ここ数週間は、なかなか記事を書く時間がとれなくて、
今回もひきつづき、1986年全米No.1紹介シリーズとなります。
前回、1986年3月22日付でNo.1だった、
ハートの「ジーズ・ドリームス」に代わり、
1986年3月29日付から4月12日付までの3週間No.1となったのが、
ファルコ「ロック・ミー・アマデウス」
オーストリア・ウィーンで生まれたロックシンガーソングライター。
いわゆる、ヒップホップという言葉がまだ世間に知られず、
ラップの認知度もまだまだ低かった時代において、
初めてラップスタイルでの全米No.1をはじめ、
世界的に大ヒットした異色のナンバーです。
また、ドイツ語がメインのナンバーとして、
英語以外の言語では、22年ぶりの全米No.1ヒットでもあります。
①ファルコ自身が、紳士風や、モーツァルト風衣装で歌う
コミカルなPV。
このバージョンがオリジナルに近い、英語を一部交えたドイツ語バージョンです。
②アメリカのラジオでは、サビメインのスクラッチフレーズとコーラス、
それにモーツァルトの略歴語りのラジオエディットバージョンでヒットしました。
③これは自分も見たことがなかったんですが、
ショートフィルム風に作られたバージョンのPVです。
④ファルコがバンドとともに、オーケストラとの共演を果たしたライブステージから。
☆Falco "Rock Me Amadeus" from the album "Falco 3"
1986年Billboard Hot100 最高位1位(3/29~4/12付の3週間)
(Germany w./English)
Ooo rock me Amadeus
Rock me Amadeus...
Rock rock rock rock me Amadeus
Rock me all the time to the top
Er war ein Punker
Und er lebte in der großen Stadt
Es war Wien, war Vienna
Wo er alles tat
Er hatte Schulden denn er trank
Doch ihn liebten alle Frauen
Und jede rief:
Come on and rock me Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
Er war Superstar
Er war populär
Er war so exaltiert
Because er hatte Flair
Er war ein Virtuose
War ein Rockidol
Und alles rief:
Come on and rock me Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
Come on and rock me Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
Es war um 1780
Und es war in Wien
No plastic money anymore
Die Banken gegen ihn
Woher die Schulden kamen
War wohl jedermann bekannt
Er war ein Mann der Frauen
Frauen liebten seinen Punk
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
Come and rock me Amadeus...
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
Ja ja ja
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus...
(English translastion)
Ooo rock me Amadeus
Rock me Amadeus...
Rock rock rock rock me Amadeus
Rock me all the time to the top
>> ねえ、あたしを揺さぶって、アマデウス
>> ロック・ミー・アマデウス
>> もっともっともっと揺さぶってよ、アマデウス
>> ずっとてっぺんまであたしを連れて行って
He was a Punker
And he lived in the big city
It was Vienna, was Vienna
Where he did everything
He had debts, for he drank
But all the women loved him
And each one shouted:
Come on and rock me Amadeus
>> ヤツはならず者
>> 大都市に住んでいた
>> そうそれはウィーン、ウィーンだったのさ
>> ヤツは何でもやったさ
>> 酒のためなら借金だって
>> でも女どもはやつを愛していた
>> 口々に叫ぶんだ
>> ここへきて、あたしを揺さぶってアマデウス
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、ああ、アマデウス
He was Superstar
He was popular
He was so exalted
Because he had flair
He was a virtuose
Was a rock idol
And everyone shouted:
Come on and rock me Amadeus
>> ヤツはスーパースター
>> ヤツは人気者
>> ヤツは有頂天さ
>> だってヤツには才能があったから
>> ヤツは音楽の才人
>> つまりはロックアイドルなのさ
>> だからみんなが叫ぶんだ
>> ここへきて揺さぶってくれよ、アマデウス
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、ああ、アマデウス
Come on and rock me Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
>> ここへきて、あたしを揺さぶって、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、ああ、アマデウス
It was around 1780
And it was in Vienna
No plastic money anymore
The banks against him
From which his debts came
It was common knowledge
He was a women's man
Women loved his punk
>> それは1780年ごろのこと
>> ウィーンでの出来事さ
>> まだクレジットカードもない時代
>> ヤツは銀行と対立したんだ
>> ヤツの借金の出所のことでさ
>> もうわかりきってること(酒)だけどな
>> ヤツは女ったらし
>> でも女たちはヤツのそんな悪さが好きだったんだ
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、ああ、アマデウス
Come and rock me Amadeus...
