野球のオフシーズンとして、ラジオでの放送がスタートした、
ラジオ日本の「全米トップ40 The 80's」も、
親会社の一つである読売新聞の関わっているジャイアンツが出ている
セリーグのチャンピオンシップシリーズとなると、
やはり放送せざるを得ないんでしょうか。

今週の土曜の3時間版の放送は休止。
中日が日本シリーズ進出を決めたので、
明日の22時からの1時間版は放送されそうですが、
来週の日本シリーズからで、また土曜の放送は
潰れそうですね。

ネットラジオがあるとはいえ、
毎週楽しみにしている番組なので、
ちょっと物足りない気分です。


さて、もともとの「全米トップ40」と出会う少し前の、
1982年の秋。

時は華々しいロックナンバーや、壮大なバラードが占める、
華やかなヒット曲がラジオから流れてくる中で、
一見地味だけど、心に残る静かな曲がありました。

いわゆるAORのような、R&Bやジャズテイストな、
都会的な音楽ともちょっと違う、
一聴すると心安らぐ感じの曲。

ただ、この曲は前回のELOなどでもあったような、
70年代から80年代初めにかけてたびたび登場した、
コンセプトやストーリー性をもった音楽を創り、
巧みに操って演奏するミュージシャンたちの、
ポップだけど練り上げられた、職人技的な曲でした。


アラン・パーソンズ・プロジェクト「アイ・イン・ザ・スカイ」


元々はレコード技師であった、クリエイターのアラン・パーソンズと、
ピアニストで、演奏の中心にいたエリック・ウールフソンが中心となって、
70年代半ばに作られた音楽プロジェクト。

彼らの1982年のアルバムタイトル曲で、
彼らにとって最大のシングルヒット曲です。


①映像はライブのような演奏シーンを使ってますが、
 音はオリジナル音源です。
 PVは特別作られてなかったので、この映像が、
 よく使われたんだと思います。




②実は、彼らはグループとして終了するまで、
 ライブを一切行っていなかったので、
 この映像は、アラン・パーソンズが中心になって、
 後にスペシャルライブとして演奏されたもののようです。
 オリジナルでは、エリック・ウールフソンがボーカルをとってますが、
 ここでは、もっと若いミュージシャンが歌っています。
 ちなみに、演奏ではアルバムのオープニングナンバーであるインストの、
 「シリウス(Sirius)」から続けて演奏されています。
 それにしても派手なライブですね。



☆The Alan Parsons Project "Eye In The Sky"
 from the album "Eye In In The Sky"
 1982年Billboard Hot100 最高位3位


Don't think sorry's easily said
Don't try turnin' tables instead
You've taken lots of chances before
But I ain't gonna give anymore
Don't ask me
That's how it goes
Cause part of me knows what you're thinkin'

>> 簡単に誤ればいいだなんて思わないで
>> だからって開き直ってテーブルを変えようなんてしないで
>> 君にはチャンスがたくさんあったかもしれない
>> でもボクにはこれ以上そんなチャンスはやれないよ
>> 何も言わないで
>> そうしなくちゃいけないんだ
>> だってボクの一部は君が何を考えているか知ってるのだから

Don't say words you're gonna regret
Don't let fire rush to your head
I've heard the accusation before
And I ain't gonna take any more
Believe me
The sun in your eyes
Made some of the lies worth believing

>> 後悔しているなんて言葉口にしないで
>> そんなにかっかとしたりしないで
>> ずいぶん言い訳ばかり聞かされたね
>> だからボクはもうそんなことはさせないよ
>> 本当さ
>> 君の瞳の太陽が
>> そんな嘘の数々を信じさせようとしたってね

I am the eye in the sky
Looking at you
I can read your mind
I am the maker of rules
Dealing with fools
I can cheat you blind
And I don't need to see any more
To know that
I can read your mind, [looking at you]
I can read your mind, [looking at you]
I can read your mind, [looking at you]
I can read your mind

>> ボクは空の瞳
>> 君を見つめる目
>> 君の心だって読めるんだ
>> ボクはルールを決める者
>> 愚かな者を相手にしながら
>> 君を騙すことだってできるんだ
>> だからもう何も見る必要はないんだ
>> もうわかったんだから
>> 君の心が読めるんだ (君を見てると)
>> 君の心が読めるんだ (君を見てると)
>> 君の心が読めるんだ (君を見てると)
>> 君の心が読めるんだ

Don't leave false illusion behind
Don't cry, I ain't changin' my mind
So find another fool like before
Cause I ain't gotta live anymore
Believin'
Some of the lies
While all of the signs are deceiving

>> 君の間違った幻想から離れないで
>> 泣いたって駄目さ、ボクの心は変えられない
>> だからまた前みたいに愚か者を探せばいいんだ
>> だってボクはもうそこにはいないからね
>> 本当さ
>> いくつかの嘘が
>> ずっと君の騙しのサインになってるんだから

