先週末に、家の墓参りと何人かの友達に会いに
関西方面に出かけるために、
先週中に書き終えたかったのですが間に合わず、

今回の記事と、「'85 US No.1ヒットシリーズ」の
両方とも遅れてしまって申し訳ありません。

今年は早くから真冬並みの寒さで、
「秋キュン」どころか、
「ガチ冬」という感じになってしまいましたが、

それでも、切ないバラードのしみるこの季節に聴きたい曲、
もう少しだけ続けたいと思います。


ブレンダ・ラッセル「ピアノ・イン・ザ・ダーク」


ニューヨーク出身の女性アフロアメリカンシンガーソングライターで、
ソロシンガーとしてだけでなく、
人気アーティストのバックやソングライティングでも活躍している彼女の、
1988年にTop10ヒットを記録した、
別れの予感と彼への想いをせつなく歌い上げたラブバラード。

R&Bグループ、ブルックリン・ドリームのシンガーであった、
ジョー・エスポジトがバックボーカルで共演しています。


①PVその1。
 おそらくこのバージョンが一番よくオンエアされていると思います。
 ボーカルシーンと曲の世界をドラマ風に仕立てまとめた、
 ブルーフィルムの美しい映像です。




②PVその2。
 似たような作りのビデオで、こちらは白黒で雰囲気を醸し出しています。




③1992年、リー・リトナーの提唱で、環境問題を訴える目的で開催された、
 日本武道館での「アースヴォイスコンサート」でのステージから。
 リー・リトナー自身もギターで登場していますが、
 バックボーカルが、マイケル・マクドナルドとジェイムズ・イングラムという豪華さ。



☆Brenda Russell "Piano In The Dark" from the album "Get Here"
 1988年Billboard Hot100 最高位6位


When I find myself watching the time
I never think about all the funny things you said
I feel like it's dead
Where is it leading me now

>> 時計を見つめながら自分の居場所を探しているとき
>> あなたがずっとおかしなこと言ってるとは思ってなかった
>> もう終わってしまったみたいね
>> 私をどこへ連れて行こうっていうの?

I turn around in the still of the room
Knowing this is when I'm gonna make my move
Can't wait any longer
And I'm feeling stronger but oh

>> まだ部屋の中で振り返ってみている
>> わかっているのは自分がここを出ていくときだってこと
>> もうこれ以上待てないわ
>> 私ずいぶんと強くなったでしょ、でもね

Just as I walk through the door
I can feel your emotion
It's pullin' me back
Back to love you

>> ドアに向かって歩いていると
>> ふいにあなたの気配を感じて
>> 私をまた引き戻してしまうの
>> あなたを好きだったころに戻して

I know I'm caught up in the middle
I cry just a little
When I think of letting go
Oh no, gave up on the riddle
I cry just a little
When he plays piano in the dark

>> 何かにとらわれてるんだってわかってるわ
>> ちょっとだけ泣いてしまうの
>> 行ってしまうんだと思うとね
>> ああ、もうどうしていいのかわからないのよ
>> ちょっとだけ涙にくれるの
>> 彼が暗闇でピアノを奏でているとね

He holds me close like a thief of the heart
He plays a melody
Born to tear me all apart
The silence is broken
And no words are spoken but oh

>> 彼は心を盗み取るかのように私を抱き寄せるの
>> 彼が奏でるメロディは
>> 私を泣かせるためだけに生まれたようなもの
>> 静寂は打ち砕かれる
>> 言葉にはならないのだけど

Just as I walk through the door
I can feel your emotion
It's pullin' me back
Back to love you

>> ドアに向かって歩いていると
>> ふいにあなたの気配を感じて
>> 私をまた引き戻してしまうの
>> あなたを好きだったころに戻して

I know I'm caught up in the middle
I cry just a little
When I think of letting go
Oh no, gave up on the riddle
I cry just a little
When he plays piano in the dark

>> 何かにとらわれてるんだってわかってるわ
>> ちょっとだけ泣いてしまうの
>> 行ってしまうんだと思うとね
>> ああ、もうどうしていいのかわからないのよ
>> ちょっとだけ涙にくれるの
>> 彼が暗闇でピアノを奏でているとね

Oh, the silence is broken
And no words are spoken but oh

>> 静寂は打ち砕かれる
>> 言葉にはならないのだけど

Just as I walk through the door
I can feel your emotion
It's pullin' me back
Back to love you

>> ドアに向かって歩いていると
>> ふいにあなたの気配を感じて
>> 私をまた引き戻してしまうの
>> あなたを好きだったころに戻して

I know I'm caught up in the middle
I cry just a little
When I think of letting go
Oh no, gave up on the riddle
I cry just a little
Umm...I cry, I cry...

