のヒット。
1979年の5枚目のソロアルバム、
「シークレット(Secrets)」からは、
「想い出のサマーナイト(Bad Case Of Loving You (Doctor Doctor))」が
最高位14位のスマッシュヒットと、
少しずつ彼の名前も浸透していくのですが、
80年代に入り、音楽的志向がニューウェーブ、
シンセサウンド系に移っていく時代の中で、
彼もまたこういったサウンドを取り込んでいきますが、
ヨーロッパではそこそこ人気を継続していたものの、
アメリカでは、従来のファンが少しずつ離れていきました。
そんな彼のボーカルの大変なファンで、
一緒に活動をしたいと申し込んできたのが、
デュラン・デュランのジョン・テイラー、アンディ・テイラーでした。
ちょうどデュラン・デュランが、
サイモン・ル・ボンらのアーケイディアと、
ジョン・テイラー、アンディ・テイラーとの
二極化をしていく時代で、
ジョンとアンディが、
シックのバーナード・エドワーズをプロデューサーに、
トニー・トンプソンをドラムスに迎えた新バンド、
ザ・パワー・ステーションにロバートをボーカリストとして迎え、
1985年にアルバム「ザ・パワー・ステーション(The Power Station)」を制作。
シングル「サム・ライク・イット・ホット(Some Like It Hot)」、
T-Rexのカバーである「ゲット・イット・オン(Get It On (Bang A Gong))」が
ともにTop10ヒットとなり、
MTVにも彼のボーカルが大きく映し出されたことで、
一般的ロックファンにも彼の名前が浸透することになりました。
ただし、この時彼はレコードのみの契約で、
ライブエイドなどのライブステージには参加せず、
マイケル・デバレスが変わってボーカルをとっていました。
この時点で、彼の代表作となる8枚目のソロアルバム、
「リップタイド(Riptide)」の制作が完了し、
ファーストシングルの「ディシプリン・オブ・ラブ(Discipline Of Love)」は
大きなヒットにはならなかったものの、
セカンドシングルである「恋におぼれて」が、
MTVでのこのPVのヘヴィーローテーションが功を奏し、
見事全米No.1シングルとなります。
このアルバム自体が、ザ・パワー・ステーションの延長上にあるもので、
やはりプロデュースをバーナード・エドワーズが手掛け、
トニー・トンプソンの重たいドラムスが、
ザ・パワー・ステーションと重なるところがありますよね。
この曲に関してはギターもアンディ・テイラーで、
ハードなロック色の強い作りになっていると思います。
アルバムの3枚目のシングル、
「ターン・ユー・オン(I Didn't Mean To Turn You On)」は、
女性R&Bシンガー、シェレルのスマッシュヒットのカバーで、
こちらも最高位2位の大ヒットを記録しています。
この曲のPVも例のエアバンド軍団に加え、
白い衣装のダンサー軍団も加わった強力なものでした。
このアルバムののち、EMIレコードに移籍した彼は、
1989年に9枚目のソロアルバム、
「ヘヴィーノヴァ(Heavy Nova)」を発表。
「この愛にすべてを(Simply Irresistible)」が、
最高位2位の大ヒット。
ギャップバンドの「アーリー・イン・ザ・モーニング(Early In The Morning)」や
マーヴィン・ゲイの「マーシー・マーシー・ミー/アイ・ウォント・ユー
(Mercy Mercy Me (The Ecology)/I Want You」のメドレーなどの
R&Bカバーをヒットさせる一方、
ハードロック的アプローチなども進めるなど、
音楽的にさまざまなスタイルを取り入れ、
初期の彼のファンからは離れられたものの、
90年代にかけて、順調に作品を作り続けていきました。
1996年のザ・パワー・ステーションの再結成時には、
再びボーカリストとして、アルバム、
「リヴィング・イン・フィア(Living In Fear)」に参加し、
この時にはツアーにも参加しました。
日本にはしばしばプロモーションやライブでもおとずれ、
「夜のヒットスタジオ」などのTV番組にも出演してましたね。
ミレニアムの夜には、プライベートで日本に滞在していたそうですね。
2003年にアルバム「ドライブ(Drive)」発表後、
日本を含めた世界各地を回っていた中、
この年の9月、休暇で訪れていたパリのホテルで、
心臓発作に襲われ、突然54歳の生涯を閉じてしまいました。
健康的にも問題ない状態だったと言われていて、
自分の父親も52歳の時に心不全で海外で亡くなっているだけに、
こういった年齢の男性が気づかないストレスで、
突然体の変調をきたすものなんだなと
思わされる、残念な出来事でした。
もし現在もシンガーとして活躍していたら、
もしかしたら、原点回帰で、
ブルースを歌っていたかもしれませんね。
1986年の全米No.1ヒットシリーズ。
次回は、来週5月10日の予定です。
またもや、英国襲撃シリーズ。
ブリティッシュインヴェイジョンの流れから、
独特のシンセサウンドとラップ風ボーカルで、
ダンスフロアにも旋風を巻き起こし、
現在も活躍中のイギリスの2人組のナンバーです。
リップタイド/ロバート・パーマー
¥1,750
Amazon.co.jp