I am the eye in the sky
Looking at you
I can read your mind
I am the maker of rules
Dealing with fools
I can cheat you blind
And I don't need to see any more
To know that
I can read your mind, [looking at you]
I can read your mind, [looking at you]
I can read your mind, [looking at you]
I can read your mind

>> ボクは空の瞳
>> 君を見つめる目
>> 君の心だって読めるんだ
>> ボクはルールを決める者
>> 愚かな者を相手にしながら
>> 君を騙すことだってできるんだ
>> だからもう何も見る必要はないんだ
>> もうわかったんだから
>> 君の心が読めるんだ (君を見てると)
>> 君の心が読めるんだ (君を見てると)
>> 君の心が読めるんだ (君を見てると)
>> 君の心が読めるんだ

I am the eye in the sky
Looking at you
I can read your mind
I am the maker of rules
Dealing with fools
I can cheat you blind
And I don't need to see any more
To know that
I can read your mind, [looking at you]
I can read your mind, [looking at you]
I can read your mind, [looking at you]
I can read your mind

>> ボクは空の瞳
>> 君を見つめる目
>> 君の心だって読めるんだ
>> ボクはルールを決める者
>> 愚かな者を相手にしながら
>> 君を騙すことだってできるんだ
>> だからもう何も見る必要はないんだ
>> もうわかったんだから
>> 君の心が読めるんだ (君を見てると)
>> 君の心が読めるんだ (君を見てると)
>> 君の心が読めるんだ (君を見てると)
>> 君の心が読めるんだ


サウンドの落ち着いた感じとは裏腹に、
かなりきつい内容の別れの歌ですね。
しかも、「君と別れるのが悲しい。」のではなくて、
「君みたいな女にたぶらかされていた自分が愚かで哀しい。」
っていう詞で、相手の女性に対しても、
かなり厳しい言葉を投げていますね。

この曲を聴いてから、しばらくしてこの詞を読んで、
ずいぶんとイメージとのギャップに驚いたものでした。
感情的に言われるより、よっぽどきついかもしれません。

このタイトルのモチーフになっている「空の瞳」とは、
古代エジプトの神話で語られた、天空の神、
「ホラスの瞳」と言われるもので、
このアルバムジャケット(一番下に貼りました)にある絵は、
実はこの瞳を示す象形文字だということなんです。


アラン・パーソンズは、元々は、
ビートルズのレコーディングスタジオとして知られる、
アビィロードスタジオのレコーディングエンジニアで、
ポール・マッカートニー&ウィングスのアルバムや、
ピンク・フロイドの「狂気(Dark Side Of The Moon)」を
手掛けたことでミュージシャンからの人気が高く、
一方で、自らの作品づくりに対する欲求も高まっていました。

そんなところへ、スタジオでピアニストとして働いていた、
エリック・ウールフソンから、
「エドガー・アラン・ポーを題材にしたアルバムを作らないか?」
という話が持ちかけられ、

スタジオに現れるミュージシャンたちとともに作り上げたのが、
1976年のファーストアルバム、
「怪奇と幻想の世界~エドガー・アラン・ポーの世界
 (Tales Of Mystery And Imagination - Edgar Allan Poe)」
でした。

このアルバムが話題を呼び、グラミー賞にもノミネートされ、
シングル「タール博士とフェザー教授の療法
(The System Of Dr. Tarr And Prof. Fether)」も、
トップ40入りするなど成功を収めました。

その後も、こういったコンセプトやストーリー性の高い、
プログレッシブロック的な作品を作り続け、
「アイ・ロボット(I Robot)」や、「イブの肖像(Eve)」、
「運命の切り札(The Turn Of A Friendly Card)」などの、
クオリティの高く、ポップな作品を発表しています。

1982年に、この「アイ・イン・ザ・スカイ」が大ヒットし、
1984年の「アンモニア・アベニュー(Anmonia Avenue)」からの
シングル「ドント・アンサー・ミー(Don't Answer Me)」では、
60年代的ポップサウンドと、アメコミを使ったPVが話題となり、
日本でも大変な人気のグループとなりました。

二人以外のメンバーを固定せず、腕の立つミュージシャンを使い、
ボーカルも、エリック中心とはいえ、いろいろなボーカリストを
曲によって使うなど、あくまで作品としてのクオリティにこだわり、
ライブは行われませんでした。

1990年までに10枚のアルバムを発表して、二人のコンビ関係は解消。
アランは以降もソロ作品を作り続け、これらの過去作品をもとにした、
プロジェクト時代には行われなかったライブを1995年にも行い、
これが上の②の映像で、ライブアルバムの発表されています。

エリックもソロで活動を行っていましたが、
2009年に腎臓がんで亡くなっています。


彼らのような音楽の作風のバンドは他にもたくさんいましたが、
次回は、その彼らも先輩格でもあり、彼らが作品制作にかかわった、
プログレバンドの大ヒット作品を紹介したいと思います。



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