ボクが「全米トップ40」を初めて聴いた、1982年の11月から、
早くも29年の月日が経ちました。

来年は30周年記念なんてやらないといけないですね(笑)


やっぱり、この1982年から1983年にかけてのヒット曲というのは、
とりわけ思い入れが深いですし、
その頃の音楽事情も色々と思い出すことが多いのですね。


先日、「全米トップ40 The 80's」で、
1983年の11月のヒット曲を紹介していた時に、
この前年、解散したスーパーグループの女性ボーカルのヒット曲が、
チャートに入っていて流れていました。

ちょうど、1982年という年は、
イーグルスなど70年代に一世を風靡したバンドやグループが、
活動休止や解散を発表したケースが多かったのですが、

この女性のいたグループ…、


この女性とは、アグネッタ・フォルツコグという、
スウェーデン人の女性シンガーで、


洋楽の好きな人なら、まず間違いなく知っているであろう、
ABBAの女性ボーカリストの一人でした。

実は、この1983年のもう少し早い時期には、ひと足先に、
もう一人のABBAの女性ボーカリスト、
アンニ・フリード・リングスタッド、通称フリーダが、
ソロでのTop40ヒットを放っています。


そこで、ABBAのメンバーが放った、
これらのソロヒットをここで紹介してみようと思います。


…が、少しその前に。

実は、このアグネッタやフリーダが、
ソロヒットを発表するよりももっとずっと前、

つまり、ABBA結成前に、
残るふたりのメンバーがデュオとして、
この深まる秋にぴったりなナンバーを歌って、
日本で大ヒットさせています。


ビヨルンとベニー「木枯らしの少女」


ABBAとしては、主にソングライター、バックミュージシャン、
プロデューサーという立場である二人の男性、

ビヨルン・ウルヴァースとベニー・アンダーソンの二人が、
ABBA結成前の1970年、本国スウェーデンを始めとする、
ヨーロッパ各国でこの曲をリリースし、
後に、日本でシングル曲としてリリースしたところ、
当時のオリコンのシングルチャートでも、
Top10入りし、50万枚を売り上げる、
洋楽大ヒットとなったのです。


わかりやすく、センチメンタルなムードをもった、
秋にぴったりのフォークナンバーです。




☆Bjorn & Benny "She's My Kind Of Girl"
 from the ABBA's album "Ring Ring"


Look at her face, it's a wonderful face
And it means something special to me
Look at the way that she smiles when she sees me
How lucky can one fellow be

>> 彼女の顔をみてごらん、あの素敵な顔を
>> ボクにとってとても素敵な何かを意味してるんだ
>> 彼女がボクを見つめている時の彼女の微笑み方を見てごらん
>> なんて誰かをラッキーにしてくれる笑顔だろう

She's just my kind of girl, she makes me feel fine
Who could ever believe that she could be mine
She's just my kind of girl, without her I'm blue
And if she ever leaves me what could I do, what could I do

>> 彼女はボクのお気に入り、ボクを素敵な気分にしてくれる
>> 彼女がボクのものだって誰が信じるだろうね
>> 彼女はボクのお気に入り、彼女がいなけりゃボクは憂鬱さ
>> だからもし彼女がボクの傍から離れてしまったら、どうすりゃいい、何ができるというの?

And when we go for a walk in the park
Then she holds me and squeezes my hand
We'll go on walking for hours and talking
About all the things that we plan

>> ボクらが公演に散歩に出かけるとね
>> 彼女はボクの手をとって、抱きしめてくれるんだ
>> ボクらは1時間もの間散歩して、おしゃべりしながら
>> ボクらがこれからどうやって過ごそうかなんて考える

She's just my kind of girl, she makes me feel fine
Who could ever believe that she would be mine
She's just my kind of girl, without her I'm blue
And if she ever leaves me what could I do, what could I do

>> 彼女はボクのお気に入り、ボクを素敵な気分にしてくれる
>> 彼女がボクのものだって誰が信じるだろうね
>> 彼女はボクのお気に入り、彼女がいなけりゃボクは憂鬱さ
>> だからもし彼女がボクの傍から離れてしまったら、どうすりゃいい、何ができるというの?

