えらそうなタイトルになったが、要するに「望まない今の生活を現状打破」することをテーマとして、必要な目標というものを自分の中で作っただけだった。
そもそも、自分的には今は何もかもが望まない生活でしかなかった。
・焼きイモなど売ってもないお店なのに 「イモ屋」といダサいネーミングの
駄菓子屋の息子だという、あまりに恥ずかしい、家出したいくらい恥ずかしい自尊心破壊の現実。
・父と母がいつもいがみ合って夫婦喧嘩している生活に挟まれた一人っ子。
・大変だ大変だと母の愚痴を聞かされ、スキあらば恥ずかしい「イモ屋」を手伝わされる日々。
・脚を大怪我して動けないけど頭は非常に切れる父の、尊厳はあるけど生活は変わらない
レベルのお説教を聞かされ、それに服従するしかない親子関係。
・お店がお客にバカにされる最中、不良中学生の先輩達の出会いが増え、からまれてたかられる環境。
(この時からすでに、僕の中では お金は望まない人を追い払うために便利なツールだという認識が芽生えていった)
ここで、厨二で人生初めて「希望」を持ったものとの出会い、それが「マイコン(パソコン)」の世界だ。
僕の、その発想の段階としては、まず
1.マイコン(パソコン)のプログラミングを学びたい!
2.そのためには、PCを身近に置いておきたい(つまり手に入れたい)
3.そのためには、資金が必要
4.環境のためには、望まない人たちと付き合う距離をおきたい
5.プログラミングを知るために、知ってる人に教えてもらえる環境を自分で探す必要がある
もちろん、自分自身の「やりたいこと」を積極的に手伝うような人は、少なくとも
僕のまわりに全くいない(しかも当時はまだ怪しい・怖い・意味不明なイメージのコンピュータのテーマだし)
ことから、僕には徐々に 【まわりに相談する】 ということが選択肢に上がってこなくなっていて、
「どうせ僕のことなんか誰もわかんないでしょ」
的な思想が植えつけられていった意識が非常に強い。
だけど、いくらなにをどう考えたところで、それだけじゃ毎日は全然変わらないわけだし、
だからといって「一緒にそれやろうぜ!」なんて人も誰もいなかったわけだから、
必然的に僕の中で 「自分のやりたいことは自分にしか叶えられない」という孤独な目標観が自然に定着していった。
これこそ、教科書もなく教える人も一緒に考える人も皆無の状態なので、
その何も指標がない状態で目標を達成したいとなれば、僕の中の発想にはこれしか生まれなかった。
「今できることを、とりあえずやってみて自分で考える」こと。
仕方ないじゃない。
誰も共感も同調もしないんで、そうするしか(笑)
という感じで、同級の話せる友達(親や不良仲間では、ロクな結果にならないと予測してたので相談しなかった)に、「なんか中学生でもできるバイトないかなー」と相談してみたところ、
まさかの 唯一ふだんからよく話せるU君の親が自営業でファーストフード(からあげ)の移動販売をしているというので、訪問販売して売れたらマージンを払うから、バイトをしてみないか、と持ちかけられたのだ。
今考えると、それは時給ではなく、団地などに飛び込みで営業をかける「完全歩合制」の、
いまだときっとかなり違法性が高い(笑)地べた営業だったのだが、当時田舎でそんなことが
話題になることなどなく (ていうか 実際そんな事する人なんて聞いたこともないのもあったかも)
僕は中学生の子どもだったという事もあってか、飛び込みで「からあげ要りませんかー?」なんて
いきなり訪問しまくってただけなのに、住人はその姿を可愛がってくれたせいなのか
意外に売上は好調に伸びていき、意外に普通の時給をはるかに超える成果報酬を、
僕は中学生の分際で手に入れることに成功していたのだ。
なので、昼から夕方まで団地へからあげフードの飛び込み営業を繰り返しているうちに
馴染みの客もできてきたせいもあって、日給1万円とか普通に稼いでいた自分に成長していた(笑)
この体験が、家の売上金を盗んで 先輩への上納金にしていた「労力と労働の質」の違いとなって痛感できるようになった。
なんだか、ここで初めて 肉親ではない友達の家の仕事を手伝い、その労務の対価をまともに受け取ることで、
自営で働いていた親の気持ちも、ちょっとわかるようになったことも、大きな進化といえば進化なのかも知れない。
ところでこれは余談だが、その仕事をくれたUくんのお父さんは過去なにかの罪を犯したことがあり、
最近になってお勤め(刑期)を終えて出所して間がなかったということを、にわかにだけ聞いていた。
Uくんもまた、中学生にしてそういう「隠したい黒歴史」を抱えた生き方をしてきた一人でもあったようだ。
このあたりに、僕とUくんとが気持ち的にシンクロしていた理由も垣間見れた気がする。
そういう感じで、僕にとってこの「からあげ販売飛び込み歩合営業」は、絶好の生活隠れみのプラス、本当の意味での
ビジネス実益体験となって、僕の中に大きな経験値を植え付ける出来事である。
この営業に従事している時間、僕はイヤな 「イモ屋の息子がイモ屋を手伝う」ことも、
先輩に絡まれていろんな我慢を強いられることもなく、おまけに売上の成果がそのまま「身入り」として
実益を積み上げられていくことに、実感を伴いながら気づいていった。
自分の家族と生まれ育って知り合った人脈から、未知の世界へ
飛び出すことで、新しい選択肢が生まれるということ。
あくまで僕の場合だけど
「自分ひとりで行動する理由」が、僕には備わっていたのだ。
その根底は、現状打破であり、現実からの逃避。
マズローの五段階欲求のうち、
もっとも最低レベルで、最も強い「恐怖から逃れたい欲求」が僕にはあった。
のちに与沢翼さんが成功した背景も、これと同じ「闇・陰」の種類で
自己否定感・自己嫌悪からくる 【打破・改善】がそのエネルギー源なのだ。
ほんとに、子どものうちにこういう「現実世界での人の心の影響」を
子どもとか大人だからとかの枠や理由を外すことで真剣に感じ、学べるということが理解できたなあ。