今月ラストになると思います今回は、
1985年の全米No.1ヒットを紹介するシリーズです。


前回1985年3月9日付から3週間No.1であった、
REOスピードワゴンの「涙のフィーリング」に代わり、

1985年3月30日と4月6日の2週間No.1であった曲は、


フィル・コリンズ「ワン・モア・ナイト」


前回の登場は、やはり「'84 US No.1」シリーズで取り上げた、
1984年4月21日付で初のソロNo.1となった、
見つめて欲しい~Against All Odds」(2011.4.21)
でしたが、

そこから約1年後、
この1985年に発売となった、フィルの3枚目のソロアルバム、
「フィル・コリンズIII~ノー・ジャケット・リクワイアド(No Jacket Required)」
からのファーストシングルで、

キーボードとドラムマシン、そして間奏の印象的なサックスとともに、
静かに音が流れ、歌が囁かれる、
別れをあきらめきれない男の気持ちを歌ったラブソングです。


①歌のイメージにぴったり合わせた、渋い作りのPV。
 音もそうですが、この雰囲気に浸り切りたい気持ちになります




②アルバム製作を受けて開始した、1985年コンサートツアーからのライブ映像




③2004年のパリ公演からのライブ映像
 この2年前に突発性難聴を患い、このツアーが最後のライブツアーと言われていたもので
 それでもこのステージでは変わらぬボーカルを聴かせてくれていました



☆Phil Collins "One More Night" from the album "No Jacket Required"
 1985年Billboard Hot100 最高位1位(3/30,4/6付の2週間)


One more night, one more night

>> もう一晩、もう一晩だけ

I've been trying ooh so long to let you know
Let you know how I feel
And if I stumble if I fall, just help me back
So I can make you see

>> ボクは君にずっとわかってもらおうとしている
>> ボクがどんな気持ちでいたかを
>> もしボクがつまずいたり落ち込んでいたら、ボクに手をさしのべてほしいんだ
>> そうすればボクは君をずっと見ていられる

Please give me one more night, give me one more night
One more night cos I can't wait forever
Give me just one more night, oh just one more night
Oh one more night cos I can't wait forever

>> お願いだボクにもう一晩くれないか、もう一晩待ってくれないか
>> もう一晩、だってずっと待っているわけにはいかないだろうから
>> ただ一晩だけ待ってほしい、たった一晩でいいんだ
>> ああ一晩だけ、だって永遠に待つなんてできないだろうから

I've been sitting here so long
Wasting time, just staring at the phone
And I was wondering should I call you
Then I thought maybe you're not alone

>> ボクはここでずっと座っている
>> 無駄に時が過ぎ、ただ電話を見つめているだけ
>> そして君に電話すべきか迷っていたんだ
>> 君は一人でいたわけじゃないんだろうって思ってたからね

Please give me one more night, give me just one more night
Oh one more night, cos I can't wait forever
Please give me one more night, ooh just one more night
Oh one more night, cos I can't wait forever
Give me one more night, give me just one more night
Ooh one more night, cos I can't wait forever

>> お願いだボクにもう一晩くれないか、もう一晩だけ待ってくれないか
>> もう一晩、だってずっと待っているわけにはいかないだろうから
>> お願いだもう一晩だけ待ってほしい、たった一晩でいいんだ
>> ああ一晩だけ、だって永遠に待つなんてできないだろうから
>> 一晩だけ待ってほしい、たった一晩でいいんだ
>> ああ一晩だけ、だって永遠に待つなんてできないだろうから

Like a river to the sea
I will always be with you
And if you sail away
I will follow you

>> 海へ注ぎこむ川のように
>> ボクはずっと君とともにいたいんだ
>> そしてもし君が船を漕ぎだしたら
>> ボクは君についていくよ

Give me one more night, give me just one more night
Oh one more night, cos I can't wait forever
I know there'll never be a time you'll ever feel the same
And I know it's only words
But if you change your mind you know that I'll be here
And maybe we both can learn

>> ボクにもう一晩くれないか、もう一晩だけ待ってくれないか
>> ああもう一晩だけ、だってずっと待っているわけにはいかないだろうから
>> 君がずっと同じ気持ちでいてくれるなんてもうないことはわかってる
>> ただのボクの戯言だってこともね
>> でももし君の気が変わるならボクがずっとここにいるってことがわかるはず
>> そしてボクら二人は大切なことを学ぶんだろうね

Give me just one more night, give me just one more night
Ooh one more night, cos I can't wait forever
Give me just one more night, give me just one more night
Ooh one more night, cos I can't wait forever

