8月に入りました。

関東はいまだ夏らしくない気候が続いているものの、
そろそろ本格的に夏の強い陽射しが戻ってきそうな、
そんな雰囲気にもなってきています。


そろそろ、夏のバケーションのことなどもちらついてくる頃。


今月のブログも特に決めはないものの、
夏っぽい曲であるとか、
かくれた名曲、個人的こだわりの曲なんかも、
紹介していきたいなと思っています。


そのスタートは、前回の「フリーウェイ・オブ・ラブ」を受けて、
やはり邦題に「フリーウェイ」のつく曲を選びました。


ヴェイパー・トレイルズ「サーフサイド・フリーウェイ」


このアーティスト名、タイトルだけ聴いてもピンとこないかと思いますが、
この映像を見れば納得でしょう。





80's洋楽のバイブル的音楽情報番組、
「ベスト・ヒット・USA」、

番組そのものを見たことがなくても、このテーマソングは、
どこかで耳にした人もきっと多いはず。

この、いかにもアメリカウエストコーストのビーチサイドを走る、
フリーウェイをイメージさせるテーマソングを演奏しているのが、

意外にもイギリスの3人のセッションミュージシャンたちによる、
ヴェイパー・トレイルズというグループでした。

発売は1979年でしたが、1981年からスタートした、
「ベスト・ヒット・USA」のテーマソングに選ばれ、
以降、現在に至るまで番組のテーマとして、
また80年代の洋楽を思い出す、そんなイメージソングとして、
ほんの一部分だけが知られている曲です。




☆Vapour Trails "Don't Worry Baby" from the album "Vapour Trails"


Don't worry baby
A few laughs sometimes maybe
We could never understand it
Friends and lovers so demanding

>> 心配しないでベイビー
>> 時にはちょっと笑うことも必要さ
>> ボクたちにはわからなかったんだな
>> 友達とか恋人とかにこだわりすぎてたんだ

I could spend the rest of my life with you
Loving you the way I hope I do
Don't worry baby
Don't worry don't worry baby
We can work it out
Any trouble right now

>> 君と残りの人生をすごせたらいいな
>> ボクのしたいように君を愛せるのだから
>> 心配いらないよベイビー
>> だから心配しないでベイビー
>> どうにかなるものさ
>> どんな困難が待ち受けていたって

Don't worry baby
Put on your dancing shoes
Don't worry baby

>> 心配しないでベイビー
>> 君のダンシングシューズをはいてさ
>> 心配いらないよベイビー

I like a lady I say girl
You say come on and make me
Put on my dancing shoes
I said love's delight
I got nothing else I'd rather do

>> ボクが好きなのはレディなんだって彼女に言うとさ
>> 君はじゃあ私をそうしてよって言うんだね
>> ボクのダンシングシューズをはかないか
>> ボクは愛こそが喜びで
>> 他にしたいことなんて何もないって言うよ

Put on my dancing shoes
Put on my dancing shoes
Put on my dancing shoes

>> ボクのダンシングシューズをはかないか
>> ボクのダンシングシューズをはかないか
>> ボクのダンシングシューズをはかないか

We can work it out
We can work it out
Don't worry baby
Put on your dancing shoes
Don't worry baby
Put on your dancing shoes

>> どうにかなるものさ
>> ボクらうまくやっていけるさ
>> だから心配しないでベイビー
>> 君のダンシングシューズをはきなよ
>> 心配しないでベイビー
>> 君のダンシングシューズをはきなよ


詞を見ればわかるように、「サーフサイド」も「フリーウェイ」も
出てこない、いかにも日本的企画ものな邦題なのですが、

実際この曲は、イギリスのセッションミュージシャンである、
ジョン・マクバニー、フィル・カーティス、アンディ・ダルビーによる3人組で、
この曲を収録したアルバム「ヴェイパー・トレイルズ(Vapour Trails)」を残し、
あっさり解散しています。

売り上げ的にも全く話題にもならず、発売当時は日本盤も出ていなかったようです。
「ベスト・ヒット・USA」のテーマに使用して話題を集めたことから、
当初は、VT's(ヴィーティーズ)というグループ名で、
この曲も「オータム・ブリーズ」という曲名で紹介されていました。

アルバムのプロデュースがラリー・カールトンで、
この曲でマイケル・オマーティアンがピアノで参加しているほか、
アルバムには、シカゴのビル・チャンプリンも参加していました。
それで、いかにもウェストコースト風のさわやかサウンドになったようですね。


「ベスト・ヒット・USA」は1981年に番組スタートし、
小林克也氏の軽快なDJとともに、
当時の「Radio&Record」誌のシングルヒットチャートを紹介し、
ヒットナンバーや最新話題曲、懐かしい曲の紹介を、
時にゲストも招いたりなど、当時のポップスに夢中だった、
多くのファンを魅了した番組でした。

1989年に行ったん番組終了し、
その後地方局のラジオ番組やテレビ番組で、
小林氏自らがDJをつとめた番組テイストを残したプログラムとして続いたのち、
2003年にBS朝日で番組が再開し、
現在は一部テレビ朝日系の地上波(今は地上デジタル波ですね)局でも、
深夜に放送されています。

BS朝日版は1時間番組ですが、地上波版は25分の短縮版で、
しかもテレビ朝日の場合は木曜深夜3時台という時間ということもあって、
部屋にテレビのない自分には、今はちょっと見れていないのですが、
番組テイストは以前と全く変わっていません。


この小林克也氏の英語を交えたDJスタイルが、
後のFMラジオ局にバイリンガルのDJがたくさん登場するきっかけになり、
一つのスタイルを作り出したと言えるのでしょう。

小林氏自身、アメリカを代表したDJウルフマン・ジャックの影響を受けていて、
この番組をきっかけに自身も色々なラジオテレビで活躍するほか、
桑田佳祐や山下達郎とも交流を持ち、
有名な所では、山下達郎のコンピレーションアルバム、
「COME ALONG II」で、曲間に小林氏がDJを挟むという、
スタイルで売り出したこともありました。

COME ALONGII/山下達郎

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この青木英人氏のイラスト(実は最近までわたせせいぞう氏だと思ってました)に、
当時のさわやかな達郎サウンドと小林市のDJということで、
すっかりドライブミュージックアイテムとなっていたアルバムでした。
もっとも、これはレコード会社の企画もので、達郎さん非公認であるばかりか、
確か裁判沙汰になったんじゃないかというお怒りを買ったアルバムでもあったような
覚えがあります。


しかし、このさわやかイメージとは裏腹に、
小林氏と言えば、このシュールなギャグ作品で知られた、
「スネークマンショー」の咲坂役でもおなじみでしたね。





桃内役の伊武雅刀との掛け合いが絶妙で、
当時は、やはりこの「スネークマンショー」の大好きな友人と、
アルバムをチェック(もちろんレンタルで^^;)し、
嵌っていたものでした。

伊武さんも、今や渋い個性派俳優として知られていますが、
どうもボクには、この時のイメージや、
「私は子供がきらいだ」のイメージがついてしまっていて、
まっすぐ見られない俳優さんになってしまっています。


そんな80年代を知る人たちには、この番組や付帯する色々なことが、
頭の中をよぎっているのではないでしょうか。


若かったなあ~・・・


そんな懐かしさを感じながら、80年代ミュージックを、
カーステレオに乗せて、夏休みをすごしたいものです。
(ボクは運転できませんが)


ヴェイパー・トレイルズ(ヴィーティーズ)/ベイパー・トレイルズ

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