いよいよロンドンオリンピックの開会式が、
今夜おそく(日本時間では明日の早朝)行われますね。

一部競技はすでに始まっていて、
なでしこジャパンや男子サッカーは、
ともに初戦を突破し、まずはほっとするところですが、
ぜひとも、多くの日本選手の活躍を見たいですね。

音楽ファンとしては、何と言っても開会式、閉会式の
パフォーマンスが気にかかるところですが、

1996年の世界的大ヒットイギリス映画、
「トレインスポッティング(Trainspotting)」のコンビである、
映画監督のダニー・ボイルが総合の演出を行い、
アンダーワールドが音楽監督を務めるステージ上で、
ポール・マッカートニーら、多くのイギリス人ロックアーティストが、
ステージに登場するだろうことが報道されています。

また、ブログでもその様子などを含めて、
曲の紹介ができればと思っています。



さて、今回は、1985年の全米No.1ヒット紹介シリーズ。
またタイトルが長くなっているため書ききれませんでしたが、
「'85 US No.1 ⑬」です。

ロンドンオリンピックにたまたま合わせてか、
このところ、イギリス人アーティストのNo.1が続いてますが、

前回、1985年7月13日と20日の2週間1位だった、
フィル・コリンズの「ススーディオ」に代わり、
1985年7月27日付でNo.1となった曲は、


ポール・ヤング「エヴリタイム・ユー・ゴー・アウェイ」


ブルーアイドソウルシンガーとして、
80年代大変な人気を誇った彼。

ブログには、昨年の4月に、
彼の初めてのBillboard Hot100チャートイン曲である、
愛の放浪者(Wherever I Lay My Hat(That's My Home)」(2011.4.9)
以来2度目の登場。


1985年に発売された、彼のセカンドアルバム、
「シークレット・オブ・アソシエーション(The Secret Of Association)」
からのファーストシングルで、

1980年のダリル・ホール&ジョン・オーツのアルバム、
「モダン・ヴォイス(Voices)」に収録されていた曲をカバーした、
80年代ボーカルナンバーの名曲です。
彼にとってはアメリカで初のTop10シングルとなるとともに、
初の全米No.1シングルとなりました。


①この曲は2パターンのPVがあるようです。
 こちらはMTVでも頻繁にオンエアされていた、
 ボーカルシーンをメインにしたステージバージョン。




②モノクロ映画風のシーンが織り込まれたセカンドPV。
 こちらはあまりオンエアで見たことなかったですね。




③1985年のライブエイドでのステージから。
 一番のっている時期の彼のステージであり、
 7分以上にわたって、ステージ狭しと動き回り、
 コールアンドレスポンスも含め、最高のヴォーカルを聴かせてくれてます。




④2009年のTVショーから。
 前回紹介した、やはりこの時期の「愛の放浪者」のステージでもそうでしたが、
 口パクで歌われているように思われるというのが少し残念です。



☆Paul Young "Everytime You Go Away"
from the album "The Secret Of Association"
 1985年Billboard Hot100 最高位1位(7/27付)


Hey, if we can solve any problem
Why do we lose so many tears
Oh, so you go again
When the leading man appears

>> ねえ、ボクらがどんな問題でも解決できるものなら
>> どうしてこんなにたくさんの涙を流さなきゃいけないの?
>> ああ、それでも君はまた行こうとするんだね
>> 男の誘いに乗っけられてしまうと

Always the same thing
Can't you see
We've got everything goin' on and on and on?

>> いつも同じことの繰り返し
>> わからないのかい?
>> ボクらは全てを得て、ずっとずっと変わりはしないのに

Every time you go away
You take a piece of me with you
Every time you go away
You take a piece of me with you

>> 君はどこかへ行ってしまうたびに
>> ボクの一部を持って行ってしまう
>> いつだって君はいなくなってしまうたびに
>> ボクの大事なものを奪っていくんだね

Go on and go free, yeah
Maybe you're too close to see
I can feel your body move
It doesn't mean that much to me

>> ずっとそのまま好きにすればいいじゃないか
>> たぶん君はあまりに近すぎてボクを見失っている
>> ボクには君の体が動いているのを感じられるけど
>> 君にはそんなこと大したことじゃないと思ってるんだね

I can't go on sayin' the same thing
Just can't you see
We've got everything, do you even know we know?