>> ボクにもう一晩くれないか、もう一晩だけ待ってくれないか
>> ああもう一晩だけ、だってずっと待っているわけにはいかないだろうから
>> ボクにもう一晩くれないか、もう一晩だけ待ってくれないか
>> ああもう一晩だけ、だってずっと待っているわけにはいかないだろうから


このブログではしばしば見かけるというか、
いわゆる男性側の未練グズグズな曲で、

そういえば、前回の「見つめて欲しい」も、
ドラマティックで詞的にも力強さはあるものの、
やっぱり愛した人を忘れられない、戻ってほしいという
タイプの曲でした。

フィルは、これまでで3回結婚をしているのですが、
最初の結婚は、70年代にカナダ人女性のアンドレアで、
息子1人と娘1人をもうけていますが、

ちょうどそのころ、ジェネシスからピーター・ゲイブリエルが脱退し、
自らボーカリストとして、バンドの中心に立たなくてはいけなくなり、
かなりのハードスケジュールで家庭を顧みることができなかったとのこと。

そしてその影響からか、妻の浮気が発覚して、
1980年には離婚してしまいます。

その頃であった2人目の女性、ジルと出会い、
1984年には結婚します。
この夫婦からの1人娘、リリー・コリンズは、
若手女優として人気上昇中で、
今年、またサスペンス系映画の主演にも決まっているようです。

ソロとしてもジェネシスとしても多忙な時に
結婚しているのだから、ある意味幸せ絶頂な時であるにも関わらず、
この曲は、どちらかというと前の奥さんに未練があって、
そのことを歌にしたんじゃないかと思わせるような内容なんですよね。


歌詞のことを考えないで聴くと、
本当の夜の静けさの中で、
心落ち着けて聴きたい曲なのですが、
彼のバラードヒットはたくさんあっても、
こういうタイプの曲って意外とないんですよね。

最初の説明の時に、ドラムマシンと書きましたが、
ジェネシスのドラマーであるフィルは、
この曲ではキーボード演奏とドラムマシンのプログラミングのみで、
彼のドラムの音は聴こえてきません。
だからリズムが軽く浮いて聴こえてくるんですよね。

そんなところにも、この曲が彼の他の曲と、
ちょっと違った雰囲気で作られたんだなと
思わされるのです。


この1985年の彼は、
チャート的にも大活躍をしている年で、

ゲスト参加し、デュエットでのシングル発売となった、
アース・ウィンド&ファイアーのフィリップ・ベイリーとの
「イージー・ラヴァー(Easy Lover)」が、
全米最高位2位になったのを始め、世界中で大ヒットし、

そしてこの年にソロ3枚目のアルバムとして発表された、
「フィル・コリンズIII~ノー・ジャケット・リクワイアド」は、
全米No.1を獲得。

今回の「ワン・モア・ナイト」を始め、
4曲の全米Top10シングルを発表。
ちなみに第2弾シングルもNo.1になっており、
ブログでは7月に登場する予定です。

さらに秋後半には、またもや映画主題歌での、
全米No.1(こちらは女性シンガーとのデュエット)を出しており、
(こちらは11月末にブログ登場予定です)

ライブエイドではイギリス、アメリカ両会場で演奏し、
他のアーティストとの曲作りにもかかわるなど、
本当に多忙を極めていたと思います。

ちなみに、1986年には今度はジェネシスで、
全米No.1も出すんですよね。


本当に80年代(90年代も)働きすぎたとも言える彼なので、
前回の「見つめて欲しい」の紹介の時にも書いたとおり、
昨年3月に音楽界からの引退を発表した彼は、

病気のこともあり、またもう自分の立つ場所はなくなったと感じ、
ほとほと疲れてしまったんだと思います。


先の結婚ですが、
2人目の奥さんとは12年結婚生活ののち、
1996年に多額の慰謝料とともに離婚が成立。

さらに、3人目の奥さんとオリアンヌと1999年に結婚し、
2人の息子たちとスイスへ移住した彼は、
奥さんとは離婚してしまったものの、
この2人の未成年の息子と、一緒に暮らすのが、
引退の理由であり、それが夢だったということでした。


ということで、前回の紹介以降は、
新しいニュースなどは何もなく、
ただ、娘のリリー・コリンズの活躍が伝えられているのみのようです。


さて、ライブエイドの話も出てきましたが、、

次回の「'85 US No.1」シリーズは、
4月13日の予定。

全米のスーパースターたちが一堂に会し・・・
となると、もうあの曲しかないですよね。

この1985年を象徴する一曲でもある、
チャリティーソングが登場します。


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