ロンドンオリンピックまで、いよいよ1週間を切りました。
聖火もロンドン入りしたということで、
来週から、眠れない毎日が続くのでしょうか。


さて、ブログでは、80年代の第2次ブリティッシュインヴェージョン期に、
アメリカをメインにブームを巻き起こした、
イギリスのアーティスト、グループを、
「英国襲撃シリーズ」として、これまで30組紹介してきました。


<英国襲撃シリーズ・リスト>
① カルチャー・クラブ「君は完璧さ(Do You Really Want To Hurt Me?)」(2010.1.23)
② トンプソン・ツインズ「ライズ(Lies)」(2010.4.1)
③ デュラン・デュラン「ハングリー・ライク・ザ・ウルフ(Hungry Like The Wolf)」(2010.4.15)
④ デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ「カモン・アイリーン(Come On Eileen)」(2010.4.23)
⑤ ヒューマン・リーグ「愛の残り火(Don't You Want Me)」(2010.7.13)
⑥ アダム・アント「グッディ・トゥー・シューズ(Goody Two Shoes)」(2010.7.14)
⑦ エイジア「ヒート・オブ・ザ・モーメント(Heat Of The Moment)」(2010.7.17)
⑧ ABC「ザ・ルック・オブ・ラブ(The Look Of Love)」(2010.7.23)
⑨ フロック・オブ・シーガルズ「アイ・ラン(I Ran (So Far Away))」(2010.7.25)
⑩ クラッシュ「ロック・ザ・カスバ(Rock The Casbah)」(2010.7.27)
⑪ トーマス・ドルビー「彼女はサイエンス(She Blinded Me Science)」(2010.7.29)
⑫ カジャグーグー「君はToo Shy(Too Shy)」(2010.7.31)
⑬ バナナラマ「ちぎれたハート(Cruel Summer)」(2010.8.4)
⑭ ユーリズミックス「スウィート・ドリームス(Sweet Dreams (Are Made Of This)」(2010.9.3)
⑮ マッドネス「アワ・ハウス(Our House)」(2010.9.16)
⑯ エディ・グラント「エレクトリック・アベニュー(Electric Avenue)」(2010.9.17)
⑰ ミュージカル・ユース「パス・ザ・ダッチー(Pass The Dutchie)」(2010.9.19)
⑱ UB40「レッド・レッド・ワイン(Red Red Wine)」(2010.9.21)
⑲ スパンダー・バレエ「トゥルー(True)」(2010.11.11)
⑳ ソフト・セル「汚れなき愛(Tainted Love)」(2010.11.14)
21 ジョーボクサーズ「ジャスト・ガット・ラッキー(Just Got Lucky)」(2010.12.4)
22 ハワード・ジョーンス「ニュー・ソング(New Song)」(2011.1.5)
23 ネイキッド・アイズ「僕はこんなに(Always Something There To Remind Me)」(2011.3.2)
24 ビッグ・カントリー「インナ・ビッグ・カントリー(In A Big Country)」(2011.3.8)
25 ポール・ヤング「愛の放浪者(Wherever I Ray My Hat)」(2011.4.9)
26 ニック・カーショウ「恋はせつなく(Wouldn't It Be Good)」(2011.4.28)
27 ワム!「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ(Wake Me Up Before You Go Go)」(2011.11.17)
28 ザ・フィックス「ワン・シング(One Thing (Leads To Another))」(2011.12.20)
29 シンプル・マインズ「ドント・ユー(Don't You (Forget About Me))」(2012.5.20)
30 ティアーズ・フォー・フィアーズ「ルール・ザ・ワールド(Everybody Wants To Rule The World)」(2012.6.8)

(()内日付は、ブログ掲載日付。直リンクは貼ってませんので、年月別リストからご覧ください)