>> ここへきて、あたしを揺さぶって、アマデウス
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
Yes yes yes
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
>> ベイビー、してよ、揺さぶってよ
...
>> そう、そう・・・
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus...
ドイツ語か、どうしよーかなあ~・・・
と思っていたら、
ちゃんと英語にトランスレートされたものもあったんですよね。
大学での第2外国語はフランス語だったし、
ドイツ語は全く読めないわけではないにしても、
翻訳となるとさっぱりなので、
英訳があって助かりました。
読んでのとおり、この曲はファルコの母国でもある、
オーストリアの大作曲家、
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのことについて、
歌うというか語られている曲なのですが、
ぱっと見、何かモーツァルトのことを茶化しているようにも見えますが、
ある程度はモーツァルト自身のエピソードに基づいたものであるし、
そんな彼のかっこよさも脆さももった人間性の見え隠れする部分に
ファルコ自身が魅かれていることを表現したいんじゃないかと
思わせてくれるのがこの曲なんですよね。
②のUS Radio Mixシングルバージョンで入っている
ナレーション部分に、モーツァルトの略歴が語られています。
(English radio edit version)
1756, Salzburg, January 27, Wolfgang Amadeus Mozart is born
1761, at the age of five Amadeus begins composing
1773, he writes his first piano concerto
1782, Wolfgang Amadeus Mozart marries Constance Weber
1784, Wolfgang Amadeus Mozart becomes a free mason
1791, Mozart composes "The Magic Flute"
On December 5th of that same year, Mozart dies
1985, Austrian rock singer Falco records
Rock Me Amadeus!
>> 1756年、1月27日、ザルツブルグにてヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが生まれる
>> 1761年、わずか5歳で、アマデウスは作曲を始める
>> 1773年、彼は最初のピアノコンチェルトを書く
>> 1782年、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトはコンスタンツェ・ウェバーと結婚する
>> 1784年、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトはフリーメイソンに入会する
>> 1791年、モーツァルトは『魔笛』を作曲する
>> 同年12月5日、モーツァルト死す
>> 1985年、オーストリアのロックシンガー、ファルコがレコーディングする
>> ロック・ミー・アマデウス!
戯曲「アマデウス」は、イギリスの作家、
ピーター・シェーファーによってかかれた戯曲作品で、
1979年にロンドンで初めて舞台上演され、
さらに、1984年には、ミロシュ・フォアマンによって映画化されました。
アカデミー賞では8部門を受賞する大ヒット作です。
ファルコ自身も、この曲を書くきっかけになったのが、
この映画「アマデウス」を見たことによるもので、
モーツァルトの人間性にひかれ、
もし彼が現代に生きていたら、パンクなポップスターで、
当時以上に人を引き付ける存在になっていたんじゃないかと
感じたからということです。
ファルコは、本名ヨハン・ヘルツェル。
1957年2月19日、オーストリア・ウィーンに生まれました。
幼少時にラジオのビートに耳を傾け、
4歳の誕生日に買ってもらったおもちゃのピアノを弾き、
5歳の時にウィーン音楽アカデミーのオーディションでは、
絶対音感を持つと言われる天才ぶりを発揮していました。
しかし、家族が音楽の道に進むことをしぶり、
当初は普通のカトリック学校に通っていたものの、
やがて学校をさぼるようになり、
17歳の時に音楽の勉強のためにウィーン音楽院に入学するも、
ミュージシャンを目指して早々に退学。
当時の東ドイツ、ベルリンでジャズロックバンドで歌っていたころ、
人気のあった、東ドイツのアルペンスキー選手、
ファルコ・ヴァイスフロクが好きで、
彼の名前からアーティスト名をとって、
ファルコと名乗るようになりました。
ウィーンに戻り、いくつかのバンドで活動しながら、
1981年に初めてのソロシングル、
「Ganz Wien」をリリースします。
この曲が、ウィーンの若者の間で話題となり、
メジャー契約を結んだ彼は、
この曲も含まれるファーストソロアルバム、
「デア・コミッサー(Einzelhaft)」をリリースし、
オーストリアではNo.1を記録しました。
ここからシングルカットされた、
「デア・コミッサー(Der Kommissar)」が、
ヨーロッパ中で大ヒットを記録し、
アメリカでもダンスチャートでスマッシュヒットとなっています。
