3月に入りました。

年度の最後の月でもあるし、
あの出来事からまもなく1年たとうとしてます。

今月もいい音楽を紹介しながら、
色んな想い出を語っていけたらと思います。


さっそくですが、
またもや残念なニュースが伝わってきました。


1960年代、イギリスのビートルズに対抗して、
アメリカ版のアイドル的人気を誇った4人組ロックバンド。
ザ・モンキーズ。

中でも1番の人気を誇ったリードシンガーである、
デイビー・ジョーンズ氏が2月29日に、
心臓発作のため、66歳で突然亡くなられました。

オリジナルの活動期間は60年代中ごろからの数年ながら、
その後も何度か再結成し、ツアーなどにも参加。
昨年もコンサートを行っていて、
最近はソロでのコンサートを行っている最中だったそうで、
全く元気で突然のことだったということでした。


ありきたりではありますが、
やはりモンキーズというとこの曲になるんでしょうね。


ザ・モンキーズ「デイドリーム・ビリーバー」

1968年に発売された5枚目のオリジナルアルバム、
「小鳥と蜂とモンキーズ(The Birds, The Bees & The Monkees)」からの
先行シングルとして、前年1967年暮れに発売され、
彼らにとって3曲目の全米No.1シングルに輝いた、
人気絶頂期の彼ららしい、明るくポップな大ヒットナンバーです。

日本でも活動時のテレビシリーズでの人気以上に、
80年代に入ってからのリバイバルヒットで知られていますね。


①テレビシリーズ用に撮られたいわゆる当時のPVということになりますね。
 当時のビートルズ同様というか、それ以上にアイドルチックなビデオですね。




②デビューとほぼ同時期にスタートしたテレビシリーズ、
 「ザ・モンキーズ・ショー」
 かなりのドタバタコメディで日本でも人気が高く、
 何度も再放送されてします。
 ラスト前で①のビデオの後に流れるエンドロールでの、
 「ザ・モンキーズのテーマ((Theme From)The Monkees)」も
 ちょっとビートルズパクリ的な感じで、すっかり耳馴染みのナンバーでした。




③昨年のライブツアーからの映像。
 マイク・ネスミス以外の3人によるツアーで、
 3人とも60代ですが、変わらず元気にツアーをやっていたようでした。
 ただ、このツアー、途中でメンバー間の問題で中断してしまってたんですね。
 再びやり直すことができなくなってしまったのは本当に残念です。



☆The Monkees "Daydream Believer"
 from the album "The Birds, The Bees & The Monkees"
 1967年Billboard Hot100 最高位1位(12/2-23付の4週間)


Oh, I could hide 'neath the wings
Of the bluebird as she sings
The six o'clock alarm would never ring
But it rings and I rise
Wipe the sleep out of my eyes
My shavin' razor's cold and it stings

>> ああ、翼の下にでも隠れられたらいいのにな
>> あそこでさえずってる青い鳥の羽の下でさ
>> 6時のアラームなんて鳴らなきゃいいのに
>> でも鳴っちゃうから仕方なく起きて
>> 眠たい眼をこするのさ
>> ヒゲそりの剃刀はひやっとしてちくちくするよ

Cheer up, Sleepy Jean
Oh, what can it mean
To a daydream believer
And a homecoming queen

>> さあ起きろよ、ねぼけたジーン
>> ああ、何のことかわかってるかい
>> 夢見心地の自分と
>> ぼくらのクイーンには

You once thought of me
As a white knight on a steed
Now you know how happy I can be
Oh, and our good times start and end
Without dollar one to spend
But how much, baby, do we really need

>> 君はずっとボクのこと
>> 白馬の騎士だと思ってたんだね
>> 君にはボクがどんなに幸せになれるかわかるだろ?
>> さあ、ボクらの素敵な時間が始まって終わるのさ
>> 使えるお金は1ドルだってないけどさ
>> でもちょっとくらいは、ベイビー、そんなお金も必要だよね

Cheer up, Sleepy Jean
Oh, what can it mean
To a daydream believer
And a homecoming queen

>> さあ起きろよ、ねぼけたジーン
>> ああ、何のことかわかってるかい
>> 夢見心地の自分と
>> ぼくらのクイーンには

Cheer up, Sleepy Jean
Oh, what can it mean
To a daydream believer
And a homecoming queen

>> さあ元気出せよ、起きぬけジーン
>> ああ、何を言いたいかわかるだろう
>> ボクみたいなデイドリームビリーバーと
>> ホームカミングクイーンには

Cheer up, Sleepy Jean
Oh, what can it mean
To a daydream believer
And a homecoming queen
(repeat)


1967年のヒットで、自分は5歳だったこともあり、
聴いてはいるかもしれないけど、
リアルタイムでは覚えていなかったのですが、

なんとなくその後も再放送されたりしていたからでしょうか、
モンキーズというグループは、
ある意味、ビートルズよりも先に自分の耳に入っていたような
記憶のあるグループです。


モンキーズは、当時大変な人気であったイギリスのビートルズに対抗すべく、
映画「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」のような
スターの活躍するものをアメリカでも作ろうと、

アメリカ人のマイク・ネスミス、ミッキー・ドレンツ、ピーター・トークと、
イギリス人のデイビー・ジョーンズがオーディションで選ばれて、
1966年に結成されたグループでした。

