もうお盆休みは終わってしまった方も、
まだまだ今週末までお休みという方も、
まったく関係ない方も・・・(;^_^A

8月も後半に入り、
引き続き厳しい暑さの日が続いているものの、
そろそろ北のほうから涼しい便りも届いてきています。

関東も今週末の天気しだいで、
少しは涼しくなっていくのでしょうか?


さて、今から30年前の1981年。

自分はまだ二十歳前の大学1年生で、
なんとなく、高校生までの夏休みと違った感覚を抱きながら、
バイトにせいを出していた記憶があるのですが、

ちょうど、そんな夏の時期に、
よく街で、ラジオで流れていた、思い出の曲です。


クインシー・ジョーンズ「愛のコリーダ」


マイケル・ジャクソンの「スリラー」や、
「ウィ・アー・ザ・ワールド」など、
数多くの大ヒット作品を世に送り出している、
スーパープロデューサーである彼。

彼名義でリリースされている作品も数多くあるのですが、
この曲は、その代表的な一曲。


あの大島渚監督の日仏合作による官能映画、
「愛のコリーダ」にインスパイアされてできたといわれる、
その詞のセクシーさとキャッチーなダンスサウンドで、
この1981年当時、ディスコを中心に、
ラジオでも大ヒットを記録しました。


①PVというわけではないのだと思うのですが、
 クインシーのドキュメンタリー映像が使われている、
 ショートバージョンのビデオ。




②6分超のフルバージョン。(音声のみ)




③豪華クインシー・ジョーンズファミリーが来日しての、
 1981年武道館公演のライブ映像。
 (メンバーについては後述)



☆Quincy Jones "Ai No Corrida" from the album "The Dude"
 1981年Billboard Hot100 最高位28位


I hold you, I touch you
In a maze can't find my way
I think you, I drink you
I'm being served you on a tray
You see girl
That's what I go through every day
Is this the way it should feel?

>> 君を抱きしめる、君に触れる
>> 迷路の中行く先を見失う
>> 君を想う、君を飲み込む
>> 君を盆の上で遊ばせる
>> わかるよね
>> ボクが毎日してることなんてこんなもの
>> どう感じればいいと思うかい?

Pinch me, I'm dreaming
But if it is don't let me know
I'm drowning, don't save me
It's just the way I'd like to go
You see girl
You thrill me, half kill me
That's what you do...

>> ボクをつねって、まだ夢見てるみたい
>> でもこれでボクがまだわからないようならば
>> もう溺れちゃってる、救いようないね
>> ボクはもうそうしたいだけなんだ
>> わかるだろ
>> ゾクゾクさせてくれ、いかせてくれよ
>> それが君のすることなのさ

Ai no corrida, that's where I am
You send me there
You dream is my command
Ai no corrida, I find myself
No other thought
Just you and nothing else
You and nothing else

>> 愛のコリーダ、そこがボクの居場所
>> 君が運んでくれたのさ
>> 君の夢はボクの思うままになること
>> 愛のコリーダ、自分自身を見つけた
>> ほかの誰でもないのさ
>> ただ君だけ、ほかには誰も
>> 君ただ一人なんだ

Before my heart saw you
Each day was just another day
Night, the lonely interlude
Just came, then blew away
You know girl
Everything was come what may
Until you fell in my life

>> ボクのハートが君を捉えるまでは
>> 毎日がただ平凡な日々だった
>> 夜中じゅう、孤独が支配していた
>> それが突然来て、一気に打ちのめされたんだ
>> わかるだろ
>> どんなことが起きようとも
>> 君がボクの人生に入り込むまではね

This spell I'm under
Has caught me, I'm in a daze
Your lightning and thunder
Sets my poor heart ablaze
You see girl
You thrill me, half kill me
That's what you do

>> ボクをとらえたこの呪文は
>> ボクを包み込み、うっとりさせた
>> 君の雷光と稲妻は
>> ボクの弱った心を奮わせてくれる
>> わかるだろ
>> ゾクゾクさせてくれ、いかせてくれよ
>> それが君のすることなのさ

Ai no corrida, that's where I am
You send me there
You dream is my command
Ai no corrida, I find myself
No other thought
Just you and nothing else
You and nothing else

