2011年8月15日。

1945年のこの日、第二次世界大戦終結から、
66回目の終戦の日。


同時に今年は、


3月11日に発生した、東日本大震災を受け、

復興のために立ち上がろうとしている年でもあります。


取り巻く被害の規模や社会の状況も、

そしてボクらの持つ心の状態も全く違うものですが、


ただ一つ言えることは、


起こってしまった、
終わってしまった状況を悲しむだけではなく、
もっともらしいものにすがるのでもなく、

一人ひとりが、この先自分を大事に、
そしてお互いを思い、支えあいながら、
生きていくことが必要なのではないか。


そんな、今年のこの日は、
自分にとっても思うところの多いこの曲を。


「ワン(One)」


1991年のU2のアルバム、
「アクトゥン・ベイビー(Achtung Baby)」からの、
3枚目のシングルとしてリリースされた曲です。

後に2005年に、メアリー・J・ブライジのアルバム、
「ザ・ブレイクスルー(The Breakthrough)」に、
U2との共演という形でも収録されました。


①U2オリジナルバージョンでのPV。



☆U2 "One" from the album "Achtung Baby"
 1992年Billboard Hot100 最高位10位


②CD同様、U2との共演が実現した、
 メアリー・J・ブライジバージョンでのPV。



☆Mary J. Blige feat. U2 "One" from the album "The Breakthrough"
 2005年Billboard Hot100 最高位86位


③2006年のグラミー賞での、U2とメアリーの共演ステージより。




Is it getting better?
Or do you feel the same?
Will it make it easier on you now?
You got someone to blame
You say

>> 少しは良くなってきたのかな?
>> あるいは全く変わらないと感じてるかい?
>> ただ君にとってはやりやすくはなってるだろうね
>> 君が誰かを祀り上げるっていうことは
>> 君は言う

One love
One life
When it's one need
In the night
One love
We get to share it
Leaves you baby if you
Don't care for it

>> 一つの愛
>> 一つの命
>> たった一つ必要なもの
>> この夜の中で
>> 一つの愛
>> ボクらはそれを分かち合おうとするもの
>> でも簡単に手から離れてしまうものでもあるんだ
>> 君がそれを大切にしなければ

Did I disappoint you?
Or leave a bad taste in your mouth?
You act like you never had love
And you want me to go without
Well it's

>> 君をがっかりさせたかい?
>> あるいは後味の悪い思いをさせたかな?
>> 君はまるで初めから愛などなかったかのように振舞い、
>> ボクにも同じように愛など求めないように望んでいるんだね
>> そうだな

Too late
Tonight
To drag the past out into the light
We're one, but we're not the same
We get to
carry each other
carry each other
One

>> 遅すぎるよ
>> 今夜
>> 過去の出来事を明るみに出そうというのは
>> ボクらは一つ、でもボクらは同じじゃない
>> ボクらはただ
>> お互いを支えあい
>> お互いを引っ張り上げる
>> ただ一つのものとして

Have you come here for forgiveness?
Have you come to raise the dead?
Have you come here to play Jesus?
To the lepers in your head

>> 君はここに赦しを求めに来たのかい?
>> 君は死者を蘇らせるために来たのかい?
>> 君はここにイエスの化身として来たのかい?
>> 君の想像の疎外者たちを救うために

Did I ask too much?
More than a lot
You gave me nothing
Now it's all I got
We're one
But we're not the same
See we
Hurt each other
Then we do it again
You say

>> 色々尋ね過ぎたかな?
>> 必要以上のことを
>> でも君からは何も与えられなかった
>> ボクが持っているものはこれだけなのさ
>> ボクらは一つ
>> でもボクらは同じじゃない
>> ボクらを見て
>> お互い傷つけあい
>> そして同じことを繰り返してきた
>> 君は言う

Love is a temple
Love a higher law
Love is a temple
Love is a higher law
You ask me to enter
But then you make me crawl
And I can't keep holding on
To what you got
When all you've got is hurt

>> 愛は寺院のようなもの
>> 愛は何よりも気高い決まりごと
>> 愛は教会で
>> 愛は最高の法律
>> 君はボクを招き入れては
>> ボクをじたばたさせるだけ
>> だからボクには我慢ができないんだ
>> 君が得ようとすることのために
>> 君がやってきたことは全てただ傷つけあうこと

One love
One blood
One life
You got to do what you should
One life
With each other
Sisters, brothers
One life
But we're not the same
We get to
Carry each other
Carry each other

>> 一つの愛
>> 一つの血
>> 一つの命
>> 君はやるべきことをやらなくてはいけないんだ
>> 一つの生命
>> お互いを支えあうものとして
>> 姉妹、兄弟たちよ
>> 一つの生命
>> でもボクらは同じものではないんだ
>> ボクらはただ
>> お互いを支えあい
>> お互いを引っ張り上げる

One...
One...

>> ただ一つのものとして
>> ただ一つのものとして



今年のキーワードといえる一文字「絆」。

英語には、これを正確に表現できる単語というはないと思われます。

でも、この曲の詞のキーとなっている節。

We're one, but we're not the same
We get to
carry each other
carry each other
One


これこそが、一貫してボノが大切にしている考え方であり、
「絆」を表現しているものではないかとおもうんです。


この曲の収録されているアルバム、
「アクトゥン・ベイビー」が発表された1991年は、

東西ドイツの壁が崩壊した後の年であり、
湾岸戦争が表面化していった年でもあり、

色んな意味で世界が変わりつつある時代。

そんな中で、一貫して持ち続ける大切なものを、
個人の中に押し込めたままの時代から、
外に向けて放出していこうと考えるようになった。


80年代後半のR&Bやゴスペル、ブルースを基軸にして、
どちらかといえば内向きな作品が多かったU2が、

一転して明解なメッセージのもとに、
電子音や新しいサウンドを取り入れて音楽を作り出したのが、
1990年代。


変化していく必要のあるものと、
変わってはいけないもの。


そんな思いを感じさせるのが、
この曲に込められているのではないかと思います。

思えば、それまでも政治的発言や数々の活動は行ってきたボノでしたが、
より具体的に政治的な活動を展開し、
音楽以外でも平和的活動を行うようになったのも
このころからでしたね。


メアリーのバージョンでヒットしたのは、2005年。

2001年のアメリカの同時多発テロに対する姿勢に対して、
どのようにしていくべきか戸惑いながら、
またもジョージ・ブッシュ大統領が再選したこの年。

当時の代表的アメリカの女性R&Bシンガーの一人として、
同じ思いをかかえ、この曲をとりあげ、
U2とともにレコーディングされたこの曲。


終わってしまったことを嘆くより、
今しなければいけないことはいっぱいある。

一番大切なことは、一人ひとりが異なる生き方をしていても、
それを認めながら互いを支えあっていく。


一人の人間として。

それは、今の自分にとっても同じことかもしれません。


アクトン・ベイビー/U2

¥1,980
Amazon.co.jp

ザ・ブレイクスルー/メアリー・J.ブライジ

¥1,980
Amazon.co.jp