この曲を英語バージョンでカバーしたのが、
イギリスのアフター・ザ・ファイアというバンドで、
「秘密警察(Der Kommissar)」という邦題で、
全米では最高位5位の大ヒットとなり、
日本でもこの曲の大ヒットで、
ファルコともども名前が知られるようになりました。
1984年のセカンドアルバム、
「ユンゲ・ローマー(Junge Roemer)」は、
オーストリアでは大ヒットしたものの、
世界的には大きなヒットにならず、
ファルコ自身も、ややスランプに陥ることになります。
その彼を突き動かしたのが、
映画「アマデウス」からインスピレーションを受けて書かれた、
「ロック・ミー・アマデウス」で、
最初にこの曲に火がついた西ドイツでNo.1を獲得すると、
あっという間にヨーロッパ全土で大ヒットし、
さらにアメリカでもディスコなどで話題となり、
一気に全米No.1を獲得することとなりました。
最近では、木村拓哉が出演していた、
男性化粧品ギャッツビーのCMで、
替え歌でこの曲が使われていましたね。
1985年の3枚目のアルバム、
「ロック・ミー・アマデウス(Falco 3)」からは、
この曲に続く、セカンドシングル、
「ウィーン・コーリング(Vienna Calling)」も
全米最高位18位のヒットを記録しています。
この後もリリースするアルバムは、
オーストリアやドイツでは大ヒットは記録するも、
彼自身が継続して作品のクオリティを保つことに苦悩し、
やがて薬物におぼれていくことになります。
1992年以降、アルバムのリリースがないまま、
彼は家族とともにドミニカ共和国に移住し、
そこで新たな作品をレコーディングし、
リリースを計画していました。
しかし、1998年2月6日、
ドミニカ国内で、車(三菱パジェロと書かれてました)を運転していた彼が、
バスと衝突して重傷を負い、間もなく亡くなってしまいました。
彼が41歳になる少し前の出来事でした。
検死の結果、アルコールとコカインが検出されたということです。
この死の直前のレコーディング作品が、同年としてリリースされ、
さらに未完成の録音作品を含む作品集、
「Verdammt Wir Leben Noch)」が、
翌1999年にリリースされました。
このアルバムタイトルをそのまま、彼の波乱と苦悩に満ちた生涯を描いた、
「ロック・ミー・アマデウス~ファルコ・運命に翻弄されたスーパースター」
というドキュメント作品として、2008年に映画化されています。
言ってみれば、ファルコはまさに現代に生きた、
モーツァルトそのものの人生を送った人だと言えるのでしょう。
ちなみに、英語以外の言語で全米No.1を獲得した曲をさかのぼると、
1963年のベルギーの女性シンガー、シンギング・ナンの、
「ドミニク(Dominique)」がフランス語で歌われて全米No.1。
さらにその前が、坂本九さんの日本語による、
「上を向いて歩こう(Sukiyaki)」となります。
奇しくも、シンギング・ナンは薬物中毒による自殺、
坂本九さんは飛行機事故と、
本当に同じようにつらい形での最期を迎えていますね。
ドイツ語による全米ヒットも、過去にはいくつかあり、
1984年には日本でも大ヒットした、
女性リードシンガーによるロックバンドの全米No.2ヒットがありましたね。
この曲も近いうちに紹介したいと思います。
このあと、英語以外の全米No.1ヒットは、
翌年1987年の8月にスペイン語によるナンバーがありますが、
来年のそのタイミングで紹介することになると思います。
「'86 US No.1」シリーズ、
次回は、4月19日の予定。
1984年の主演映画がらみで2曲の全米No.1ヒットを放った、
天才の新作からのファンキーなナンバーです。
Falco 3: 25th Anniversary Edition: Deluxe/Falco
¥2,787
Amazon.co.jp
今回もひきつづき、1986年全米No.1紹介シリーズとなります。
前回、1986年3月22日付でNo.1だった、
ハートの「ジーズ・ドリームス」に代わり、
1986年3月29日付から4月12日付までの3週間No.1となったのが、
ファルコ「ロック・ミー・アマデウス」
オーストリア・ウィーンで生まれたロックシンガーソングライター。
いわゆる、ヒップホップという言葉がまだ世間に知られず、
ラップの認知度もまだまだ低かった時代において、
初めてラップスタイルでの全米No.1をはじめ、
世界的に大ヒットした異色のナンバーです。
また、ドイツ語がメインのナンバーとして、
英語以外の言語では、22年ぶりの全米No.1ヒットでもあります。
①ファルコ自身が、紳士風や、モーツァルト風衣装で歌う
コミカルなPV。
このバージョンがオリジナルに近い、英語を一部交えたドイツ語バージョンです。
②アメリカのラジオでは、サビメインのスクラッチフレーズとコーラス、
それにモーツァルトの略歴語りのラジオエディットバージョンでヒットしました。
③これは自分も見たことがなかったんですが、
ショートフィルム風に作られたバージョンのPVです。
④ファルコがバンドとともに、オーケストラとの共演を果たしたライブステージから。
☆Falco "Rock Me Amadeus" from the album "Falco 3"
1986年Billboard Hot100 最高位1位(3/29~4/12付の3週間)
(Germany w./English)
Ooo rock me Amadeus
Rock me Amadeus...
Rock rock rock rock me Amadeus
Rock me all the time to the top