>> 愛のコリーダ、そこがボクの居場所
>> 君が運んでくれたのさ
>> 君の夢はボクの思うままになること
>> 愛のコリーダ、自分自身を見つけた
>> ほかの誰でもないのさ
>> ただ君だけ、ほかには誰も
>> 君ただ一人なんだ

Ai no corrida, that's where I am
You send me there
You dream is my command
Ai no corrida, I find myself
No other thought
Just you and nothing else
You and nothing else

>> 愛のコリーダ、そこがボクの居場所
>> 君が運んでくれたのさ
>> 君の夢はボクの思うままになること
>> 愛のコリーダ、自分自身を見つけた
>> ほかの誰でもないのさ
>> ただ君だけ、ほかには誰も
>> 君ただ一人なんだ

Ai no corrida, that's where I am
You send me there
You dream is my command
Ai no corrida, I find myself
No other thought
Just you and nothing else
You and nothing else

>> 愛のコリーダ、そこがボクの居場所
>> 君が運んでくれたのさ
>> 君の夢はボクの思うままになること
>> 愛のコリーダ、自分自身を見つけた
>> ほかの誰でもないのさ
>> ただ君だけ、ほかには誰も
>> 君ただ一人なんだ


30年前、1981年の夏の思い出というのは、

ちょうど大学1年で、
最初は教材販売のアンケート取り&営業的なことを
指定された地域のお宅訪問でやってたんですよ。

およそ大学1年でやるようなバイトじゃなかったけど。

しかも、暑い中、ノルマもあったりして、
なかなか事務所に帰りつけなかったりして、
つらいだけのバイトでしたね。

そのあと、某喫茶店のキッチンのバイトも。

家ではそれなりに料理もしてたけど、
いきなり結構いろいろな料理を作らされたり、
仕込みもあったりして、
これもきつかったなあ。

フロアは冷房効いてても、キッチンは地獄の暑さだったし。


そんな喫茶店で流れている有線放送の、
ヘビーローテーションだったのがこの曲だったんです。

当然、家に帰ってラジオつけても流れてくるし。


ボクにとっては、暑い、キツイ思い出ばかりでしたが、
今となってはね・・・。


この「愛のコリーダ」は、
大島渚監督が、1976年に日仏合作映画として発表した、
いわゆる阿部定事件を題材に、
モロの濡れ場も写したことで、当時かなりの波紋を呼んだ
藤竜也、松田英子主演の官能映画、
「愛のコリーダ(L'Empire des sens)」から
取られたタイトルです。

実際には、映画とは何の関係もない曲なのだけど、
映画そのものが海外で高評価を受けていたこともあって、
曲そのものには、そういった官能的な部分が、
含まれているようにも思えます。

実は、この曲のオリジナルは、その少し前にリリースされていた、
チャズ・ジャンケルのソロ作品をカバーしたものでした。




イアン・デューリー&ブロックヘッズのギタリスト、キーボーディストで、
バンドのサウンドのダンサブルな一面を担っていたチャズが、
ソロ作品としてリリースしたこの作品は、よりディスコチックなサウンドで、

彼がこの作品のタイトルを「Ai No Corrida」と、
英語、フランス語タイトルでなく、日本語のタイトルでつけたのも、
そういった官能的なイメージを求めてのことだったのかもしれません。

クインシーの場合は、よりジャズ、フュージョン的に洗練させたサウンドで、
広くポップマーケット向きにしていった作品なのですよね。


ところで、よく、メインでクレジットされているアーティストが、
歌を歌っているものと勘違いされるケースも多々あると思うのですが、

もちろん、コンダクターでプロデューサーであるクインシーが、
この曲を歌っているわけではありません。
(楽器演奏も全くしていません)

この曲のレコーディングのクレジット上は、
ボーカルは、"Dune"/Charles Mayとなっています。

しかし、この"Dune"/Charles Mayなるクレジットが何者かは、
ちょっとネットでも見たのですが、よくわかりません。

この曲が収録されているクインシーの1981年のアルバム、
「愛のコリーダ(The Dude)」収録曲の多くのボーカルをとっているのは、
③のライブでも登場している、ジェイムズ・イングラムとパティ・オースチン。
あの全米No.1「あまねく愛で(Baby Come To Me)」のコンビです。

