前回の「あまねく愛で」という曲で、
R&Bの世界にはまり込むきっかけになったということを、
書きました。

ちょうど、この当時は、他にも、
マーヴィン・ゲイやディオンヌ・ワーウィックなどなど、

名前だけは知っていても、あまり聴いたことのなかった音が
「全米トップ40」でも数多く流れていて、
やはり夜間にラジオから流れる、これらの音は、
すごく心地よい響きを与えてくれていました。


ただ、そもそも、こういった音が好きになる下地というのは、
70年代のディスコブームで慣らされていたのもあるのかもしれません。

数多くの70年代のディスコブームを飾ったスターの中でも、
とりわけ、「ディスコ・クイーン」と呼ばれている、


ドナ・サマー


実際には、バラードの名曲もたくさん歌っている、
「R&Bクイーン」といってもいいシンガーなのだけど、

特にイメージが強いのが、
ジョルジオ・モロダーのプロデュース、
ピート・ベロッティによるサウンドによる、
かなりハード目、ドラマティックなディスコナンバー。
「ホット・スタッフ(Hot Stuff)」
「バッド・ガールズ(Bad Girls)」
「マッカーサー・パーク(MacArthur Park)」などなど。

高校時代には、かなり聴きまくったなという想い出の多い、
シンガーですね。

「全米トップ40」を聴きだしてからの初のトップ10入りの
ビッグヒットになったのが、83年発表の、

「情熱物語(She Works Hard For The Money)」


少しロックよりの音に変わったものの、
変わらぬディスコ・ヴォーカリストぶりを発揮してくれている
彼女の、80年代の代表的ナンバーです。




☆Donna Summer "She Works Hard For The Money"
 from the album "She Works Hard For The Money"
1983年Billboard Hot100 最高位3位


She works hard for the money
So hard for it, honey
She works hard for the money
So, you better treat her right

>> 彼女はお金のため一生懸命働いてる
>> そう、一生懸命にね、ハニー
>> 彼女はお金のため必死で働いてるのだから
>> あなたは彼女にもっと優しくしてあげないとね

She works hard for the money
So hard for it, honey
She works hard for the money
So, you better treat her right

>> 彼女はお金のため一生懸命働いてる
>> そう、一生懸命にね、ハニー
>> 彼女はお金のため必死で働いてるのだから
>> あなたは彼女にもっと優しくしてあげないとね

Onetta there, in the corner stands
And she wonders where she is
And it's strange to her
Some people seem to have everything

>> コーナーに立ちつくしているオネッタ
>> 彼女はなぜそこにいるかわかっていない
>> とても不思議なことなの
>> 何人もの人たちに全てを見られているの

Nine A.M. on the hour hand
And she's waitin' for the bell
And she's looking real pretty
Just waitin' for her clientele

>> AM9:00きっちりに時計の針を示すと
>> 彼女はベルをが鳴るのを待っている
>> 彼女はかわいい恰好をして
>> お客様を待っているのよ

She works hard for the money
So hard for it, honey
She works hard for the money
So, you better treat her right

>> 彼女はお金のため一生懸命働いてる
>> そう、一生懸命にね、ハニー
>> 彼女はお金のため必死で働いてるのだから
>> あなたは彼女にもっと優しくしてあげないとね

She works hard for the money
So hard for it, honey
She works hard for the money
So, you better treat her right

>> 彼女はお金のため一生懸命働いてる
>> そう、一生懸命にね、ハニー
>> 彼女はお金のため必死で働いてるのだから
>> あなたは彼女にもっと優しくしてあげないとね

Twenty-eight years have come and gone
And she's seen a lot of tears
Of the ones who come in
They really seem to need her there

>> 28年という月日が過ぎていく中
>> 彼女は数々の涙を見せていた
>> 店にやってくる人たちにとっては
>> 彼女は本当にそこにいてほしい人なの

It's a sacrifice working day to day
For little money, just tips for pay
But it's worth it all to hear them say
That they care

>> 毎日毎日働くことに命をささげ
>> ちょっとしたお金とチップのために
>> でも彼らの話を聞くことこそが価値があるの
>> 彼らは大事にしてくれているのだから

She works hard for the money
So hard for it, honey
She works hard for the money
So, you better treat her right

>> 彼女はお金のため一生懸命働いてる
>> そう、一生懸命にね、ハニー
>> 彼女はお金のため必死で働いてるのだから
>> あなたは彼女にもっと優しくしてあげないとね

Already knows, she's seen her bad times
Already knows, these are the good times
She'll never sell out, she never will
Not for a dollar bill
She works hard...

