さて、今回は1984年の全米No.1ヒットシリーズです。

前回、1984年の6月17日から2週間のNo.1であった、
デュラン・デュランの「ザ・リフレックス」に代わり、

1984年7月7日付から8月4日付まで5週間のNo.1に輝いた曲は、


プリンス&ザ・レボリューション「ビートに抱かれて」


ちょうど、一週間前、
「雨の歌シリーズ」で、映画「パープルレイン(Purple Rain)」の
タイトル曲である、「パープルレイン」を紹介しましたが、

この曲は、このサウンドトラックアルバムからのファーストシングルで、
印象的なギターのオープニングと、セクシャルなビートに刻まれ、
この映画のイメージを強烈に植え付けた、
1984年Billboard Hot100での年間No.1シングルとなった曲です。

★2016年4月21日のプリンス急逝の報を受け、新たなアクセスを戴いていることを考慮し、
 当初貼り付けていた動画がすべて切れていたので新規に貼り直しました。(2016.4.26)

①(2016.4.26動画差し替え)訃報に伴いPVがアップされました。
 いきなりすごいシチュエーションでの、裸のプリンス殿下の登場に
 度肝を抜かれた想い出のある人も多いでしょう。




②(2016.4.26動画差し替え)近年ライブでの「Let's Go Crazy」とこの曲のメドレー



☆Prince & The Revolution "When Doves Cry"
 from the soundtrack album "Purple Rain"
 1984年Billboard Hot100 最高位1位(7/7-8/4付の5週間)


Dig if u will the picture
Of u and I engaged in a kiss
The sweat of your body covers me
Can u my darling
Can u picture this?
Dream if u can a courtyard
An ocean of violets in bloom
Animals strike curious poses
They feel the heat
The heat between me and u

>> こんな光景を想像できるかい?
>> 君とボクとがキスしあっているところを
>> 君の体から出る汗がボクを覆い尽くす
>> 君にできるかい?
>> こんなこと想像できるかい?
>> 中庭にいる君を思い浮かべてごらん
>> すみれの花びらの海の中で
>> 動物たちが悩ましいポーズでさかりあう
>> 彼らは熱を帯びて
>> ボクと君の間に熱が伝わってくるんだ

How can u just leave me standing?
Alone in a world that's so cold? (So cold)
Maybe I'm just 2 demanding
Maybe I'm just like my father 2 bold
Maybe u're just like my mother
She's never satisfied (She's never satisfied)
Why do we scream at each other?
This is what it sounds like
When doves cry

>> 君はボクを一人っきりにできるのかい?
>> 世界でひとりっきりってとても寒いんだ(とても寒いんだ)
>> ボクの要求が多すぎるのかな
>> ボクの父に似て強欲すぎるのかな
>> 君がボクの母に似てるのかな
>> 彼女みたいに決して満足はさせてくれない(決して満足させてくれない)
>> ボクらなんでお互い叫びあってるの?
>> これってまるで
>> 鳩が呻いている鳴き声みたいさ

Touch if u will my stomach
Feel how it trembles inside
U've got the butterflies all tied up
Don't make me chase u
Even doves have pride

>> ボクのおなかに触れてみてよ
>> どれだけぶるぶると震えてるのか感じてよ
>> 君はもう手の中にいる蝶みたいなもの
>> 君を追いかけさせないでよ
>> 鳩にだってブライドはあるのさ

How can u just leave me standing?
Alone in a world so cold? (World so cold)
Maybe I'm just 2 demanding
Maybe I'm just like my father 2 bold
Maybe u're just like my mother
She's never satisfied (She's never satisfied)
Why do we scream at each other?
This is what it sounds like
When doves cry

>> 君はボクを一人っきりにできるのかい?
>> 世界でひとりっきりってとても寒いんだ(この世界とても寒いんだ)
>> ボクの要求が多すぎるのかな
>> ボクの父に似て強欲すぎるのかな
>> 君がボクの母に似てるのかな
>> 彼女みたいに決して満足はさせてくれない(決して満足させてくれない)
>> ボクらなんでお互い叫びあってるの?
>> これってまるで
>> 鳩が呻いている鳴き声みたいさ

How can u just leave me standing?
Alone in a world that's so cold? (A world that's so cold)
Maybe I'm just 2 demanding (Maybe, maybe I'm like my father)
Maybe I'm just like my father 2 bold (Ya know he's 2 bold)
Maybe u're just like my mother (Maybe u're just like my mother)
She's never satisfied (She's never, never satisfied)
Why do we scream at each other? (Why do we scream? Why?)
This is what it sounds like
When doves cry
When doves cry (Doves cry, doves cry)
When doves cry (Doves cry, doves cry)
Don't Cry (Don't Cry)

>> 君はボクを一人っきりにできるのかい?
>> 世界でひとりっきりってとても寒いんだ(世界ってとても寒いんだ)
>> ボクの要求が多すぎるのかな(たぶん、たぶんボクの父親みたいに)
>> ボクの父に似て強欲すぎるのかな(強欲すぎるんだわかるだろ)
>> 君がボクの母に似てるのかな(たぶん、ボクの母親みたいなんだ)
>> 彼女みたいに決して満足はさせてくれない(決して、決して満足させてくれない)
>> ボクらなんでお互い叫びあってるの?(なんで叫びあうの、なんで?)
>> これってまるで
>> 鳩が呻いている鳴き声みたいさ
>> 鳩が呻いている鳴き声みたいさ(鳩のうめき声、鳩のうめき声)
>> 鳩が呻いている鳴き声みたいさ(鳩のうめき声、鳩のうめき声)
>> ねえ泣かないで(泣かないで)