このシリーズで紹介したグループ、アーティストは、
その後も何度かブログに登場している人たちもいますし、

シリーズではくくらなかったものの、
アズテック・カメラやシンプリー・レッドなどの、
80年代型イギリスのグループも何度か紹介しています。

お時間があれば、ぜひロングロングジャーニーして、
ご覧になっていただきたく(笑)


このロンドンオリンピックの期間、
この英国襲撃シリーズはもとより、
ベテランから最近のグループまで、
イギリス人アーティストのナンバーをメインに紹介していきたいと思います。


ということで、31回目のシリーズですが、

この英国襲撃グループの中でも、かなり異質、
かつ典型的80年代型グループで、
かなりのセンセーションを巻き起こした、
劇場型?といえるロックバンドを紹介したいと思います。


フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド「リラックス」


80年代にイギリス、リバプールで結成された5人組ロックバンド。
イエスやバグルスのボーカルでも活躍した、
トレヴァー・ホーンに見いだされ、
彼の主催するZTTレーベルとレコード契約。


1983年に発売されたこの曲は、
SMやゲイ同士の本番シーンといったことをイメージさせる
過激な内容の歌詞やプロモーションビデオで、
放送禁止などの影響を受けながらも、
世界中で大ヒットを記録しました。

本国イギリスでは、1983年暮れから1984年にかけて、
191万枚という、当時のイギリスの記録を更新するシングル売り上げで1位を記録。

アメリカでは、1984年に一度Billboard Hot100で
最高位67位とあまり大きなヒットにならなかったものの、
翌年、映画「ボディ・ダブル(Body Double)」に
使用されてことで再ヒットし、Top10入りする大ヒットとなりました。


①こちらは、バンドの演奏シーンで構成されている、
 これならどこでも放送できる(笑)PVです。




②おぞましいシーン続出の超過激なPV。
 当時のゲイカルチャーを雰囲気の一端を示していて、
 興味深くもありますが・・・^^;




③映画「ボディ・ダブル」のシーンも含まれている、
 SMクラブをメインにしたPV。
 ちょっとステレオタイプ的な内容で、苦笑いもしてしまいそうです。



☆Frankie Goes To Hollywood "Relax"
 from the album "Welcome To The Pleasuredome"
 1985年Billboard Hot100 最高位10位


Mahaha-hiya
Give it to me one time now
Yeah-hea, whoa-ho ho ho ho ho
Well-ell No-ow!

>> さあ、オレに一発で決めるんだ

Relax, don't do it
When you want to go to it
Relax, don't do it
When you want to come
Relax, don't do it
When you want to suck it to it
Relax, don't do it
When you want to come
When you want to come

>> リラックス、あわてるなよ
>> お前がいきたい時は
>> リラックス、落ち着けよ
>> お前が感じたいならば
>> リラックス、あわてるなよ
>> お前がそれをものにしたいなら
>> リラックス、落ち着けよ
>> お前が感じたいのなら
>> お前がいきたいならば

Relax, don't do it
When you want to go to it
Relax, don't do it
When you want to come
Relax, don't do it
When you want to suck it to it
Relax, don't do it
When you want to come
Come (oh oh oh)

>> リラックス、あわてるなよ
>> お前がいきたい時は
>> リラックス、落ち着けよ
>> お前が感じたいならば
>> リラックス、あわてるなよ
>> お前がそれをものにしたいなら
>> リラックス、落ち着けよ
>> お前が感じたいのなら
>> くるぞ・・・(あ・あ・あ・・・)

But shoot it in the right direction (yeah yeah yeah yeah-ee-yeah)
Make making it your intention (ooh yeah, oh yeah)
Live those dreams
Scheme those schemes
Got to hit me (hit me)
Hit me (hit me)
Hit me with those laser beams
Laser beam

>> あわてずに間違いない方向に撃ちつけろよ
>> それに集中しろよ
>> ハイになれよ
>> 思い通りにやれよ
>> 撃ちつけろ(撃て)
>> 撃て(撃て)
>> お前のレーザービームをオレに撃ちつけろ
>> レーザービームで