>> わかっているわ、彼女は苦労しているように見えるけど
>> わかっているわ、それこそが素敵な時間であることを
>> 彼女は心を売ったりしないわ、そう今までだって
>> ドル札のために心を売ったりしない
>> だからこそ、彼女は一生懸命に…

She works hard for the money
So hard for it, honey
She works hard for the money
So, you better treat her right

>> 彼女はお金のため一生懸命働いてる
>> そう、一生懸命にね、ハニー
>> 彼女はお金のため必死で働いてるのだから
>> あなたは彼女にもっと優しくしてあげないとね

Hard for the money
So hard for it, honey
She works hard for the money
So, you better treat her right
Alright

>> お金のため一生懸命に
>> そう、一生懸命にね、ハニー
>> 彼女はお金のため必死で働いてるのだから
>> あなたは彼女にもっと優しくしてあげないとね
>> わかるよね


この曲は、彼女がディスコパーティーの終わった後、
片づけの終わった会場の片隅で、つい眠りこけている
メイドさんの姿を見ていて感じたところを歌にしたと言われてます。

70年代ディスコクイーン時代に歌われていた
彼女の歌の世界から、一変したイメージで、

曲としても、変わらずディスコでも人気ナンバーながら、
プロデューサーがマイケル・オマーティアンに変わり、
雰囲気が、かなりロックよりな音に変わってきています。

80年代前半に、レコード会社移籍などのゴタゴタで、
厳しい時期を過ごした彼女が、新しい一面を見せ、
再度健在ぶりをアピールした曲でもありました。

「情熱物語」という邦題は…、
まあ、わからないでもないけど、なんだかなあという気がしますが…。


彼女は、90年前半までは順調に作品を発表していたものの、
その後、子育てや、色々な裁判沙汰で不遇の時代を過ごし、
2000年代中ごろになって、ようやく新作を発売できるようになり、
現在もクラブシーンには、欠かせない存在となっています。


ところで、

今回この曲を取り上げたのには、もう一つ理由がありまして…。


先週金曜日に、親しくさせてもらっているブロガーさんと、
飲みに行く機会がありました。

初めはカラオケでひとしきり盛り上がり、

その後訪れたブロガーさんのなじみのスナックバーでも、
店のママや常連さんと、楽しく過ごすことができました。

そのバーのテレビ画面で、初めはスペースシャワーTVでの
90年代Billboardヒットなどがかかっていて、
洋楽の話も少し入ったりしていたのですが、

やがて、ママさんが取り出したDVDに入っていたものが、

河合奈保子の1983年のコンサートの模様でした。

おもに、後半のヒットメドレーのあたりを見ていたのですが、
その中で、彼女の1983年のヒット曲、
「UNバランス」が流れてきたのです。





このサウンドアレンジ、「情熱物語」そのものですよね。
一緒にいたブロガーさんが話してくれたのですが。

そういえば、80~90年代のJ-POPの曲の中には、
ずいぶんとこういった洋楽ヒットの音のコアな部分でのパクリが
多かったですよね。

現在だと、サンプリングということで、
音をそのまま使うケースが多いのだけど、
こういったのを聞くのは、半分ニンマリ半分あ~あという感じですね。


それにしても、このライブを見ていて、
河合奈保子って歌本当にうまかったなあと感心しました。

テレビで歌う姿でも、うまさはそれなりに感じていたのですが、
何かおっとりしたイメージのあった、当時まだ10代の彼女が、
結構スタミナのあるパワフルなステージを見せていたのが
印象的でした。


DVDのアンコールで流れていたのが、5枚目のシングルだった
「ラブレター」。





このテレビ出演より何カ月か前に、
コンサート中のステージから転落して重傷をおった彼女が、
復帰してのテレビ出演では、コルセットをつけ痛みをこらえて歌っていた。

そんな根性もあった彼女だからこその、
アンコールでの「ラブレター」でも弾けぶりと、息の上がらないパワフルさは、
なかなかびっくりでした。

「お金のため…」というわけではないのだろうけど、
彼女の情熱物語を見た気がします。She Works Hard for the Money/Donna Summer

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