Er war ein Punker
Und er lebte in der großen Stadt
Es war Wien, war Vienna
Wo er alles tat
Er hatte Schulden denn er trank
Doch ihn liebten alle Frauen
Und jede rief:
Come on and rock me Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
Er war Superstar
Er war populär
Er war so exaltiert
Because er hatte Flair
Er war ein Virtuose
War ein Rockidol
Und alles rief:
Come on and rock me Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
Come on and rock me Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
Es war um 1780
Und es war in Wien
No plastic money anymore
Die Banken gegen ihn
Woher die Schulden kamen
War wohl jedermann bekannt
Er war ein Mann der Frauen
Frauen liebten seinen Punk
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
Come and rock me Amadeus...
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
Ja ja ja
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus...
(English translastion)
Ooo rock me Amadeus
Rock me Amadeus...
Rock rock rock rock me Amadeus
Rock me all the time to the top
>> ねえ、あたしを揺さぶって、アマデウス
>> ロック・ミー・アマデウス
>> もっともっともっと揺さぶってよ、アマデウス
>> ずっとてっぺんまであたしを連れて行って
He was a Punker
And he lived in the big city
It was Vienna, was Vienna
Where he did everything
He had debts, for he drank
But all the women loved him
And each one shouted:
Come on and rock me Amadeus
>> ヤツはならず者
>> 大都市に住んでいた
>> そうそれはウィーン、ウィーンだったのさ
>> ヤツは何でもやったさ
>> 酒のためなら借金だって
>> でも女どもはやつを愛していた
>> 口々に叫ぶんだ
>> ここへきて、あたしを揺さぶってアマデウス
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、ああ、アマデウス
He was Superstar
He was popular
He was so exalted
Because he had flair
He was a virtuose
Was a rock idol
And everyone shouted:
Come on and rock me Amadeus
>> ヤツはスーパースター
>> ヤツは人気者
>> ヤツは有頂天さ
>> だってヤツには才能があったから
>> ヤツは音楽の才人
>> つまりはロックアイドルなのさ
>> だからみんなが叫ぶんだ
>> ここへきて揺さぶってくれよ、アマデウス
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、ああ、アマデウス
Come on and rock me Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
>> ここへきて、あたしを揺さぶって、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、ああ、アマデウス
It was around 1780
And it was in Vienna
No plastic money anymore
The banks against him
From which his debts came
It was common knowledge
He was a women's man
Women loved his punk
>> それは1780年ごろのこと
>> ウィーンでの出来事さ
>> まだクレジットカードもない時代
>> ヤツは銀行と対立したんだ
>> ヤツの借金の出所のことでさ
>> もうわかりきってること(酒)だけどな
>> ヤツは女ったらし
>> でも女たちはヤツのそんな悪さが好きだったんだ
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、アマデウス
>> アマデウス、アマデウス、ああ、アマデウス
Come and rock me Amadeus...