>> 同じことを何度も言わせないでくれよ
>> 本当に君はわからないのかい?
>> ボクらは全てを持っているって、君にだってそれはわかってることだろう?

Every time you go away
You take a piece of me with you, oh
Every time you go away
You take a piece of me with you

>> 君はどこかへ行ってしまうたびに
>> ボクの一部を持って行ってしまう
>> いつだって君はいなくなってしまうたびに
>> ボクの大事なものを奪っていくんだね

I can't go on sayin' the same thing
'Cause baby, can't you see
We've got everything goin' on and on and on?

>> 同じことを何度も言わせないでくれよ
>> だってベイビー、君にはわからないのかい?
>> ボクらは全てを持っていて、ずっとずっと変わらないってことを

Every time you go away
You take a piece of me with you
Every time you go away
You take a piece of me with you

>> 君はどこかへ行ってしまうたびに
>> ボクの一部を持って行ってしまう
>> いつだって君はいなくなってしまうたびに
>> ボクの大事なものを奪っていくんだね

Every time you go away
You take a piece of me with you
Every time you go away
You take a piece of me with you

>> 君はどこかへ行ってしまうたびに
>> ボクの一部を持って行ってしまう
>> いつだって君はいなくなってしまうたびに
>> ボクの大事なものを奪っていくんだね

(repeat)


彼がカバーとして取り上げてヒットさせているナンバーは、
せつない男の気持ちをじっくりと聴かせてくれるものが多いですが、

前回の「愛の放浪者」のときにも書きましたが、
自分が曲を書いているものもあるけれど、
それらをヒットさせるというよりも、
ヴォーカリストとして、
より歌詞の伝わる曲を歌って生きたいという気持ちから、

シングルカットされヒットした曲には、
カバーナンバーが多いのです。


最初に書いたとおり、この曲のオリジナルは、
1980年のダリル・ホール&ジョン・オーツのアルバム、
「モダン・ヴォイス(Modern Voice)」に収録された、
アルバムトラックです。

ポールの曲の魅力は、そのヴォーカルはもちろんですが、
そのバックのサウンドの独特のよどみ感、
軽快でクリアなものとは真反対にあるような、
ドロッとして、古さ、くすみも感じられて、
それでいて電子音なども効果的に使われているのが特徴だと思います。

ピノ・パラディーノが弾いているフレットレスベースの、
あのボヨーンとした音や、電子シタールの音など、
すごく特徴的で、ゴスペル的雰囲気を持っていますよね。

ダリル・ホールが、このカバーを聴いて、
見事なアレンジとヴォーカルに感心して、
後にポールのニューヨークでのライブステージに飛び入りしたというのも
うなづける話です。

彼のヒットにより、アルバム曲であったこの曲にスポットがあたり、
ホール&オーツ自身もライブで演奏するようになったのでした。


こちらは、1995年のステージから。




同じブルーアイドソウルシンガーでありながら、
声の魅力もサウンドもずいぶん違う二組による、
同じ曲でこういった聞き比べをしてみるのも
面白いものだと思います。



前回も書いたとおり、
彼は新作の発表は現在しておらず、
TVショー中心の活動を続けているようです。
見た目にもすっかり渋い中年になってましたね。


「'85 US No.1」シリーズ、次回は来週8月3日の予定。
イギリス人アーティスト、グループのNo.1が続いた流れのトリとして、
この流れの最初で登場したグループの2曲連続No.1ヒットとなった、
ヘヴィなシンセサウンドとヴォーカルの印象的なナンバーを紹介します。


そして、ブログのほうは、
前回のブログでも予告したとおり、
アフリカ系イギリス人女性ヴォーカリストを中心としたバンドによる、
都会的ムードにあふれたラブソングを紹介します。



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