「全米トップ40」は、毎週、Billboard誌のHot100の
40位から1位までを発表する番組ですが、

何週かチャートインしている中で、1位に輝く曲もあれば、
1位に到達できない曲もたくさんあります。
というより、大半が1位に到達できない曲ばかりです。

その年によっても異なりますが、年間250~300曲が、
Top40入りする中で、1位になるのは、10数曲前後。
特に近年は、1位が長期化する傾向にあって、たいていは、
1位が取れないことが多いのです。


そんな中、80年代で最も長く1位を取った曲のせいで、
10週間も2位を続けてしまうという不運な曲がありました。

81年から82年にかけて大ヒットした、

フォリナー「ガール・ライク・ユー」


イギリス人のミック・ジョーンズと、アメリカ人のルー・グラムを
中心としたハードロックバンドで、
彼らにとって4枚目のアルバム「4」からの2枚目のシングル。

1枚目のシングル「アージェント(Urgent)」のハードさに対して、
シンセサウンドの美しい、せつないバラードナンバーです。


①85年、日本でのライブバージョンです。




②使用画像はよくわからないのですが、音源はオリジナルで、
 テロップに歌詞が出てきます。



☆Foreigner "Waiting For A Girl Like You" from the album "4"
1982年Billboard Hot100 最高位2位(81/11/28-82/1/30の10週間)


So long
I’ve been looking too hard I’ve waiting too long
Sometimes I don’t know what I will find
I only know it’s a matter of time
When you love someone
When you love someone

>> さようなら
>> ボクはあまりに長く待ちすぎて、疲れてしまったみたいだ
>> 時々、何を探してるのかわからなくなることさえある
>> もう時間の問題だってわかってるさ
>> 君が誰かを愛してるのを
>> 誰かを愛してるってことを

It feels so right, so warm and true
I need to know if you feel it too
Maybe I’m wrong
Won’t you tell me if I’m coming on too strong?
This heart of mine has been hurt before
This time I wanna be sure

>> とてもはっきりと、明確に、間違いなく
>> 君もそう感じていると知りたいんだ
>> きっとボクは間違ってるんだ
>> もしボクが強引だったら教えてくれないか
>> ボクの心ならとっくに傷ついてるんだ
>> 今度ははっきり言ってほしい

I’ve been waiting for a girl like you
To come into my life
I’ve been waiting for a girl like you
A love that will survive
I’ve been waiting for someone new
To make me feel alive
Yeah, waiting for a girl like you
To come into my life

>> 君のような女性を待ってたんだ
>> ボクの人生にやってくる
>> 君のような女性を待ってたんだ
>> 愛はまだ残るだろう
>> 誰か新しい人を待ってたんだ
>> 僕自身を生き返らせるために
>> そう、それは君のような女性を待ってたんだ
>> ボクの人生にやってくるために

You’re so good
When we make love it’s understood
It’s more than a touch or a word we say
Only in dreams could it be this way
When you love someone
Yeah, really love someone

>> 君は素敵だね
>> 僕たちが愛し合ったときからわかってたよ
>> もっと触れ合ったり話をしたいよ
>> もう夢でしか実現できなくなったけど
>> 君が誰かを愛しているのを
>> そう、間違いなく誰かを愛してるんだね

Now, I know it’s right
From the moment I wake up till deep in the night
There’s no where on earth that I’d rather be
Than holding you, tenderly

>> きっとそれは正しいんだね
>> ボクが目覚めてから深夜に至るまでずっと
>> この地上にはもうどこにもないんだね
>> 君をやさしく抱きしめるべき場所が

I’ve been waiting for a girl like you
To come into my life
I’ve been waiting for a girl like you
And a love that will survive
I’ve been waiting for someone new
To make me feel alive
Yeah, waiting for a girl like you
To come into my life

>> 君のような女性を待ってたんだ
>> ボクの人生にやってくる
>> 君のような女性を待ってたんだ
>> 愛はまだ残るだろう
>> 誰か新しい人を待ってたんだ
>> 僕自身を生き返らせるために
>> そう、それは君のような女性を待ってたんだ
>> ボクの人生にやってくるために

I’ve been waiting
Waiting for you

>> ボクは待ってるんだ
>> 君を待ってるんだ

Won't you come into my life

>> ボクの人生にきてくれないか


たまたまなのかもしれないけど、
ボクがブログで取り上げて訳す曲って、
こういう未練たらたらの男の詞が多いなあって思うんですけど、

それって、ボク自身がそうだからなのかなあ?(苦笑)

確かに80年代ヒットには、こういうタイプの曲、
すごく多いのは事実ですけどね。

でも…、

実はこの曲、ちょうど失恋したころに聴いていた曲で、
すごく思い入れのある曲でもあるんです。
詞を読んでると、まさにそんな届かぬ思いのまま、
別れてしまったような、苦いけど暖かい思い出の曲。


それはともかくとして…、

この曲がはじめて2位になった、81年11月28日付の一週前、
11月21日付から、翌年の1月23日付まで10週間1位となった曲に、
9週間1位を阻まれ、2位に甘んじてました。

その曲というのが、

オリヴィア・ニュートン・ジョン「フィジカル(Physical)」

そう、あのレオタードに編みタイツという格好でエアロビを
しながら、エロい詞を歌ってるという、それまでのオリヴィアの
清純派イメージを覆した、あの曲です。

これが、10週間もNo.1で、この年のみならず、
80年代で最もヒットした曲だったのです。

それが、1月30日付で3位にダウンした代わりに、1位となったのが、

ダリル・ホール&ジョン・オール
「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット (I Can't Go For That (No Can Do))」

さらに翌週に、J.ガイルズバンド「堕ちた天使(Centerfold)」が、
1位になったときには、すでにフォリナーに余力はなく、
とうとう1位になれないまま、10週間も2位となってしまう不運。


Billboard Hot100のチャート集計方式は、
ラジオエアプレイとレコードセールス(現在では、CDおよびダウンロード)の
合計によって決まるのですが、

このエアプレイとセールスのかけ率が、時代によって異なり、
セールスに重きを置かれる時代もあれば、現在のようにエアプレイの
比率が重視される時代もあるのです。

フォリナーのこの曲も、時代が違えばNo.1になれていたのかも。
(事実、エアプレイのみ集計されている、「ラジオ&レコード」のチャートでは
1位になっていました。)


まあ、何も1位になるだけがすごいことではないし、
そんな出来事も含めて、人々の記憶に残ることが大事なのだから、

まさに、「No.1よりオンリー・ワン」な曲なのです。


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