前回、1986年4月19日、26日の2週間No.1だった、
プリンス&ザ・レボリューションの「KISS」に代わり、
1986年5月3日付でNo.1となった曲は、
ロバート・パーマー「恋におぼれて」
デュラン・デュランの話題の時に名前が出たことはありますが、
彼自身はブログ初登場ですね。
イギリス・ウェストヨークシャー出身の、
ブルーアイドソウル色の濃いシンガーソングライター。
R&Bバンドのボーカリストから、70年代にソロデビュー後、
パワフルなソウルファンクボイスとダンディーさで、
大人のロックファンを中心に人気の高かった彼が、
1985年、デュラン・デュランのジョン・テイラー、アンディ・テイラー、
シックのトニー・トンプソンと結成したスペシャルユニット、
ザ・パワー・ステーションの大ヒットで一気に知名度を高め、
1985年末に発表した、8枚目のソロアルバム、
「リップタイド(Riptide)」からのセカンドシングルであるこの曲で、
見事に全米No.1を獲得しました。
パワー・ステーションの流れを組むバンドの
ヘヴィーでファンク色の強いミドルスローのサウンドと、
パワフルでソウルフルなボーカルが印象的なロックナンバーです。
①彼のその後のヒット曲のPVの多くが、このパターンで作られている、
同じ黒のタイトな衣装とヘアスタイルで、無表情にだらだら揺れながら、
エアバンドしている女性たちとのコラボPV。
どの女の子もほとんど楽器の手があまり動いてないですが、
とりわけ、後ろにいるので目立ちませんが、ドラムスのスティックの動きは、
かなりの苦笑ものです。
②実は、彼もまた、この曲で全米No.1を獲得した日付には、
日本にライブツアーで来ていたんです。
この動画は、前日の1986年5月2日の新宿厚生年金ホールでのライブから。
③1995年のパリでのTVショーでのライブステージから。
ヒット当時も十分ダンディーだと思っていたのですが、
40代半ばのこのころは、さらに渋さが増していた感じですね。
☆Robert Palmer "Addicted To Love" from the album "Riptide"
1986年Billboard Hot100 最高位1位(5/3付)
Your lights are on, but you're not home
Your mind is not your own
Your heart sweats, your body shakes
Another kiss is what it takes
You can't sleep, you can't eat
There's no doubt, you're in deep
Your throat is tight, you can't breathe
Another kiss is all you need
>> 家に灯りがついているのに、お前は家にいない
>> 心ここにあらずなんだね
>> ハートはびしょぬれ、体は打ち震え
>> もう一度のキスでどうにかなるのかな
>> 眠ることも、食べることもできず
>> 間違いなく、嵌っている状態だね
>> のどを締め付けられて、息もできない
>> もう一度のキスだけが必要なんだね
Whoa, you like to think that you're immune to the stuff
Oh yeah
It's closer to the truth to say you can't get enough
You know you're gonna have to face it
You're addicted to love
>> ああ、君はそんなことにかまけてるヒマはないって思ってるんだね
>> ホントのところはまだまだ満足してないってところじゃないのかな
>> もっと現実を直視すべきじゃないのかい
>> お前は恋に溺れてるんだから
You see the signs, but you can't read
You're runnin' at a different speed
Your heart beats in double time
Another kiss and you'll be mine, a one track mind
You can't be saved
Oblivion is all you crave
If there's some left for you
You don't mind if you do
>> サインを送ったって、読むことができない
>> お前はいつも違った速さで動いてるんだから
>> 心臓の鼓動は倍の速さで
>> もう一度のキスでお前はオレのもの、あと一息さ
>> もう逃げようがないよ
>> ただ忘れようなんて願ったってね
>> もしいくらかでも忘れられたとしても
>> 結局自分の行動を気にしなくなるだけ
Whoa, you like to think that you're immune to the stuff
Oh yeah
It's closer to the truth to say you can't get enough
You know you're gonna have to face it
You're addicted to love
>> ああ、君はそんなことにかまけてるヒマはないって思ってるんだね