>> 何かにとらわれてるんだってわかってるわ
>> ちょっとだけ泣いてしまうの
>> 行ってしまうんだと思うとね
>> ああ、もうどうしていいのかわからないのよ
>> ちょっとだけ涙にくれるの
>> ああ・・・泣いて・・・泣いてしまう

I know I'm caught up in the middle
I cry just a little
When I think of letting go
Oh no, gave up on the riddle
I cry just a little
When he plays piano in the dark

>> 何かにとらわれてるんだってわかってるわ
>> ちょっとだけ泣いてしまうの
>> 行ってしまうんだと思うとね
>> ああ、もうどうしていいのかわからないのよ
>> ちょっとだけ涙にくれるの
>> 彼が暗闇でピアノを奏でているとね


歌詞の繊細さと情景が浮かんでくると、
自分のことかのように泣きたくなってしまう、
そんな感情にさせられる曲なんですよね。

ピアノ単独でも美しいサウンドだけど、
シンセキーボードの深い音。
さらに彼女のソウルフルかつジャジーなボーカルも
よりこの曲の感情を深く盛り上げますね。

この80年代後半の時期は、
クワイエットストームなどのしっとりしたR&Bがブームだったし、
この曲も都会的おしゃれなサウンドの響きもある一方で、
彼女のボーカルは、ちょっとハスキーで、
この曲のイメージ以上にエモーショナル。


ブレンダ・ラッセルは、1949年ニューヨーク・ブルックリン生まれの
現在63歳。
両親ともミュージシャンで、幼少時はカナダですごし、
10代のころ、地元のボーカルグループに参加。

70年代に入ると、ミュージカル「ヘアー」のプロダクションに関わり、
ピアノ演奏を始めます。
その当時知り合ったミュージシャン、ブライアン・ラッセルと結婚し、
ブライアン&ブレンダというデュエットを結成。
数枚のアルバムをリリースするも、離婚によりコンビ解消します。

70年代後半よりソロ活動を始めた彼女は、
プロデューサー、トニー・リピューマに認められ、
1979年、彼のレコード会社ホライズンレコードから、
「ソー・グッド・ソー・ライト(So Good, So Right)」でデビュー。
この曲が、Billboard Hot100で最高位30位のスマッシュヒットになります。

ところが、このホライズンレコードが突然廃業状態になり、
元々この会社を所有していた大手A&Mレコードから、
ファーストアルバム「ブレンダ・ラッセル(Brenda Russell)」を
リリースします。

80年代にもう1枚アルバムをリリースして、
ワーナーブラザーズに移籍。
1枚のアルバムを発表した後、活動拠点をスウェーデンに移し、
ソロでのアルバム制作と並行して、
渡辺貞夫のツアーボーカルやアルバムなどにも参加しました。

1988年にA&Mレコードに復帰し、
スウェーデンで制作を続けてきた4枚目のソロアルバム、
「ゲット・ヒア(Get Here)」をリリース。

このアルバムに収録された今回の曲が、
アメリカFM曲のパワープレイ効果もあって、
彼女にとっての最大のヒットとなりました。

日本でもこのしっとりしたサウンドで、
ラジオヒットを記録しています。

このアルバムのタイトル曲である、
「ゲット・ヒア(Get Here)」は、
1991年にティアーズ・フォー・フィアーズとのコラボで知られた
女性R&Bシンガー、オリータ・アダムスがカバーし、
Billboard Hot100で最高位5位の大ヒットを記録しています。

その後、90年代から2000年代にかけて、
4枚のオリジナルアルバムと数枚のコンピレーションをリリースし、
特にアダルトコンテンポラリーチャートでの人気を続けています。

また、ソングライターとして、
ダイアナ・ロスやティナ・ターナー、レジーナ・ベルなどや、
阿川泰子、小比類巻かほるなどの日本人シンガーにも曲を提供しています。


さて、この曲は、ヒップホップのサンプリングねたとしても人気があり、
特に現在、サビの大ネタ使いで、全米大ヒット中の曲が、
フロー・ライダー「想い出のアイ・クライ(I Cry)」




☆Flo Rida "I Cry" from the album "Wild Ones"
 2012年Billboard Hot100 8位上昇中(12/15付現在)

彼の最新アルバム「俺たちワイルド・ワンズ(Wild Ones)」からの
4曲目のシングルカットナンバーで、
ダンサブルな曲調とは裏腹に、
日本での大震災や、ノルウェーでの大量殺人などの事件に対しての
怒りと悲しみをラップ詞にのせているシリアスソングで、
このサビ詞のせつなさ、やるせなさがうまく使われていますね。



「秋冬キュン」シリーズはもう一曲取り上げようかと思っています。
80'sのアメリカの代表的ニューウェーブロックバンドながら、
今まで一度も取り上げてなかった、ボストン出身のバンド。
通常のリードボーカルではないベーシストがリードをとり、
サウンド的にも意表を突かれた形でヒットした、
バラードナンバーです。


あと、「'85 US No.1」ヒットもなるべく早くアップするようにしますね。


Get Here/Brenda Russell

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