>> ここへきて、あたしを揺さぶって、アマデウス
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
Yes yes yes
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
Baby baby do it to me rock me
>> ベイビー、してよ、揺さぶってよ
...
>> そう、そう・・・
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, Amadeus
Amadeus Amadeus, oh oh oh Amadeus...
ドイツ語か、どうしよーかなあ~・・・
と思っていたら、
ちゃんと英語にトランスレートされたものもあったんですよね。
大学での第2外国語はフランス語だったし、
ドイツ語は全く読めないわけではないにしても、
翻訳となるとさっぱりなので、
英訳があって助かりました。
読んでのとおり、この曲はファルコの母国でもある、
オーストリアの大作曲家、
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのことについて、
歌うというか語られている曲なのですが、
ぱっと見、何かモーツァルトのことを茶化しているようにも見えますが、
ある程度はモーツァルト自身のエピソードに基づいたものであるし、
そんな彼のかっこよさも脆さももった人間性の見え隠れする部分に
ファルコ自身が魅かれていることを表現したいんじゃないかと
思わせてくれるのがこの曲なんですよね。
②のUS Radio Mixシングルバージョンで入っている
ナレーション部分に、モーツァルトの略歴が語られています。
(English radio edit version)
1756, Salzburg, January 27, Wolfgang Amadeus Mozart is born
1761, at the age of five Amadeus begins composing
1773, he writes his first piano concerto
1782, Wolfgang Amadeus Mozart marries Constance Weber
1784, Wolfgang Amadeus Mozart becomes a free mason
1791, Mozart composes "The Magic Flute"
On December 5th of that same year, Mozart dies
1985, Austrian rock singer Falco records
Rock Me Amadeus!
>> 1756年、1月27日、ザルツブルグにてヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが生まれる
>> 1761年、わずか5歳で、アマデウスは作曲を始める
>> 1773年、彼は最初のピアノコンチェルトを書く
>> 1782年、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトはコンスタンツェ・ウェバーと結婚する
>> 1784年、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトはフリーメイソンに入会する
>> 1791年、モーツァルトは『魔笛』を作曲する
>> 同年12月5日、モーツァルト死す
>> 1985年、オーストリアのロックシンガー、ファルコがレコーディングする
>> ロック・ミー・アマデウス!
戯曲「アマデウス」は、イギリスの作家、
ピーター・シェーファーによってかかれた戯曲作品で、
1979年にロンドンで初めて舞台上演され、
さらに、1984年には、ミロシュ・フォアマンによって映画化されました。
アカデミー賞では8部門を受賞する大ヒット作です。
ファルコ自身も、この曲を書くきっかけになったのが、
この映画「アマデウス」を見たことによるもので、
モーツァルトの人間性にひかれ、
もし彼が現代に生きていたら、パンクなポップスターで、
当時以上に人を引き付ける存在になっていたんじゃないかと
感じたからということです。
ファルコは、本名ヨハン・ヘルツェル。
1957年2月19日、オーストリア・ウィーンに生まれました。
幼少時にラジオのビートに耳を傾け、
4歳の誕生日に買ってもらったおもちゃのピアノを弾き、
5歳の時にウィーン音楽アカデミーのオーディションでは、
絶対音感を持つと言われる天才ぶりを発揮していました。
しかし、家族が音楽の道に進むことをしぶり、
当初は普通のカトリック学校に通っていたものの、
やがて学校をさぼるようになり、
