バンクーバー冬季オリンピック大会が開催中です。

先日の開会式でも、数多くのカナダ人アーティストのが、
スタジアムで熱唱しておりました。

話題の16歳の天才ジャズシンガー、ニッキー・ヤノフスキーによる
カナダ国歌斉唱に始まり、

ブライアン・アダムスとネリー・ファータドのデュエットや、
サラ・マクラクラン、
あと、本人は出なかったようだけど、ジョニ・ミッチェルの、
「青春の光と影(Both Sides Now)」が効果的に使われた演出など。


まだ、セリーヌ・ディオンとか、ニール・ヤングとか、ポール・アンカとか、
ラッシュとか、ラヴァーボーイとか、アン・マレー(大会旗を持ってたけど)とか・・・

果たして、閉会式あたりに登場するのかどうかわからない人たちも、
多いのですが、


その開会式で、カナダ提督の大会宣言のあと、
カナダの伝説的アーティスト、レナード・コーエンのナンバー、
「ハレルヤ(Hallelujah)」を熱唱して、
喝采を浴びていた、カナダの女性アーティスト。


k.d.ラング


もともと、カントリーアーティストとしてスタートした彼女が、
唯一、全米トップ40入りしたナンバーで、
1993年のグラミー賞最優秀女性ポップヴォーカルを受賞した曲が、


「コンスタント・クレイヴィング」


トップ40としては、最高位38位の小ヒットだけど、
アメリカを始め、日本でも彼女の清々しい歌い声が、
高く評価され、ラジオヒットとなった曲です。


①P.V.は、貼り付けできないので、リンク先からどうぞ。


k.d.lang "Constant Craving" P.V.


②ライブは、MCつきで、説得力あるヴォーカルを聴かせてくれてます。




k.d. lang "Constant Craving" from the album "Ingenue"(アンジャニュウ)
1992年Billboard Hot100 最高位38位


Even through the darkest phase
Be it thick or thin
Always someone marches brave
Here beneath my skin

>> 悲観的なことが長いこと
>> 形を変え現れたとしても
>> いつも誰かが勇敢に立ち向かっている
>> 内なる心のままに

Constant craving
Has always been

>> 変わらぬ願いというものは
>> いつだってあなたのそこにあるもの

Maybe a great magnet pulls
All souls towards truth
Or maybe it is life itself
That feeds wisdom
To its youth

>> まるで強力な磁石に引き寄せられるかのように
>> 全ての魂は真実へと向かう
>> あるいは、その生きていること自体が
>> 賢明なる導きを受ける
>> その若き生命に向かって

*Constant craving
Has always been

>> 変わらぬ願いというものは
>> いつだってあなたのそこにあるもの

*Craving...
Ah-ha
Constant craving
Has always been

>> 願い
>> ああ
>> 変わらぬ願いよ
>> いつまでもそこにいて欲しい

*repeat


シンプルでやさしいポップなメロディでありながら、
非常に決意に満ちた力強いメッセージ。


そこには、彼女の生き方そのものが現れています。


彼女が、カントリーアーティストとして活動する中、
その音楽的幅を広げていく流れを作るとともに、
彼女自身がレズビアンであることを公表し、

また、同じ境遇にいる人たち、
それゆえにいろいろ苦しむ人たちのために、
音楽活動と並んで、社会的活動にも力を入れています。


全ての人たちが平等な互いへの愛情を持って生きる権利。
それを何よりも大切にするアーティストです。


もっとも、彼女がそのバンクーバーオリンピックで歌った、
「ハレルヤ(Hallelujah)」という曲は、
旧約聖書のダビデのエピソードとそれに対する皮肉の書かれた、
彼女の思想信条に近いと思われる詞(レナード・コーエンの詞)で、
キリスト教関係者からは、睨まれてるんじゃないかなあとも、
思いました。


2004年に、この曲を含んだカナダ人ソングライターの
カバーアルバムの中で、取り上げた曲で、
次の動画は、オリンピックのものではないですが、
最近のライブの核になっている曲のようです。




☆k.d.lang "Hallelujah" from the album "Hymns Of The 49th Parallel"
シングルとしてのチャートインはしてません。


この立ち姿も、オリンピックのときもそうだったけど、
凛々しいでしょ。
「コンスタント・クレイヴィング」あたりは、
まだ女性のしなやかさを感じさせるヴォーカルと曲ですが、
「ハレルヤ」をオリンピック開会式のステージで聴かせる彼女は、
張りのある太いヴォーカルと、繊細さが入り混じっていて、
非常にかっこよかったです。

うちの母親は、この人は女性だといったら、驚いてました。




Ingénue/k.d. lang

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Hymns of the 49th Parallel/k.d. lang

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