>> ホントのところはまだまだ満足してないってところじゃないのかな
>> もっと現実を直視すべきじゃないのかい
>> お前は恋に溺れてるんだから
Might as well face it, you're addicted to love
Might as well face it, you're addicted to love
Might as well face it, you're addicted to love
Might as well face it, you're addicted to love
Might as well face it, you're addicted to love
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
Your lights are on, but you're not home
Your will is not your own
You're heart sweats, your teeth grind
Another kiss and you'll be mine
>> 家に灯りがついているのに、お前は家にいない
>> 心ここにあらずなんだね
>> ハートはびしょぬれ、歯はガタガタ震え
>> もう一度のキスでお前はオレのもの
Whoa, you like to think that you're immune to the stuff
Oh yeah
It's closer to the truth to say you can't get enough
You know you're gonna have to face it
You're addicted to love
>> ああ、君はそんなことにかまけてるヒマはないって思ってるんだね
>> ホントのところはまだまだ満足してないってところじゃないのかな
>> もっと現実を直視すべきじゃないのかい
>> お前は恋に溺れてるんだから
Might as well face it, you're addicted to love
Might as well face it, you're addicted to love
Might as well face it, you're addicted to love
Might as well face it, you're addicted to love
(repeat)
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
>> 自分に向き合いなよ、もう恋に溺れてるんだから
この曲の大ヒット当時、36歳で、
渋い声といい具合にバランス加減のいい力具合で、
ダンディーでかっこいいと思いながら見ていたのだけど、
今当時のPVを見ると、これでもまだ若いなあと感じてしまいました。
③の動画で40代半ばの彼は、さらにいい老け具合ですよね。
男は40代、50代と年を重ねていくにつれ、
ほんとボクみたいにただのだらしないおっさん(笑)も多い中、
ミュージシャンを続けているベテランシンガーは、
さらに渋さとカッコよさをましていっている人が多いですよね。
最後にもう一度書きますが、
54歳で歩みを止めてしまった彼が、
10年経った今、60代半ばでシンガーを続けていたら、
どんなかっこいいステージを見せてくれていたのかなと思いますね。
それにしても、彼が大きなブレイクを果たした要因の一つが、
このマネキン風女性のエアバンドをバックに従えたPV。
同じ服同じメイクでいながら、
やはり人間が一人ひとり顔や体型が微妙に違うように、
彫の浅さ深さと化粧による陰影とか、
動き一つ一つにも微妙な違いがあって、
でも同じ風なんだとだらだら動いている様が、
滑稽でおもしろいですよね。
トニー・トンプソンの重たいドラムス音を、
PVの彼女はまるで子供が音に合わせてスティック動かしてるだけで、
初めてこのPVを見たときにはかなり爆笑したものでした。
ロバート・パーマーは、
1949年1月19日、イギリス・ウェストヨークシャー生まれ。
米軍のラジオから流れるソウル、ジャズ、ブルースを聴きながら育ち、
学生時代からバンド活動に参加していた彼は、
1969年にR&Bグループ、アラン・ボウン!のボーカリストとして、
デビューを果たします。
70年代前半には、エルキー・ブルックスとのツインボーカルでも知られた
R&Bバンド、ヴィネガー・ジョーで活躍。
このバンド解散後に、バンドの所属していたアイランドレコードと
ソロ契約を結びます。
1974年、ファーストソロアルバム、
「スニーキン・サリー・スルー・ジ・アレー(Sneakin' Sally Through The Alley)」
でデビュー。
ニューオーリンズ録音で、
ミーターズやリトル・フィートのロウウェル・ジョージ、
ザ・フーやTotoなどの活動で知られるサイモン・フィリップスなどが
バックを固めた名盤として知られ、
R&Bファンから高い支持を獲得します。
1978年の4枚目のソロアルバム、
「ダブル・ファン(Double Fun)」からは、
「愛しき人々(Every Kinda People)」が最高位16位のヒット。
1979年の5枚目のソロアルバム、