(One, two)
Relax
Don't do it
Relax
When you want to come (Come)

>> リラックス
>> あわてるなよ
>> リラックス
>> お前がいきたいなら(いく)

I'm Coming
I'm Coming (Yeah yeah yeah yeah-hea)

>> きてるぞ
>> きてるぞ

Relax, don't do it
When you want to go to it
Relax, don't do it
When you want to come (yeah-hea)
Relax, don't do it
When you want to suck it to it (Whoa-ho)
Relax, don't do it (Love)
When you want to come
When you want to come
When you want to come
Come! (Hoah)

>> リラックス、あわてるなよ
>> お前がいきたい時は
>> リラックス、落ち着けよ
>> お前が感じたいならば
>> リラックス、あわてるなよ
>> お前がそれをものにしたいなら
>> リラックス、落ち着けよ
>> お前が感じたいのなら
>> お前がいきたいのなら
>> お前がいきたいのなら
>> いく

Get it up
The Scene of love
Or feel it

>> 立たせろよ
>> 愛の象徴を
>> 感じるままに

Relax, don't do it
When you want to go to it
Relax, don't do it

>> リラックス、あわてるなよ
>> お前がいきたいときは
>> リラックス、落ち着けよ

Relax, don't do it (Higher, higher)
When you want to suck it to it
Relax, don't do it

>> リラックス、ヘマするなよ(あげろ、あげろ]
>> お前がそれをものにしたいのなら
>> リラックス、落ち着けよ

One time, one time, one time

>> 一発で、一発で、一発で

Come!

>> いく



・・・

もうですね、

どうやってうまいこと無難な訳と、
本質に近いところの中間を狙った訳にしようか、
悩みました。

はっきり言って、「アレ」を歌ってますからね。(^o^;)

聴く側をあおるような、マンマの言葉で訳してしまうと、
アメーバから削除のあおりを受けかねないですから(苦笑)
(ちょっとした言葉にもうるさいですから)

とりあえず、ご覧になっておられる方が、
個人的補完をされますよう。
(しなくてもいいけど)


普通に読んでいて、ゲイラブな歌詞方面から書いているように思えるんですが、
SM的な訳しかたってのもできるのかな?
その辺はいまいちわかりませんでした。
ただ、効果音にはすごいものがいくつもありましたよね。
バックに聞こえる、ドスドスという重たいドラムスの音は、
レッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムのドラム音をサンプリング
していたということです。



フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドは、
1980年、イギリスのリバプールで結成された5人組で、
もともとはそれぞれパンク系のバンド活動をしていました。

バンド名の由来は、
フランク・シナトラが、音楽界から映画界に進出するという
新聞の見出し「Frankie goes to Hollywood」にヒントを得た、
「都へ出て落ちぶれる」という意味合いを持っていて、
そういった退廃的イメージを売りにすることを
最初から狙っていたのかもしれません。

ボーカルのホリー・ジョンソンと、
バックボーカル、キーボードのポール・ラザフォードは、
当初からゲイを公言しています。

バンドとしてリバプールのナイトクラブでの演奏活動を通し、
当時バグルスとして、革新的音楽活動を続けていた、
トレヴァー・ホーンに見いだされ、
彼が経営にかかわっているレコードレーベル、ZTTと契約を結びます。


1983年、デビューシングルとなるこの「リラックス」で、
TV番組出演やPVオンエアなどを始めたところ、
大きな話題となったとともに、
その内容(②のビデオですね)があまりに過激だったため、
国内ではBBCをはじめ、各放送局で軒並み放送禁止。
日本でもNHKでは、放送禁止となってしまいました。