17歳の時に音楽の勉強のためにウィーン音楽院に入学するも、
ミュージシャンを目指して早々に退学。
当時の東ドイツ、ベルリンでジャズロックバンドで歌っていたころ、
人気のあった、東ドイツのアルペンスキー選手、
ファルコ・ヴァイスフロクが好きで、
彼の名前からアーティスト名をとって、
ファルコと名乗るようになりました。
ウィーンに戻り、いくつかのバンドで活動しながら、
1981年に初めてのソロシングル、
「Ganz Wien」をリリースします。
この曲が、ウィーンの若者の間で話題となり、
メジャー契約を結んだ彼は、
この曲も含まれるファーストソロアルバム、
「デア・コミッサー(Einzelhaft)」をリリースし、
オーストリアではNo.1を記録しました。
ここからシングルカットされた、
「デア・コミッサー(Der Kommissar)」が、
ヨーロッパ中で大ヒットを記録し、
アメリカでもダンスチャートでスマッシュヒットとなっています。
この曲を英語バージョンでカバーしたのが、
イギリスのアフター・ザ・ファイアというバンドで、
「秘密警察(Der Kommissar)」という邦題で、
全米では最高位5位の大ヒットとなり、
日本でもこの曲の大ヒットで、
ファルコともども名前が知られるようになりました。
1984年のセカンドアルバム、
「ユンゲ・ローマー(Junge Roemer)」は、
オーストリアでは大ヒットしたものの、
世界的には大きなヒットにならず、
ファルコ自身も、ややスランプに陥ることになります。
その彼を突き動かしたのが、
映画「アマデウス」からインスピレーションを受けて書かれた、
「ロック・ミー・アマデウス」で、
最初にこの曲に火がついた西ドイツでNo.1を獲得すると、
あっという間にヨーロッパ全土で大ヒットし、
さらにアメリカでもディスコなどで話題となり、
一気に全米No.1を獲得することとなりました。
最近では、木村拓哉が出演していた、
男性化粧品ギャッツビーのCMで、
替え歌でこの曲が使われていましたね。
1985年の3枚目のアルバム、
「ロック・ミー・アマデウス(Falco 3)」からは、
この曲に続く、セカンドシングル、
「ウィーン・コーリング(Vienna Calling)」も
全米最高位18位のヒットを記録しています。
この後もリリースするアルバムは、
オーストリアやドイツでは大ヒットは記録するも、
彼自身が継続して作品のクオリティを保つことに苦悩し、
やがて薬物におぼれていくことになります。
1992年以降、アルバムのリリースがないまま、
彼は家族とともにドミニカ共和国に移住し、
そこで新たな作品をレコーディングし、
リリースを計画していました。
しかし、1998年2月6日、
ドミニカ国内で、車(三菱パジェロと書かれてました)を運転していた彼が、
バスと衝突して重傷を負い、間もなく亡くなってしまいました。
彼が41歳になる少し前の出来事でした。
検死の結果、アルコールとコカインが検出されたということです。
この死の直前のレコーディング作品が、同年としてリリースされ、
さらに未完成の録音作品を含む作品集、
「Verdammt Wir Leben Noch)」が、
翌1999年にリリースされました。
このアルバムタイトルをそのまま、彼の波乱と苦悩に満ちた生涯を描いた、
「ロック・ミー・アマデウス~ファルコ・運命に翻弄されたスーパースター」
というドキュメント作品として、2008年に映画化されています。
言ってみれば、ファルコはまさに現代に生きた、
モーツァルトそのものの人生を送った人だと言えるのでしょう。
ちなみに、英語以外の言語で全米No.1を獲得した曲をさかのぼると、
1963年のベルギーの女性シンガー、シンギング・ナンの、
「ドミニク(Dominique)」がフランス語で歌われて全米No.1。
さらにその前が、坂本九さんの日本語による、
「上を向いて歩こう(Sukiyaki)」となります。
奇しくも、シンギング・ナンは薬物中毒による自殺、
坂本九さんは飛行機事故と、
本当に同じようにつらい形での最期を迎えていますね。
ドイツ語による全米ヒットも、過去にはいくつかあり、
1984年には日本でも大ヒットした、
女性リードシンガーによるロックバンドの全米No.2ヒットがありましたね。
この曲も近いうちに紹介したいと思います。
このあと、英語以外の全米No.1ヒットは、
翌年1987年の8月にスペイン語によるナンバーがありますが、
来年のそのタイミングで紹介することになると思います。
「'86 US No.1」シリーズ、
次回は、4月19日の予定。
1984年の主演映画がらみで2曲の全米No.1ヒットを放った、
天才の新作からのファンキーなナンバーです。
Falco 3: 25th Anniversary Edition: Deluxe/Falco
¥2,787
Amazon.co.jp