When doves cry
When doves cry
When doves cry

When Doves cry (Doves cry, doves cry, doves cry)
Don't cry
Darling don't cry
Don't cry
Don't cry

>> 鳩が呻いてる鳴き声みたいさ(鳩のうめき声、鳩のうめき声)
>> 泣かないで
>> ねえ泣かないで
>> 泣かないで
>> 泣かないで


この詞の内容は、まぎれもなく女の人がベッドであえぐ声を、
鳩のうめき声になぞらえて歌っているもので、
男の方が押したり引いたりと挑発しながら、
さらに激しい行為を迫ろうとしているものですね。

プリンスワールド全開な内容だし、
それを印象付ける独特なビートの繰り返しで構成された、
ポテンシャルの非常に高い曲なんですよね。

邦題である「ビートに抱かれて」というのは、
確かになんじゃこりゃというタイトルなんですが、
そういったイメージも含めてのものなんでしょうね。

「鳩のうめき声」では、あれ?って感じですから。

PVも、前半のプリンスのほぼ独り芝居と、
後半のザ・レボリューションとのダンスシーンで、
さらに間に映画のダイジェストシーンを盛り込んだ、
忘れることのできない内容です。


プリンスは、本名プリンス・ロジャース・ネルソン。
1958年ミネアポリス生まれの53歳。

両親がジャズミュージシャンで、幼少時からピアノに触れ、
音楽の好きな少年として育つものの、
早い時期での両親の離婚や、再婚相手との不和で、
父親のもとに逃げ込むなど、複雑な少年時代を過ごしていたようです。

そんな少年時代の中で独特な性格や思想形成が行われていた彼は、
やがて、友人のアンドレ・シモーンの家で音楽制作の活動を始め、
地元ミネアポリスをベースにライブで頭角を現し始めます。

1977年、19歳の時にワーナーブラザーズとのプロ契約を結び、
翌年「フォー・ユー(For You)」でアルバムデビューします。

1979年発売のセカンドアルバム「愛のペガサス(Prince)」からは、
「ワナ・ビー・ユア・ラバー(I Wanna Be Your Lover)」が
Top10入り目前まで迫る初ヒットを記録し、
全米で彼が注目されることになります。

彼は曲作りからプロデュース、各種楽器までほとんど一人でこなし、
さらに、ファミリーである、モーリス・デイ率いるザ・タイムの
プロデュースまで務めるなど、当初から多彩で多忙な才能を発揮します。

1982年に5枚目の2枚組アルバム「1999」が発売され、
「リトル・レッド・コルベット(Little Red Corvette)」、
「1999」「デリリアス(Delirious)」の3曲がシングルヒットします。
アルバム自体も400万枚の大ヒットを記録し、
ここで一気のブレイクとなるわけです。

ボクも「全米Top40」で「リトル・レッド・コルベット」で、
初めて彼を知ったのですが、当初からこのファンキーなサウンドと、
ミステリアスな雰囲気でいきなり魅了されました。

このころ、作品づくりは相変わらず一人で行っているものの、
ライブで側近たちを集めてバンドを結成し、
メンバーの入れ替えなどを経て、結成されたバンドが、
ザ・レボリューションとなるわけです。

このバンドは、1986年のアルバム「パレード(Parade)」まで続き、
初来日公演となった、大阪と横浜の公演を最後に解散します。

この初来日公演は大いに話題になりました。
当時「全米Top40」でこの公演を見た湯川れい子さんの説明の中で、
たとえばプリンス自体のギターのネックの部分で、
ギュンギュンゴシゴシと激しくしごくアクションをすると、
その先から水がピュッと噴き出すという、
いかにもな挑発度満載のステージアクションを連発していたそうで、

また最終公演である横浜では、最後の曲終了後、
ステージ上でギターなどをたたき壊して回るなどの、
バンドの終焉を示すステージ内容でもあったとのことでした。

その後、ニューパワージェネレーションという新しいバンドのもと、
数々の物議をかもしながらも、今日までほぼ毎年のように新作を発表し、

映画「バットマン(Batman)」のタイトル曲で、
そのダンスがまたお茶の間の話題になったり、

時には、アルバムタイトルを言葉で表現できないシンボルマークにし、
(邦題は「ラブシンボル」となった)
さらに、自身のアーティスト名をこのシンボルマークにしたり、
プリンスそのものの存在を自ら否定するため、
「元プリンス(The Artist Formally Known As Prince(TAFKAP))」
と呼ばせたりと、シングルヒットは以前ほどではなくなっても、
今でも話題作りだけは欠かさず行われているようで¥す。

特にここ数作のアルバムは、レコードショップでの発売をせず、
新聞の付録として配布するなどの突拍子もない販売を試みたりしています。

この1回ではとても紹介しきれない彼のエピソードは、
次回、このサウンドトラックからのセカンドシングル曲が、
9月29日付でNo.1となるため、そのタイミングでまた紹介したいと思います。


次回の「'84 US No.1」シリーズは、8月11日の予定です。
またまた大ヒット映画の主題歌。
AORの世界でも人気の高かったR&Bシンガーによる、
異色のコミカルなNo.1ヒットを紹介します。


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