「シークレット(Secrets)」からは、
「想い出のサマーナイト(Bad Case Of Loving You (Doctor Doctor))」が
最高位14位のスマッシュヒットと、
少しずつ彼の名前も浸透していくのですが、
80年代に入り、音楽的志向がニューウェーブ、
シンセサウンド系に移っていく時代の中で、
彼もまたこういったサウンドを取り込んでいきますが、
ヨーロッパではそこそこ人気を継続していたものの、
アメリカでは、従来のファンが少しずつ離れていきました。
そんな彼のボーカルの大変なファンで、
一緒に活動をしたいと申し込んできたのが、
デュラン・デュランのジョン・テイラー、アンディ・テイラーでした。
ちょうどデュラン・デュランが、
サイモン・ル・ボンらのアーケイディアと、
ジョン・テイラー、アンディ・テイラーとの
二極化をしていく時代で、
ジョンとアンディが、
シックのバーナード・エドワーズをプロデューサーに、
トニー・トンプソンをドラムスに迎えた新バンド、
ザ・パワー・ステーションにロバートをボーカリストとして迎え、
1985年にアルバム「ザ・パワー・ステーション(The Power Station)」を制作。
シングル「サム・ライク・イット・ホット(Some Like It Hot)」、
T-Rexのカバーである「ゲット・イット・オン(Get It On (Bang A Gong))」が
ともにTop10ヒットとなり、
MTVにも彼のボーカルが大きく映し出されたことで、
一般的ロックファンにも彼の名前が浸透することになりました。
ただし、この時彼はレコードのみの契約で、
ライブエイドなどのライブステージには参加せず、
マイケル・デバレスが変わってボーカルをとっていました。
この時点で、彼の代表作となる8枚目のソロアルバム、
「リップタイド(Riptide)」の制作が完了し、
ファーストシングルの「ディシプリン・オブ・ラブ(Discipline Of Love)」は
大きなヒットにはならなかったものの、
セカンドシングルである「恋におぼれて」が、
MTVでのこのPVのヘヴィーローテーションが功を奏し、
見事全米No.1シングルとなります。
このアルバム自体が、ザ・パワー・ステーションの延長上にあるもので、
やはりプロデュースをバーナード・エドワーズが手掛け、
トニー・トンプソンの重たいドラムスが、
ザ・パワー・ステーションと重なるところがありますよね。
この曲に関してはギターもアンディ・テイラーで、
ハードなロック色の強い作りになっていると思います。
アルバムの3枚目のシングル、
「ターン・ユー・オン(I Didn't Mean To Turn You On)」は、
女性R&Bシンガー、シェレルのスマッシュヒットのカバーで、
こちらも最高位2位の大ヒットを記録しています。
この曲のPVも例のエアバンド軍団に加え、
白い衣装のダンサー軍団も加わった強力なものでした。
このアルバムののち、EMIレコードに移籍した彼は、
1989年に9枚目のソロアルバム、
「ヘヴィーノヴァ(Heavy Nova)」を発表。
「この愛にすべてを(Simply Irresistible)」が、
最高位2位の大ヒット。
ギャップバンドの「アーリー・イン・ザ・モーニング(Early In The Morning)」や
マーヴィン・ゲイの「マーシー・マーシー・ミー/アイ・ウォント・ユー
(Mercy Mercy Me (The Ecology)/I Want You」のメドレーなどの
R&Bカバーをヒットさせる一方、
ハードロック的アプローチなども進めるなど、
音楽的にさまざまなスタイルを取り入れ、
初期の彼のファンからは離れられたものの、
90年代にかけて、順調に作品を作り続けていきました。
1996年のザ・パワー・ステーションの再結成時には、
再びボーカリストとして、アルバム、
「リヴィング・イン・フィア(Living In Fear)」に参加し、
この時にはツアーにも参加しました。
日本にはしばしばプロモーションやライブでもおとずれ、
「夜のヒットスタジオ」などのTV番組にも出演してましたね。
ミレニアムの夜には、プライベートで日本に滞在していたそうですね。
2003年にアルバム「ドライブ(Drive)」発表後、
日本を含めた世界各地を回っていた中、
この年の9月、休暇で訪れていたパリのホテルで、
心臓発作に襲われ、突然54歳の生涯を閉じてしまいました。
健康的にも問題ない状態だったと言われていて、
自分の父親も52歳の時に心不全で海外で亡くなっているだけに、
こういった年齢の男性が気づかないストレスで、
突然体の変調をきたすものなんだなと
思わされる、残念な出来事でした。
もし現在もシンガーとして活躍していたら、
もしかしたら、原点回帰で、
ブルースを歌っていたかもしれませんね。
1986年の全米No.1ヒットシリーズ。
次回は、来週5月10日の予定です。
またもや、英国襲撃シリーズ。
ブリティッシュインヴェイジョンの流れから、
独特のシンセサウンドとラップ風ボーカルで、
ダンスフロアにも旋風を巻き起こし、
現在も活躍中のイギリスの2人組のナンバーです。
リップタイド/ロバート・パーマー
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