他に、レコーディングでは、
Totoのスティーブ・ルカサーがギターで、
ハービー・ハンコックやスティーヴィー・ワンダーがキーボードで、
バックコーラスにはマイケル・ジャクソンも参加するなど、
豪華なメンバーで作られたアルバムです。

③の武道館ライブで登場している主な演奏者たちは、

ギター:カルロス・リオス
ハーモニカ、ギター:トゥーツ・シールマンス
ベース:ルイス・ジョンソン
ドラムス:ジョン・ロビンソン
キーボード:ロッド・テンパートン、グレッグ・フィリンゲインズ
パーカッション:オリー・ブラウン
ブラス:ジェリー・ヘイ他
コーラス:ペギー・ジョーンズ(当時の奥さん)他

もう、これだけのメンバーの中だから、
実際に武道館に行けたわけではないけど、
きっと楽しいステージだったでしょうね。

このアルバムからは、ジェイムズ・イングラムのボーカルナンバー、
「ジャスト・ワンス(Just Once)」と
「ワンハンドレッド・ウェイズ(One Hundred Ways)」が、
この「愛のコリーダ」以上のシングルヒットになってます。


クインシーは、1933年シカゴ生まれで、現在78歳。

少年時代にレイ・チャールズと知り合って、バンド活動を始め、
バークリー音楽大学卒業後に、カウント・ベイシーや、
ライオネル・ハンプトンなどのバンド活動や、
サウンドアレンジを行って注目されます。

1950年代後半から自らのジャズバンドの活動を始めるほか、
マーキュリーレコードのニューヨーク支社の副支社長として、
映画音楽にも携わり、「ルーツ(The Roots)」のサントラで
大成功を収めます。

1960年代から本格的に音楽プロデューサーとしての活動をはじめ、
レスリー・ゴーアの「涙のバースデイ・パーティー(It's My Party)」を
全米No.1にするなど、多くのアーティストの作品プロデュースを
手がけ始めます。

このアルバム「愛のコリーダ」は、自身のレーベル、
Qwestでの最初の作品で、このアルバムの成功に続き、
マイケル・ジャクソンの「スリラー(Thriller)」を、
世界的大ヒットに導き、この共演をきっかけに実現した、
「ウィ・アー・ザ・ワールド(We Are The World)」の
製作総指揮を担当したことで、
80年代を代表するポップミュージックのプロデューサーとして、
名を残すことになったのです。

クインシー・ジョーンズ名義でのシングルヒットは、
「愛のコリーダ」や「ジャスト・ワンス」以降、
1990年の、レイ・チャールズとチャカ・カーンが参加した、
「アイル・ビー・グッド・トゥ・ユー(I'll Be Good To You)」、
同年、ジェイムズ・イングラム、アル・Bシュア、エル・デバージ、
バリー・ホワイトの参加した官能的バラード、
「シークレット・ガーデン(The Secret Garden)」、
テヴィン・キャンベルがまだボーイソプラノの少年時代に、
参加して話題となった「トゥモロウ(Tomorrow)」などがあります。

2003年には生誕70周年記念ベストアルバムもリリースされ、
現在も音楽界の重鎮的存在として活躍しています。


さて、1981年にヒットしたこの曲。

おそらくこの年のNHKテレビのステージでしょうか?
こんなものが動画でアップされていました。




岩崎宏美をリードボーカルに、桜田淳子、松田聖子、榊原郁恵、
石川ひとみ、シルヴィアと、郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎、
トシちゃんとマッチ。

インスパイアされた映画のことや、オリジナルの官能的な世界を考えると、
なんともアイドルしてる「愛のコリーダ」ですけどね(;^_^A
同じ時代を懐かしく思い出すステージです。


30年後の今年の夏、

震災復興を願って、先日横浜では花火大会がありました。

あの30年前には考えられなかった今の風景、社会。

ちょっとだけ動画も撮りましたので、ご覧になってください。








愛のコリーダ/クインシー・ジョーンズ

¥1,995
Amazon.co.jp