She's just my kind of girl, she makes me feel fine
Who could ever believe that she would be mine
She's just my kind of girl, without her I'm blue
And if she ever leaves me what could I do...

>> 彼女はボクのお気に入り、ボクを素敵な気分にしてくれる
>> 彼女がボクのものだって誰が信じるだろうね
>> 彼女はボクのお気に入り、彼女がいなけりゃボクは憂鬱さ
>> だからもし彼女がボクの傍から離れてしまったら、何ができるというの?


訳詞を見ての通り、木枯らしとは何の関係もない曲なのですが、
曲調が秋の枯葉のシーズンにぴったりな雰囲気を持っていることで、
こんな邦題がついたのでしょうね。


1970年というのは、ボクは8歳で、
大阪に住んでいて、万国博覧会を見に行った年でした。

そして、おぼろげながら、
いくつかの歌謡曲のヒット曲があったことを、
思い出せる年なのです。

当然、こんなころに、洋楽だなんて意識は全くないし、
それどころか、外国語というものすらわからなかった時代で、

この曲は、きっとどこかで聴いているはずなのだけど、
もちろん、覚えているはずもありません。


でも、20歳を過ぎて、この曲と出会い、
彼らにこんな時代があり、こんな曲があったことを思わせます。


日本でこれだけヒットしたのには、
やはり日本人好みというか、
当時流行していたフォークとポップスを融合した形をとっていて、
親しみやすく、日本人の琴線にふれるセンチメンタルさが、
共感を呼んだからだと思います。

そして、長く歌謡曲に親しんでいる自分には、
なんとなく、この曲に似ている曲や、
インスピレーションを受けた曲というのが、
いくつもあるように思えます。

「順子」とか・・・

あと、メロディは全然違うけど、
この曲の雰囲気を持ってたなあと個人的に思う曲は、





南沙織の「色づく街」。
これも、秋を思わせるセンチメンタルな曲。

当時まだ若かった彼女が歌うのもよかったけど、
少し年を取ってから大人の女性として歌ったものは、
さらにいいと思うんですよ。


ビヨルンは、1945年スウェーデンのイェーテボリ生まれ、
ベニーは、1946年スウェーデンのストックホルム生まれ。

共に大学で音楽を学んでいる時に二人が出会い、
共に作詞作曲を始めて、
60年代後半にはソロでデビューを果たします。

その頃に、アグネッタとフリーダと出会い、
彼女たちをコーラスとして、彼らのヒット曲を、
テレビで歌うことになるのが、
ABBA結成のきっかけでした。

この「木枯らしの少女」も、
コーラスには、アグネッタとフリーダが参加していて、
ビヨルンとベニーのソロ名義でのヒットながら、
実質的にはABBAの曲とも言えるのです。

したがって、改めてこの曲をアルバム収録するに当たっては、
1972年に発売された、ABBAとしてのファーストアルバム、
「リング・リング(Ring Ring)」に、
収められることになったのです。


ABBAが解散した1982年以降、
ビヨルンとベニーは、音楽プロデューサーとして、
とりわけ映画やミュージカルの音楽で活躍をしていくのですが、

その彼らが関わった中でも、
アメリカを始め、世界中でヒットとなった、
異色のナンバーがこの曲でした。


マリー・ヘッド「ワン・ナイト・イン・バンコック」


イギリスのミュージカルスターである、マリー・ヘッドが、
このビヨルンとベニー、そして詞を担当した、ティム・ライスの
ペンによって書かれたミュージカルコンセプトアルバム、
「チェス(Chess)」の中の一曲として、
ラップ調で披露したダンスナンバーが、
全米Top3入りするヒットとなりました。



☆Murray Head "One Night In Bangkok"
 from the musical soundtrack album "Chess"
1985年Billboard Hot100 最高位3位


近年は、ABBAの音楽を使ってミュージカルおよび映画として、
大ヒットさせた「マンマ・ミーア(Mamma Mia)」でも、
音楽監督して手腕を発揮しています。


というわけで、次回は女性ボーカリストである二人、
フリーダとアグネッタのソロヒットナンバーを紹介したいと思います。


気温が下がって木枯らしが吹きそうな今週、
その木枯らしに乗って(?)、西の方にちょっと旅をしてきます。

彼女たちの曲の紹介をその後ということで。


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