ところが、そのことがかえって話題性を呼び、
イギリスでとてつもないレコード売り上げに結び付きました。

当初、イギリスの人気音楽チャート番組、
「Top Of The Pops」では、No.1シングルとして紹介され、
レコード売り上げもUKだけで191万枚に上ったものの、
その過激さゆえに、番組の1984年年間チャートではリストから外され、
この年のビッグヒットである、
「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」に
年間No.1の座をゆずるほどでした。

ヒットの勢いはヨーロッパ各地、そして日本にもおよび、
民放ラジオでは頻繁にオンエアされたものの、
ヒットの実態を今ひとつつかんでいなかったアメリカでは、
ダンスチャートではヒットを記録したものの、
Billboard Hot100では、最高位67位どまりでした。

5月には、早くも次のシングル、
「トゥー・トライブス(Two Tribes)」をリリース。

こちらは、当時のアメリカとソ連の冷戦や、
核戦争などを題材にした歌詞の内容で、
PVも当時のアメリカ・レーガン大統領と、
ソ連・チェルネンコ書記長のそっくりさんが、
土俵上で粉レスリングを繰り広げるという、
こちらもインパクト大の映像で話題となり、
イギリスでは連続してNo.1となりました。




☆Frankie Goes To Hollywood "Two Tribes"
 from the album "Welcome To The Pleasuredome"
 1984年Billboard Hot100 最高位43位


10月には、3枚目のシングル、
「パワー・オブ・ラブ(The Power Of Love)」というバラード曲で、
イギリスで3曲連続No.1を記録し、

合わせてファーストアルバム、
「プレジャードーム(Welcome To The Pleasuredome)」も、
全英No.1を記録しています。


アメリカでは、セカンドシングルの「トゥー・トライブス」が、
最高位43位となったところから少しずつ話題となり、

さらにこの年公開された、ブライアン・デパルマ監督の、
ミステリー映画「ボディ・ダブル(Body Double)」に使用されたところから、
「リラックス」にも再度脚光が浴びることになるのでした。

③のPVは、このためにブライアン・デパルマ監督が、
新たに撮影した作品で、
アメリカではこちらのPVの影響から、
1985年に再びBillboard Hot100にランクインし、
最高位10位まで到達するヒットとなりました。


レコードでは大きな成功を収めた彼らでしたが、
ライブでは今ひとつ技量が追い付いていない印象があったりして、
また、トレヴァー・ホーンの話題作り先行といったところから、
バンドとしての人気は長続きしませんでした。

1986年のセカンドアルバム「リバプール(Liverpool)」は、
イギリスではTop10入りするも、
ファーストアルバムの勢いは全く消えてしまい、

ボーカルのホリー・ジョンソンがバンドを抜けるタイミングで、
バンド活動が休止してしまいます。

2000年代に、旧メンバーが音楽番組で勢ぞろいする企画があったものの、
バンドとしての演奏は行われることがなく、
2004年には、新しいボーカリストを迎えてライブ活動を行いました。
しかし、新作レコードつくりのタイミングで、
新ボーカリストが抜けてしまい、レコードつくりが中断してしまい、
結局、現時点では再結成、新作等の話は全く伝わっていません。


この曲は、2000年代に入って、リミックス盤が再発されたほか、
映画やTV、CMで使用されることも多く、
日本では、ヤクルトの清涼飲料水のCMにも使われました。
(歌詞はまったく関係なしですね^^;)
「ココリコ・ミラクルタイプ」でも使われてましたね。


さて、今回は80年代に登場した中でも、
かなりセンセーショナルなタイプのバンドを紹介しましたが、
次回は、「1985 'US No.1」シリーズの前になるか、
後になるかわかりませんが、
別の意味でセンセーショナル、
かつ大人の音楽として現在も大変な人気を誇る、
女性ボーカルをメインにしたバンドを紹介したいと思います。


ウェルカム・トゥ・ザ・プレジャードーム(デラックス・エディション)(紙ジャケット仕様)/フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド

¥2,580
Amazon.co.jp