12月7日は、父の命日です。
すでに、22年も過ぎてしまいました。

1987年12月7日。
その日も月曜日でした。

当時、父は台湾に単身赴任して、1年と半年足らず。
約1ヶ月前には、母が赴任先アパートへ、身の回りの手伝いなどで渡航しており、
そのときには、全くそんな気配すらなかったようでした。

自分はというと、前の週にラジオで録音した「USA Top100」のテープを
聴きながら出勤し、昼休みになったので、食堂に昼食に出かけていた時間でした。

※「USA Top100」はラジオ日本でのAmerican Top40終了後のの後番組です。

昼食から戻ったとき、同僚から自宅に電話しろとのことで、
母に電話を入れると、

「パパが亡くなったの。」
「…何、どういうこと!?」

状況がよくつかめないながらも、父が向こうで亡くなったという話で、
急遽の帰宅。

母と妹は、現地に迎えに行くことになり、
自分はこちらで、到着までの間に、親戚への連絡と、通夜と告別式のための手配を
することになったのでした。


現地の風習で、現地でも亡くなった父の葬送の儀式をしなくてはならなかったそうで
実際にこちらでのスケジュールまでに、中途半端な時間が空いてしまい、

その間、どうやり過ごしていいかわからない時間がありました。


なんとか気を紛らそうと、「USA Top100」の録音テープを何度も聴きながら、
渾然とした頭の中で聴こえた、この曲。


ベリンダ・カーライル「ヘヴン・イズ・ア・プレイス・オン・アース」

この週のAmerican Top40のNo.1ソングでした。

湯川れい子さんの対訳もありました。


(1)ダイアン・キートン監督によるオリジナルPV版。
 埋め込みがないため、リンク先からご覧ください。

Heaven Is A Place On Earth P.V.


(2)1987年プリンス・トラストコンサート(英国エドワード王子主催のライブ)より




☆Belinda Carlisle "Heaven Is A Place On Earth"
from the album "Heaven On Earth"
1987年Billboard Hot100 最高位1位(12/5付)


Ooh, baby, do you know what that's worth?
Ooh heaven is a place on earth
They say in heaven love comes first
We'll make heaven a place on earth
Ooh heaven is a place on earth

>> Ooh, Baby, 何が価値あることかわかる?
>> Ooh, 天国ってね、地上にあるものなの
>> 天国では愛がまず訪れるっていうけれど
>> 私たちはその天国を作りたいの
>> 天国は地上にあるべきものなの

When the night falls down
I wait for you
And you come around
And the world's alive
With the sound of kids
On the street outside

>> 夜の帳がおりる頃
>> 私はあなたを待って
>> そしてあなたがやってくる
>> すると世界は生き生きとして
>> 子供たちのはしゃぎ声が
>> ストリートからあふれだすの

When you walk into the room
You pull me close and we start to move
And we're spinning with the stars above
And you lift me up in a wave of love...

>> あなたが部屋に入ってくるとき
>> あなたは私を抱き寄せ、そして私たちは動き始める
>> 私たちは星空の下をぐるぐると回りながら
>> あなたは愛の波の中から私を抱き上げるの

Ooh, baby, do you know what that's worth?
Ooh heaven is a place on earth
They say in heaven love comes first
We'll make heaven a place on earth
Ooh heaven is a place on earth

>> Ooh, Baby, 何が価値あることかわかる?
>> Ooh, 天国ってね、地上にあるものなの
>> 天国では愛がまず訪れるっていうけれど
>> 私たちはその天国を作りたいの
>> 天国は地上にあるべきものなの

When I feel alone
I reach for you
And you bring me home
When I'm lost at sea
I hear your voice
And it carries me

>> 私は孤独を感じると
>> あなたに手を伸ばして
>> あなたは私を家に連れていってくれる
>> 私が途方にくれていると
>> あなたの声が聴こえて
>> 私を導いてくれる

*1
In this world we're just beginning
To understand the miracle of living
Baby I was afraid before
But I'm not afraid anymore

>> この世界で、私たちはたった今から
>> 生きるっていうことの奇跡を理解し始める
>> Baby, 前は怖くてしかたなかった
>> でも、もう恐れはしない

*2
Ooh, baby, do you know what that's worth?
Ooh heaven is a place on earth
They say in heaven love comes first
We'll make heaven a place on earth

>> Ooh, Baby, 何が価値あることかわかる?
>> Ooh, 天国ってね、地上にあるものなの
>> 天国では愛がまず訪れるっていうけれど
>> 私たちはその天国を作りたいの
>> 天国は地上にあるべきものなの

*1*2 Repeat


亡くなった後から、実際に歌詞カードや対訳を見る機会が何度もあって、
この詞を見ると、すごく大切なことを歌っていると感じられるのだけど、
当時の自分には、とても皮肉な歌詞に聴こえたのでした。

「それならば、神はなぜ何の前ぶれもなく、地上から天に連れ去っていったのか。」

焼場へ行くまでの一晩を父と過ごした時、どういう思いでいたらよいかわからず、
眠ることもできずに、テープを聴きながら、そんなことを考えていました。


当時のことを何よりも思い出す一曲なんです。


ベリンダ・カーライルは、80年代初頭に、ガールズロックバンド
「ゴーゴーズ(The Go-Go's)」のリードヴォーカリストとして活躍し、
「ウィ・ガット・ザ・ビート」や「ヴァケーション」などのヒット曲を
放っていて、バンドが一時解散した1986年ごろからソロ活動も行い、
この曲でゴーゴーズでは果たせなかった、シングルNo.1を獲得しました。


この曲は、スバルの自動車のCMなどにも採用されたこともあるなど、
日本でも大ヒットした曲で、80'sオムニバスでもよく取り上げられる曲です。


すでに、あれから22年。
当時感じた思いは、もうかけらもなくなり、今はただそこに父がいつもいることを
感じることのできる曲になりました。


「天国は地上にあり」