1966年にデビュー曲「恋の終列車(Last Train To Clarksville)」を発売。
同時に売れないロックバンドのドタバタツアー生活を描いた、
「ザ・モンキーズ・ショー(The Monkees Show)」のTVシリーズがスタート。
このTVシリーズは、日本でも大橋巨泉氏のナレーションとともに、
放送され人気を得ていました。

このメディアミックス戦略があたり、
いきなりこのデビュー曲が全米No.1となり、
アルバム「恋の終列車(The Monkees)」も500万枚の大ヒットとなりました。

1966年の暮れから翌年にかけて、
ニール・ダイアモンドが作ったナンバー、
「アイム・ア・ビリーバー(I'm A Believer)」が、
全米7週連続1位、イギリスでも1位を獲得する、
彼らにとっての最大のヒットとなりました。

ただ、当時の彼らは、テレビシリーズの撮影と、
次々と入るレコーディングで一杯いっぱいの状態でした。

また当時、元々カントリー系シンガーであった、
マイク・ネスミス以外、楽器を弾くことができず、
音楽的にもアイドル的に低く見られてもいたようでしたが、

徐々に彼らの書くナンバーが作品として採用され、
音楽的にも充実した作品となってきたのが、
1968年の5枚目のアルバム、「小鳥と蜂とモンキーズ」でした。
その前年の暮れにヒットしたのが、
このアルバムにも収録されている、「デイドリーム・ビリーバー」で、
初期リリース時の邦題は、「デイドリーム」のみでした。

作曲者はキングストン・トリオのメンバーだった、
ジョン・スチュワートで、
もともとカントリー系の作品だったつながりもあり、
1979年には、アン・マレーがカバーヒット(最高位12位)させています。

日本でも、おそらく当時も人気が高かったのだと思いますが、
とりわけこの曲は、その後80年代に入り、
カメラフィルムのCMソングで使われたことでリバイバルヒットとなり、
1981年のオリコンシングルチャートでも、
29位にランクされている再ヒットとなっているのです。

当時はこの曲のリバイバルヒットに合わせ、
「ザ・モンキーズ・ショー」が再放送されたり、
メンバーが来日を果たすなど、モンキーズブームが再燃し、
40代以上くらいの人は、それで覚えている人も多いのだと思います。

さらに、この曲の人気を決定付けた日本語カバーが、

忌野清志郎さんがタイマーズとして活動していた時にカバーされた
バージョンです。


④ちゃんとTVの音楽番組にも、このカッコで出てたんですよね^^;;




⑤矢野顕子さんとのコラボコンサートでのライブから。




タイマーズというと、2大洋楽カバーヒット、
もうひとつが、あの反原発を歌って、放送禁止などの話題にもなった、
ザ・フーの「サマータイム・ブルース(Summertime Blues)」。
(オリジナルはエディ・コクランですが、
タイマーズのはザ・フーバージョンのカバーでしたね)

こちらの「デイドリーム・ビリーバー」は、
当時カップラーメンのCMソングとしてリリースされ大ヒット。
その後も、何度かCMで使われることがあり、
長いこと親しまれているバージョンですね。

洋楽の日本語カバーはなかなかいいものが少なくて、
先日もワム!の「ケアレス・ウィスパー」のカバーで
文句を行ったところでしたが、

こういった思い切りがよくて、素敵なカバーもあるんですよね。
清志郎さんを思い出すとき、「デイドリーム・ビリーバー」は、
その中の1曲にしっかりと刻まれていると思います。


TVシリーズで人気を誇った彼らも、徐々にその人気に陰りが見え、
1968年には、ピーター・トークが脱退。
1969年にはマイク・ネスミスがカントリーの活動に戻るため脱退し、
残ったデイビーとミッキーの2人でツアーを続けるも、
1970年には解散します。


その後、1970年代中ごろにデイビーとミッキーの2人に、
別のメンバーを加えたニュー・モンキーズが一時的に活動。

さらに、80年代初めには日本でのリバイバルブームを受けて、
来日したデイビーが日本でレコーディング。
この中には湯川れい子さん作詞の作品もあり、
再びモンキーズは脚光を浴びることとなります。

この時期の活動がきっかけになったのか、
アメリカで1986年の「ザ・モンキーズ・ショー」再放送に合わせ、
新作を含めたベストアルバムをリリース。

このベストアルバム収録の新曲、
「君がいて僕がいる(That Was Then, This Is Now)」が、
ミッキーとピーターの2人での名義での作品でしたが、
16年ぶりにヒットチャートにカムバックする作品となりました。

1996年には、再結成の中で唯一マイクも参加し、
4人全員でのオリジナルアルバムをリリースしています。

昨年まで何回となく、マイク以外の3人でツアーも行い、
一昨年には日本にも来日していました。

昨年もツアーを行っていましたが、
メンバー間の問題があって、ツアーが途中キャンセル。
その埋め合わせを行うこともかなわなくなってしまいました。


モンキーズは決してうまいグループではないけれど、
ニール・ダイアモンドやキャロル・キングの書いたいいナンバーに恵まれ、
わかりやすく長く親しめるナンバーが多いと思います。

この曲もデイビーと清志郎という2人の偉大なポップシンガーとともに、
思いだされる曲だと思います。


デイビー・ジョーンズさんのご冥福をお祈りいたします。


小鳥と蜂とモンキーズ/モンキーズ

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